第66話
文字数 1,932文字
バダグが最終決戦の為に異空間へ来るより前……
「ここは……異空間だな。懐かしい」
未来のレシアこと、ナイトメアはこの時代に再び来ていた。HAGからの依頼で話を聞いた瞬間に、ここへ来て何をすべきかが理解出来た。恐らく、あの時にこの時代のレシアと出会ったのもこの所為だったのだろう。
「……居るんだろ?」
「……ほう。俺が居る事を知っていたのか」
「この時系列では、初めましてだな」
「何だと?」
ナイトメアの前にはティアマットが居た。
「いきなりで悪いが、お前には暫く退場して貰うよ」
「面白いヤツだな。俺の遊び相手になってくれるのか?」
「遊ぶつもりは無いがな」
ティアマットは爪でナイトメアを攻撃した。ナイトメアはそれをかわして魔法を唱えた。ナイトメアの周りに闇の風が吹き荒れてティアマットを後ずさりさせる。
「そんな魔法で。」
「じゃあこれはどうだ?」
ナイトメアはガンブレードを銃の様に構えた。魔力が充填され、トリガーを引くと共に剣先から魔力のビーム砲が発射された。ビームはティアマットに直撃し、ティアマットの動きを封じる。
「な、何だこれは!?」
「自分が知らない属性の魔力で攻撃されるのはどんな気分だ? これはルーン属性と呼ばれる魔力属性で、この時代には確立されていない物だからな」
「さっきから何を……まさかお前は!」
「理解したか?」
「くそが! チートだろう、こんなのは!」
「こうでもしなきゃ人間が邪竜に勝てるかよ。だから悪く思うな」
「このままお前が生き残るのならな!」
ティアマットは黒い炎を吐き出した。炎はナイトメアを包み込む。
「悪いが、この炎は研究済みだ。ヴィーゲールコード03発動!」
ナイトメアの身体から光の壁が現れてティアマットの炎をかき消した。
「まさか……」
「これ位の準備もせずにお前と対峙する訳が無い。終わりだ!」
ナイトメアはさっきの様にガンブレードを構えた。さっきと違うのは魔力を充填するのでは無く、魔力の籠ったカプセルをシリンダーに込めた事。
「安心しな。別に殺す訳じゃ無い。何年か別の空間で眠ってて貰うだけだ」
「く、くそっ!」
ガンブレードから発射された魔力の塊を受け、ティアマットは消え去った。
「……ふう。上手くいったな。さて、どうしようか。ちょっと見てくか?」
その後、ナイトメアはレシアとニサラレスの決戦を遠くから見届けた。途中でバダグとブルーが現れた時は気配を消してやり過ごした。決戦後、皆はテレポートで地上へ戻って行く。
「……これで一件落着、だな。俺も戻るか」
「ふう……ここはアサシン本部だな。何とか戻れた様だ」
「そうだな。……しかし、流石に身体にガタがきている」
「バダグ、アンタはちょっと休みな」
「これで万事解決だ。仇も討ったし」
「レッド、俺は……」
「ああ、もういいや。全部分かってるよ」
「レッド、アンタは私達が憎く無いの?」
「実際の仇はダーク・アサシン……つまりニサラレスだった。村を焼いたのはお前達かもしれんが、村人を殺してはいない。今回の流れは全体的に見ても悪くない」
「今回の流れ?」
「気にするな。何と言うか……とにかくお前達ももう気にするな。それに」
「それに?」
「言いたい事はあるかもしれんが、俺はお前達より大人って事だ」
いつかどこかの時間の流れでレシアが言われた台詞だった。いつかどこかで言ってやろうと心の奥で思っていた。これは決まったな。
「レシアが大人な訳ないじゃん」
「そうね。こんなに子供ぽいんだし」
「世の中の大人に失礼だな」
「……ちょっ!?」
レシアのペンダントから光が発せられる。これはいつもの時間の路への光だ。光が輝きレシアを転移させた。
「……ここは」
「ここは時間の路」
「ルーンか。そうか、時間の終なんだっけか」
「ついに村の仇を討った様ですね」
「そうだな」
「今回の時間の流れは貴方の望むような物になりましたか?」
「どうだろう。少なくとも今までで1番良いと思っているよ。まあこの先どんな展開になるかなんて事は分からないけどな」
「では、未来を見てみますか?」
「そんな事……ああ、そうか。出来るんだったな」
「今回の事で新しい横話の間が現れました」
「そうだな。……でも多分、これで終わりだと思う」
「勘ですか?」
「勘だ」
「それも良いでしょう」
「ルーン、お前と会うのは……少なくとも今回会うのは最後になるかもしれない。元気でな」
「私には病気も寿命もありませんよ。レシアこそお元気で」
「……あれ? 時間の終の先に行くにはどうするんだ?」
「貴方が新しく出来た横話の間を確認後、強く望んだ未来へ自動的に移る事が出来ます」
「そうか……知らなかった」
「聞きませんでしたからね」
