再会(2022.2.6)

文字数 387文字

窓の外で
しきりに
鳥が囀る

あまりに
しつこいので
ベランダを見遣ると
雨上がりの夕陽に染まった
胸元緑
全身茶の鳥が
小刻みに首を傾げ
音ズレしながら鳴く

目が合うと
ぴたりと
動きが止む


あぁ
あなた
でしたか

夢にも現れないから
忘れられたと思っていたら
鳥になったとは


驚かそうと思ったくせに
気づかれなかったらどうしようと心配して
自分の好きな色を胸元に入れるなんて

そんなことをしなくても
わたしは分かるのに

音痴だったから
鳥になっても
やはり音ズレしてしまうんですね

生きていると
色々とあって
忙しいから
あなたのことは
段々と忘れてしまう

だから時々
訪れて下さい

鳥でも
ネコでも
構いません

音ズレを聞けば分かるので
できれば鳴く方が良い

だけど
緑色は反則です

窓を開けても
入ってこないのは
飼われるのは嫌だ
という意思表示

性格も変わらないようで
安心しました

二年が過ぎ
忘れようとしたけど
忘れたことは嘘です
ずっと待って
待ちくたびれていた
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