視線(2021.10.24)
文字数 239文字
ほんの少し前へ
足を伸ばしてみる
昼間の
空席目立つ
地下鉄で
膝のトートバッグと買物袋を
横に置いてみる
私しかいない
シートだから
誰にも気兼ねなく
ずっと
真面目に
きちんと
生きてきた
些細なこと
かもしれないけど
私にとっては
けっこう
思い切りがいること
私は
常に
視線を気にしている
いつも
誰かに
見られているのだ
車内を
見渡すが
一人も
こちらを見ていない
優先席からは
鼾が聞こえる
私は
視線に
初めて
気づいた
私を
監視する
私の視線
今日
私は
私に
少しだけ
抗いたくなった
はじめの一歩
までは行かずとも
はじめの半歩
踏み出せたかな
足を伸ばしてみる
昼間の
空席目立つ
地下鉄で
膝のトートバッグと買物袋を
横に置いてみる
私しかいない
シートだから
誰にも気兼ねなく
ずっと
真面目に
きちんと
生きてきた
些細なこと
かもしれないけど
私にとっては
けっこう
思い切りがいること
私は
常に
視線を気にしている
いつも
誰かに
見られているのだ
車内を
見渡すが
一人も
こちらを見ていない
優先席からは
鼾が聞こえる
私は
視線に
初めて
気づいた
私を
監視する
私の視線
今日
私は
私に
少しだけ
抗いたくなった
はじめの一歩
までは行かずとも
はじめの半歩
踏み出せたかな