※横話Iが解禁されました。エピローグを垣間見る事が可能になります。
「ここは……異空間だな。懐かしい」
未来のレシアこと、ナイトメアはこの時代に再び来ていた。HAGからの依頼で話を聞いた瞬間に、ここへ来て何をすべきかが理解出来た。恐らく、あの時にこの時代のレシアと出会ったのもこの所為だったのだろう。
「……居るんだろ?」
「……ほう。俺が居る事を知っていたのか」
「この時系列では、初めましてだな」
「何だと?」
ナイトメアの前にはティアマットが居た。
「いきなりで悪いが、お前には暫く退場して貰うよ」
「面白いヤツだな。俺の遊び相手になってくれるのか?」
「遊ぶつもりは無いがな」
ティアマットは爪でナイトメアを攻撃した。ナイトメアはそれをかわして魔法を唱えた。ナイトメアの周りに闇の風が吹き荒れてティアマットを後ずさりさせる。
「そんな魔法で。」
「じゃあこれはどうだ?」
ナイトメアはガンブレードを銃の様に構えた。魔力が充填され、トリガーを引くと共に剣先から魔力のビーム砲が発射された。ビームはティアマットに直撃し、ティアマットの動きを封じる。
「な、何だこれは!?」
「自分が知らない属性の魔力で攻撃されるのはどんな気分だ? これはルーン属性と呼ばれる魔力属性で、この時代には確立されていない物だからな」
「さっきから何を……まさかお前は!」
「理解したか?」
「くそが! チートだろう、こんなのは!」
「こうでもしなきゃ人間が邪竜に勝てるかよ。だから悪く思うな」
「このままお前が生き残るのならな!」
ティアマットは黒い炎を吐き出した。炎はナイトメアを包み込む。
「悪いが、この炎は研究済みだ。ヴィーゲールコード03発動!」
ナイトメアの身体から光の壁が現れてティアマットの炎をかき消した。
「まさか……」
「これ位の準備もせずにお前と対峙する訳が無い。終わりだ!」
ナイトメアはさっきの様にガンブレードを構えた。さっきと違うのは魔力を充填するのでは無く、魔力の籠ったカプセルをシリンダーに込めた事。
「安心しな。別に殺す訳じゃ無い。何年か別の空間で眠ってて貰うだけだ」
「く、くそっ!」
ガンブレードから発射された魔力の塊を受け、ティアマットは消え去った。
「……ふう。上手くいったな。さて、どうしようか。ちょっと見てくか?」
その後、ナイトメアはレシアとニサラレスの決戦を遠くから見届けた。途中でバダグとブルーが現れた時は気配を消してやり過ごした。決戦後、皆はテレポートで地上へ戻って行く。
「……これで一件落着、だな。俺も戻るか」
「ふう……ここはアサシン本部だな。何とか戻れた様だ」
「そうだな。……しかし、流石に身体にガタがきている」
「バダグ、アンタはちょっと休みな」
「これで万事解決だ。仇も討ったし」
「レッド、俺は……」
「ああ、もういいや。全部分かってるよ」
「レッド、アンタは私達が憎く無いの?」
「実際の仇はダーク・アサシン……つまりニサラレスだった。村を焼いたのはお前達かもしれんが、村人を殺してはいない。今回の流れは全体的に見ても悪くない」
「今回の流れ?」
「気にするな。何と言うか……とにかくお前達ももう気にするな。それに」
「それに?」
「言いたい事はあるかもしれんが、俺はお前達より大人って事だ」
いつかどこかの時間の流れでレシアが言われた台詞だった。いつかどこかで言ってやろうと心の奥で思っていた。これは決まったな。
「レシアが大人な訳ないじゃん」
「そうね。こんなに子供ぽいんだし」
「世の中の大人に失礼だな」
「……ちょっ!?」
レシアのペンダントから光が発せられる。これはいつもの時間の路への光だ。光が輝きレシアを転移させた。
「……ここは」
「ここは時間の路」
「ルーンか。そうか、時間の終なんだっけか」
「ついに村の仇を討った様ですね」
「そうだな」
「今回の時間の流れは貴方の望むような物になりましたか?」
「どうだろう。少なくとも今までで1番良いと思っているよ。まあこの先どんな展開になるかなんて事は分からないけどな」
「では、未来を見てみますか?」
「そんな事……ああ、そうか。出来るんだったな」
「今回の事で新しい横話の間が現れました」
「そうだな。……でも多分、これで終わりだと思う」
「勘ですか?」
「勘だ」
「それも良いでしょう」
「ルーン、お前と会うのは……少なくとも今回会うのは最後になるかもしれない。元気でな」
「私には病気も寿命もありませんよ。レシアこそお元気で」
「……あれ? 時間の終の先に行くにはどうするんだ?」
「貴方が新しく出来た横話の間を確認後、強く望んだ未来へ自動的に移る事が出来ます」
「そうか……知らなかった」
「聞きませんでしたからね」
※横話Iが解禁されました。エピローグを垣間見る事が可能になります。