第57話
文字数 1,840文字
「ここは時間の路。私はルーン、時間の守護霊」
「ルーン……俺は戻って来たんだな」
「何かあったのですか?」
「いや、暫く此処に戻れずに何回も同じ時間の流れを繰り返していたんだ。」
レシアの話を聞き、ルーンは首を傾げた。
「そんな事例は聞いた事がありません。特に記憶が主要人物に共有されているなんて」
「そうだな……まあ戻って来れたのなら良いさ」
※横話Gが解禁されました。現状でのエピローグを垣間見る事が可能になります。ただし、これがこの物語の最終的なエピローグではありません。レッドはこのエピローグを見た後、また時間の扉を開ける事になります。
「それにしても、あそこに居るのは誰だ? ルーンの関係者なのか?」
「え、誰の事ですか?」
ルーンが振り向く。視線の先にはフードを被った男が座っていた。
「……」
「こ、これは……」
「ルーンの知り合いか何かじゃないのか?」
「ある意味では知り合いかもしれません。しかし違うとも言えます」
「どういう意味だ?」
「……俺とルーンが知り合わない世界線もあるって事だ」
「誰なんだ、お前は?」
「俺は……そうだな。ナイトメアとでも名乗っておこう」
ナイトメアと名乗る男はゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩いて来た。その手には剣が握られている。ルーンソードとよく似ているルーン鉱石でコーティングされているガンブレードだ。多少の形状は違うが……
「ナイトメアというのはコードネームみたいな物だけどな」
「……」
ナイトメアから殺気を感じる。油断すると今にも襲い掛かって来るんじゃないかと思える位の……
「何か用なのか?」
「お前が首から下げているルーン鉱石を貸してほしいんだが」
「……!? お前、何でそれを知っている?」
ルーン鉱石の付いているネックレスはいつも服の内側に入れてある。戦闘などで切れてしまっては困るからだ。だからパッとしても気付く事は無い。ネックレスに気付いたとしてもその先にルーン鉱石が付いている事は絶対に分からないはずなのに……
「分かるさ。お前の事はな」
「何だ? ストーカーって奴なのか?」
「そういう訳じゃ無いけど、まあルーン鉱石を得られるのであればストーカーでも何でも構わない」
「一応聞いておいてやるが、このルーン鉱石を借りてどうするつもりなんだ?」
「少し使用するだけだ。ちょっと封印を成したい奴がいてな」
「何だと?」
「ちゃんと返すさ。いつになるか分からないが」
「それを信用しろと?」
「別に信用を得ようとはしていない。力尽くで借りて行っても良いんだし」
「結局、元よりそのつもりだったんだろ?」
「さあ、な」
レシアは剣を構える。殺してしまうべきか、取り押さえた方が良いのか……そう一瞬考えた間にナイトメアは剣を突き出して来た。
「!? 早い!」
「へえ、今のをかわすのか。良い反応だ」
「いきなり攻撃しやがって」
「構えたのはお前の方だ」
「そんな殺気だらけの状態で話し合いで終わるとは思えない」
「そうだな」
「あまりしつこくすると殺すぞ」
「お前では俺には勝てないよ」
レシアはナイトメアに斬り掛かる。ナイトメアは攻撃を剣で弾いて返す刀で攻撃してきた。何とか後ろへかわして距離を取る。
「こいつ……手加減しているのか?」
「流石にそれ位は気付くか。まあそうでないとな」
「何で?」
「別にお前を殺す事が目的では無いんでな」
「あくまでこのルーン鉱石が目的って訳だな」
「そういう事だ」
「だが、これを渡す訳にはいかん」
「そうだろう。だからこうして戦っているんだ」
ナイトメアは魔法を唱えた。ナイトメアを中心として闇属性の風が一体に吹き荒れた。レシアは吹っ飛ばされてしまう。
「闇属性魔法だと? 俺と同じなのか」
「お前もいずれ使える様になるさ」
ナイトメアは走り寄りレシアに斬り掛かる。レシアは剣でガードするが、もともとバランスが崩れてたこともあり弾き倒される。
「く……こんな所で負けられるか! パワーホールド!」
「へえ、本気を出して来たか」
「それ位にお前は強いからな」
「掛かって来い。それで俺に勝てると思うならな」
レシアは気弾を放ちながらナイトメアに近付く。ナイトメアは気弾を捌きながらレシアの攻撃を剣で防いだ。
「くっ!」
「今のは良い攻撃だ。だがまだまだだな。パワーホールド!」
「な、何ッ!?」
パワーホールドを使用したナイトメアは鍔競り合い状態から一気にレシアを吹き飛ばした。
「ナイトメア……お前まさか」
「気付いたか? まあパワーホールドを使用したんだ、気付くわな」
