玉葱男(2022.8+α)
文字数 327文字
手を洗い
うがいしたら
玉葱を手にする
これでもか というくらいの
みじん切りに
涙なんか
気にしない
泣くために
切っているのだから
泣いているのは
玉葱のせいで
フラれたせいではない
みじん切りにしたら
フライパンで
とことん炒める
飴色になるまで
じっくりと
しつこく
これでもかと痛めつける
断じて
フラれた
腹いせではない
じっくりと
炒めつけたら
煮込んでやる
折角の飴色が
目立たないように
カレールーに溶けてしまえ
冷凍ご飯を温めて
勢い良く口中に流し込めば
カレーの一部となった玉葱なんて
存在感の欠片もない
泣いて
炒めて 痛めつけて
煮込んで
食べて
おかわりする
シャワーを浴びながら
涙を洗い流せば
ぐっすり眠れる
一晩眠ると
思い出に変わるから
一晩寝かせた
カレーを食べて
儀式は終わる
うがいしたら
玉葱を手にする
これでもか というくらいの
みじん切りに
涙なんか
気にしない
泣くために
切っているのだから
泣いているのは
玉葱のせいで
フラれたせいではない
みじん切りにしたら
フライパンで
とことん炒める
飴色になるまで
じっくりと
しつこく
これでもかと痛めつける
断じて
フラれた
腹いせではない
じっくりと
炒めつけたら
煮込んでやる
折角の飴色が
目立たないように
カレールーに溶けてしまえ
冷凍ご飯を温めて
勢い良く口中に流し込めば
カレーの一部となった玉葱なんて
存在感の欠片もない
泣いて
炒めて 痛めつけて
煮込んで
食べて
おかわりする
シャワーを浴びながら
涙を洗い流せば
ぐっすり眠れる
一晩眠ると
思い出に変わるから
一晩寝かせた
カレーを食べて
儀式は終わる