風と父と(2022.6.15)
文字数 351文字
風に
背中を押され
歩く朝
父を
感じる
幼稚園
小学校
転校した小学校
いつも
門の前で
立ち竦んだ
手をつなぎ
みんなが
追い越していくのを
二人で見送り
さぁ 行っておいで
手を離した父が
私の背中を
優しく押す
きっかけは
手を握る力か
あるいは
手の平の汗か
まるで
風に
背中を押されたように
前へ進めるのだ
父は
私を良く見て
心から理解してくれた
中学校
高校
大学
そして入社
転々とした会社
私はひとり
立ち竦み
父の声と手を
背中に感じて
前に進んだ
息子達は
手がかからなかったから
私の出番は
なかった
定年が近づいても
時折
立ち竦む日がある
そんな日は
決まって
優しい風が
吹くのだ
亡くなった父は
呆れているだろうが
風になって
背中を押してくれる
まもなく
父の人生を
超える
そろそろ
ひとり立ち
しなければ
今朝も
背中に風を
感じながら
出社した
父の人生を
超えても
父は超えられそうにない
背中を押され
歩く朝
父を
感じる
幼稚園
小学校
転校した小学校
いつも
門の前で
立ち竦んだ
手をつなぎ
みんなが
追い越していくのを
二人で見送り
さぁ 行っておいで
手を離した父が
私の背中を
優しく押す
きっかけは
手を握る力か
あるいは
手の平の汗か
まるで
風に
背中を押されたように
前へ進めるのだ
父は
私を良く見て
心から理解してくれた
中学校
高校
大学
そして入社
転々とした会社
私はひとり
立ち竦み
父の声と手を
背中に感じて
前に進んだ
息子達は
手がかからなかったから
私の出番は
なかった
定年が近づいても
時折
立ち竦む日がある
そんな日は
決まって
優しい風が
吹くのだ
亡くなった父は
呆れているだろうが
風になって
背中を押してくれる
まもなく
父の人生を
超える
そろそろ
ひとり立ち
しなければ
今朝も
背中に風を
感じながら
出社した
父の人生を
超えても
父は超えられそうにない