第21話
文字数 1,823文字
気付くと、見知らぬ家に居た。シヴァとナーダも無事だ。
「ここはどこだ?」
「ここは俺の隠れ家だ。まだアサシンにも見付かっていない場所だから安心してくれ」
「助かったぁ……」
「しかし、お互いに九死に一生を得た様だな」
「ああ、正直ヤバかった。シヴァ、俺は……」
「お前はレッドではなくレシアとして生きる決断をした。そうだろ? それならもう言う事は無いさ」
「有難う。でも俺はこれからどうすれば」
「レシア、お前が依頼するんなら村の仇は俺が調べてやろうか?」
「え、出来るのか?」
「ハンターを舐めない事だ。アサシンには負けない情報網を持っている」
「依頼か……」
「尤も、自力で探し出すって言うなら構わない」
「レシア……」
考えるまでも無い……か。
「個人で探すには無理があるだろう。分かった、条件付きで依頼させて貰う」
「条件?」
「条件は2つだ。1つ、報酬は成功報酬。2つ、ターゲットは必ず殺すな。仇は俺が討つ」
「良いだろう。その条件、飲ませて貰う」
「よし」
「だが、村を1つ壊滅させる様なヤツだ。無傷で連れて来るのは難しいかもしれない。場合によっては、そいつの居る場所へお前を案内する事になる」
「別に連れて来る必要は無いさ。言葉通り、探し出してくれれば良い。居場所さえ判明したら、俺の方から乗り込んでやるよ」
「商談成立、だな。サービスだ。この隠れ家はお前達に貸してやろう。全てが終わるまで使用して貰って構わない」
「へえ、気前が良いじゃないか」
「まあ、普段使用していない場所だしな。ついでに掃除でもしておいてくれ」
「こいつ……」
ふとナーダを見る。安心している様な不安な様な……よく分からない表情をしているな。
「ナーダ、お前はどうするんだ? どうにしろあまりで歩いたりは推奨しないが」
「どこかに家を借りるか、ここでレシアと暮らすか」
「私は……レシアと一緒に居たい。せっかく再会出来たんだもん、ずっと傍に居たいよ」
「その誤解を受けそうな言い方はやめろ」
「分かった。近くには24時間やっている商店もある。ハンターの多い地域だが、それ位の外出は問題なく出来るはずだ。この辺りのハンターには俺から軽く話しておくから、お前が襲われる事も無いだろう」
「そうか。何から何まですまんな」
「1週間もあれば、依頼の方は達成できるだろう。それまで待っているんだな」
「……頼む」
「ああ」
シヴァはテレポートで何処かに行ってしまった。レシアとナーダだけが残る。
「……さて、取り敢えずどうするか」
「まずは商店に行こうよ。何もないとご飯も作れないよ」
「ああ、そうだな。どうやら生活に必要な物はあらかた揃っているし、食材だけ補充すれば良さそうだ」
近くの商店……か。……何処だ?
暗い中、暫く探し回ってやっと商店に辿り着いたのであった。
「結構買ったな。これだけあれば1週間持つだろう。でも、本当に1週間で終わるんだろうか?」
「それは分からないけど……足りなくなったら、また買いに来れば良いじゃない」
「まあ、それもそうだな。……ん?」
商店の端にある食器コーナーに目が留まる。この輝きはルーン製の食器だな。
「結構な値段してるな。純度の高いルーンを使用しているのか?」
「本当ね。でも綺麗」
「お2人さん、お目が高いね。最近ルーン製の武具や食器が出回ってるんだ。どこか良い鉱脈でも見つかったのかもしれんな」
「ねえ、レシア。ここからだったら、ルーン村も近いよね?」
「近いって……一山超えるぞ」
「そうだけど……行ってみない?」
「はい?」
「あの時って、ちゃんと見る余裕なんて無かったでしょ?でももしかしたら犯人の手掛かりとか残っているかも」
「3年も前の事なんだが……」
「そんなの分からないじゃない」
「……でもまあ、単純に気にはなるかな。ハンターに任せっきりってのもアレだし」
「自分たちの手で調べてみたいでしょ?」
「まあな。しかし意外だな。復讐には否定的だと思ってたけど」
「否定的に決まってるよ。でも私だって真実は知りたいもん」
「まあそうか。取り敢えず、隠れ家に帰って荷物を片付けよう」
「何か小難しい話をしてるけど、何か買わないのかい?」
「ああ、そうだな。この皿を2枚貰おうか」
「毎度あり」
隠れ家に戻りレシアは簡単な掃除。ナーダは夕食を作った。何だかんだ、日付も変わりそうな時間になっている。今日はご飯を食べて寝よう。
「風呂の掃除もしておこう。汚い風呂だけは嫌なんだ」