「お前は……俺、なのか?」
「ルーン……俺は戻って来たんだな」
「何かあったのですか?」
「いや、暫く此処に戻れずに何回も同じ時間の流れを繰り返していたんだ。」
レシアの話を聞き、ルーンは首を傾げた。
「そんな事例は聞いた事がありません。特に記憶が主要人物に共有されているなんて」
「そうだな……まあ戻って来れたのなら良いさ」
※横話Gが解禁されました。現状でのエピローグを垣間見る事が可能になります。ただし、これがこの物語の最終的なエピローグではありません。レッドはこのエピローグを見た後、また時間の扉を開ける事になります。
「それにしても、あそこに居るのは誰だ? ルーンの関係者なのか?」
「え、誰の事ですか?」
ルーンが振り向く。視線の先にはフードを被った男が座っていた。
「……」
「こ、これは……」
「ルーンの知り合いか何かじゃないのか?」
「ある意味では知り合いかもしれません。しかし違うとも言えます」
「どういう意味だ?」
「……俺とルーンが知り合わない世界線もあるって事だ」
「誰なんだ、お前は?」
「俺は……そうだな。ナイトメアとでも名乗っておこう」
ナイトメアと名乗る男はゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩いて来た。その手には剣が握られている。ルーンソードとよく似ているルーン鉱石でコーティングされているガンブレードだ。多少の形状は違うが……
「ナイトメアというのはコードネームみたいな物だけどな」
「……」
ナイトメアから殺気を感じる。油断すると今にも襲い掛かって来るんじゃないかと思える位の……
「何か用なのか?」
「お前が首から下げているルーン鉱石を貸してほしいんだが」
「……!? お前、何でそれを知っている?」
ルーン鉱石の付いているネックレスはいつも服の内側に入れてある。戦闘などで切れてしまっては困るからだ。だからパッとしても気付く事は無い。ネックレスに気付いたとしてもその先にルーン鉱石が付いている事は絶対に分からないはずなのに……
「分かるさ。お前の事はな」
「何だ? ストーカーって奴なのか?」
「そういう訳じゃ無いけど、まあルーン鉱石を得られるのであればストーカーでも何でも構わない」
「一応聞いておいてやるが、このルーン鉱石を借りてどうするつもりなんだ?」
「少し使用するだけだ。ちょっと封印を成したい奴がいてな」
「何だと?」
「ちゃんと返すさ。いつになるか分からないが」
「それを信用しろと?」
「別に信用を得ようとはしていない。力尽くで借りて行っても良いんだし」
「結局、元よりそのつもりだったんだろ?」
「さあ、な」
レシアは剣を構える。殺してしまうべきか、取り押さえた方が良いのか……そう一瞬考えた間にナイトメアは剣を突き出して来た。
「!? 早い!」
「へえ、今のをかわすのか。良い反応だ」
「いきなり攻撃しやがって」
「構えたのはお前の方だ」
「そんな殺気だらけの状態で話し合いで終わるとは思えない」
「そうだな」
「あまりしつこくすると殺すぞ」
「お前では俺には勝てないよ」
レシアはナイトメアに斬り掛かる。ナイトメアは攻撃を剣で弾いて返す刀で攻撃してきた。何とか後ろへかわして距離を取る。
「こいつ……手加減しているのか?」
「流石にそれ位は気付くか。まあそうでないとな」
「何で?」
「別にお前を殺す事が目的では無いんでな」
「あくまでこのルーン鉱石が目的って訳だな」
「そういう事だ」
「だが、これを渡す訳にはいかん」
「そうだろう。だからこうして戦っているんだ」
ナイトメアは魔法を唱えた。ナイトメアを中心として闇属性の風が一体に吹き荒れた。レシアは吹っ飛ばされてしまう。
「闇属性魔法だと? 俺と同じなのか」
「お前もいずれ使える様になるさ」
ナイトメアは走り寄りレシアに斬り掛かる。レシアは剣でガードするが、もともとバランスが崩れてたこともあり弾き倒される。
「く……こんな所で負けられるか! パワーホールド!」
「へえ、本気を出して来たか」
「それ位にお前は強いからな」
「掛かって来い。それで俺に勝てると思うならな」
レシアは気弾を放ちながらナイトメアに近付く。ナイトメアは気弾を捌きながらレシアの攻撃を剣で防いだ。
「くっ!」
「今のは良い攻撃だ。だがまだまだだな。パワーホールド!」
「な、何ッ!?」
パワーホールドを使用したナイトメアは鍔競り合い状態から一気にレシアを吹き飛ばした。
「ナイトメア……お前まさか」
「気付いたか? まあパワーホールドを使用したんだ、気付くわな」
「お前は……俺、なのか?」