「ご飯出来たんだから、食べてからにしてよ」
「えー」
「ここはどこだ?」
「ここは俺の隠れ家だ。まだアサシンにも見付かっていない場所だから安心してくれ」
「助かったぁ……」
「しかし、お互いに九死に一生を得た様だな」
「ああ、正直ヤバかった。シヴァ、俺は……」
「お前はレッドではなくレシアとして生きる決断をした。そうだろ? それならもう言う事は無いさ」
「有難う。でも俺はこれからどうすれば」
「レシア、お前が依頼するんなら村の仇は俺が調べてやろうか?」
「え、出来るのか?」
「ハンターを舐めない事だ。アサシンには負けない情報網を持っている」
「依頼か……」
「尤も、自力で探し出すって言うなら構わない」
「レシア……」
考えるまでも無い……か。
「個人で探すには無理があるだろう。分かった、条件付きで依頼させて貰う」
「条件?」
「条件は2つだ。1つ、報酬は成功報酬。2つ、ターゲットは必ず殺すな。仇は俺が討つ」
「良いだろう。その条件、飲ませて貰う」
「よし」
「だが、村を1つ壊滅させる様なヤツだ。無傷で連れて来るのは難しいかもしれない。場合によっては、そいつの居る場所へお前を案内する事になる」
「別に連れて来る必要は無いさ。言葉通り、探し出してくれれば良い。居場所さえ判明したら、俺の方から乗り込んでやるよ」
「商談成立、だな。サービスだ。この隠れ家はお前達に貸してやろう。全てが終わるまで使用して貰って構わない」
「へえ、気前が良いじゃないか」
「まあ、普段使用していない場所だしな。ついでに掃除でもしておいてくれ」
「こいつ……」
ふとナーダを見る。安心している様な不安な様な……よく分からない表情をしているな。
「ナーダ、お前はどうするんだ? どうにしろあまりで歩いたりは推奨しないが」
「どこかに家を借りるか、ここでレシアと暮らすか」
「私は……レシアと一緒に居たい。せっかく再会出来たんだもん、ずっと傍に居たいよ」
「その誤解を受けそうな言い方はやめろ」
「分かった。近くには24時間やっている商店もある。ハンターの多い地域だが、それ位の外出は問題なく出来るはずだ。この辺りのハンターには俺から軽く話しておくから、お前が襲われる事も無いだろう」
「そうか。何から何まですまんな」
「1週間もあれば、依頼の方は達成できるだろう。それまで待っているんだな」
「……頼む」
「ああ」
シヴァはテレポートで何処かに行ってしまった。レシアとナーダだけが残る。
「……さて、取り敢えずどうするか」
「まずは商店に行こうよ。何もないとご飯も作れないよ」
「ああ、そうだな。どうやら生活に必要な物はあらかた揃っているし、食材だけ補充すれば良さそうだ」
近くの商店……か。……何処だ?
暗い中、暫く探し回ってやっと商店に辿り着いたのであった。
「結構買ったな。これだけあれば1週間持つだろう。でも、本当に1週間で終わるんだろうか?」
「それは分からないけど……足りなくなったら、また買いに来れば良いじゃない」
「まあ、それもそうだな。……ん?」
商店の端にある食器コーナーに目が留まる。この輝きはルーン製の食器だな。
「結構な値段してるな。純度の高いルーンを使用しているのか?」
「本当ね。でも綺麗」
「お2人さん、お目が高いね。最近ルーン製の武具や食器が出回ってるんだ。どこか良い鉱脈でも見つかったのかもしれんな」
「ねえ、レシア。ここからだったら、ルーン村も近いよね?」
「近いって……一山超えるぞ」
「そうだけど……行ってみない?」
「はい?」
「あの時って、ちゃんと見る余裕なんて無かったでしょ?でももしかしたら犯人の手掛かりとか残っているかも」
「3年も前の事なんだが……」
「そんなの分からないじゃない」
「……でもまあ、単純に気にはなるかな。ハンターに任せっきりってのもアレだし」
「自分たちの手で調べてみたいでしょ?」
「まあな。しかし意外だな。復讐には否定的だと思ってたけど」
「否定的に決まってるよ。でも私だって真実は知りたいもん」
「まあそうか。取り敢えず、隠れ家に帰って荷物を片付けよう」
「何か小難しい話をしてるけど、何か買わないのかい?」
「ああ、そうだな。この皿を2枚貰おうか」
「毎度あり」
隠れ家に戻りレシアは簡単な掃除。ナーダは夕食を作った。何だかんだ、日付も変わりそうな時間になっている。今日はご飯を食べて寝よう。
「風呂の掃除もしておこう。汚い風呂だけは嫌なんだ」
「ご飯出来たんだから、食べてからにしてよ」
「えー」