第11話
文字数 1,840文字
「何の用だ?」
アサシン本部には例の如く、レッドとブルーとバダグが居る。いつもと違うのは、もう1人見知らぬ奴が居るって事くらいか。
「何かブルーが怪しい動きをしていたからな。問い詰めたんだ」
「怪しい動き?」
「本部の書庫に行って昔の記録を漁ったりしててな」
それはそんなに怪しい行動なのか? とは言え、レッドも過去に書庫で自分の村の事件を調べた事はあった。勿論、成果は無かったが。
「レッド。お前、自分の村の仇のアサシンを探しているんだってな?」
「え、そうだけど……知らなかったの?」
「ハンター長に誘われてた事は言ってたけど、村の事は言って無かったのよ」
「そうだったのか……ってか、誘われたって表現はやめないか?」
「でもそれは愚かな行為だ。何で俺に相談しないかな?」
「はい?」
「俺はアサシンの部長だぞ。俺が何にも知らないはずが無いだろう」
「いやいや、普通は言えないだろうが」
「でも良かったわ。レッド、アンタの仇……見つかったわよ」
「何だって!?」
「アサシンの起こした事件だ。俺が調べたら1発だって」
「な、なんて奴だ? 何処に居る?」
「あまりに立場が上の者だったら……隠しておくか、違う犯人をでっち上げようかとも思ったんだ。でもコイツなら問題ない」
「ドイツだ!?」
「レッド、落ち着きなさい」
「名前は…クラスタ。3年前までアサシンでトップクラスの実績を持つヤツだった。ルーンの村での事件後にアサシンを退職し、今はとある小さな村で暮らしている。」
「小さな村?何て村なんだ?」
「フレストの村よ」
「フレスト……? 初めて聞く名前の村だな」
「本当に小さな村だからね。場所を知る者も少ない」
「んで、その村は何処にあるんだ?」
「知らない。行った事も無いし」
「はい?」
「でも大丈夫。場所は、そこに居るチャードが知っているわ」
「……なるほど。さっきから居るし、話も聞かせているし。おかしいとは思っていたんだが。こいつが案内人なんだな?」
「宜しく。レッド・アサシンさん」
「安心しろ。チャードもアサシンだ。しかもクラスタに襲われたフレストの生き残りでもある」
「それは……」
「俺もお前と同じ立場って事だよ。村の事を聞かれて、意味が分からなかったんだけど。今、話を聞いてやっと分かった」
「クラスタがお互いに村の仇、って事だな」
「凄い偶然ね。まるで物語みたい」
出来過ぎている感はあったが、運が回って来た様だ。これでハンター長に殺される前に村の仇が討てる。
「バダグ、感謝するぞ。この件が片付いたら、ハンター長でも何でも殺ってやろうじゃないか」
「言っておくけど、クラスタはめっちゃ強いよ」
「私は知っているわ。面識は無かったけど、その強さは有名よ」
「何とでもしてやるさ」
「そう言えば、クラスタがルーンの村を襲ったのはどんな任務だったの?」
「ああ。ルーンの村を襲った以来の内容までは、詳しく残っていない。確か、村の秘宝か何かを取って来るって内容だったと思うんだが」
「確かに、村には秘宝と呼ばれる物はあった。でもわざわざ村を襲ってまで奪うような物でも無かったんだが……」
「秘宝って何だったの?」
「ルーン鉱石さ。ルーン自体は色々な場所で採れるんだけど、うちの村では非常に高純度なルーンが採れたらしい」
「鉱石か……武器にでも出来るのか?」
「まあな。他にも食器や陶芸品なんかでも高い評価を受けていたらしい」
「……でも俺の村には何もないぜ。秘宝どころか名産品すら無かったんだ」
「確かに……フレストは依頼になっていなかった。と言うか、ルーンの村も襲う必要は無かった」
「どういう事だ?」
「受けた依頼はあくまで秘宝を手に入れる事。村を壊滅させる必要が無いって事だ」
「クラスタがわざわざフレストとルーンの村を壊滅させた理由は不明って事ね」
「そんなん何だって良い。奴が村を壊滅させた仇って事に違いはない」
「後ろ盾があった方が良いな。よし、俺から3人にクラスタ暗殺の依頼を出そう。レッドとチャードへの報酬は、今回の情報って事で良いよね」
「もちろんだ。お釣りが出る位だぜ」
「ああ、その通りだな」
「私は?」
「ブルーへの報酬は俺が出してやっても良い」
「なら、決まりね」
「さっきも言ったけど、相手は強敵だ。しっかりと準備していく様に」
「そうね。各自準備しましょう」
「じゃあ1時間後に街の北門で落ち合おう」
レッドは一旦、家に戻った。
「本当に手強いと思うけど、何とかロックしてくれ。これ以上は放置出来ない」
「3人も居れば大丈夫でしょ」
「まあ、任せておきな」
アサシン本部には例の如く、レッドとブルーとバダグが居る。いつもと違うのは、もう1人見知らぬ奴が居るって事くらいか。
「何かブルーが怪しい動きをしていたからな。問い詰めたんだ」
「怪しい動き?」
「本部の書庫に行って昔の記録を漁ったりしててな」
それはそんなに怪しい行動なのか? とは言え、レッドも過去に書庫で自分の村の事件を調べた事はあった。勿論、成果は無かったが。
「レッド。お前、自分の村の仇のアサシンを探しているんだってな?」
「え、そうだけど……知らなかったの?」
「ハンター長に誘われてた事は言ってたけど、村の事は言って無かったのよ」
「そうだったのか……ってか、誘われたって表現はやめないか?」
「でもそれは愚かな行為だ。何で俺に相談しないかな?」
「はい?」
「俺はアサシンの部長だぞ。俺が何にも知らないはずが無いだろう」
「いやいや、普通は言えないだろうが」
「でも良かったわ。レッド、アンタの仇……見つかったわよ」
「何だって!?」
「アサシンの起こした事件だ。俺が調べたら1発だって」
「な、なんて奴だ? 何処に居る?」
「あまりに立場が上の者だったら……隠しておくか、違う犯人をでっち上げようかとも思ったんだ。でもコイツなら問題ない」
「ドイツだ!?」
「レッド、落ち着きなさい」
「名前は…クラスタ。3年前までアサシンでトップクラスの実績を持つヤツだった。ルーンの村での事件後にアサシンを退職し、今はとある小さな村で暮らしている。」
「小さな村?何て村なんだ?」
「フレストの村よ」
「フレスト……? 初めて聞く名前の村だな」
「本当に小さな村だからね。場所を知る者も少ない」
「んで、その村は何処にあるんだ?」
「知らない。行った事も無いし」
「はい?」
「でも大丈夫。場所は、そこに居るチャードが知っているわ」
「……なるほど。さっきから居るし、話も聞かせているし。おかしいとは思っていたんだが。こいつが案内人なんだな?」
「宜しく。レッド・アサシンさん」
「安心しろ。チャードもアサシンだ。しかもクラスタに襲われたフレストの生き残りでもある」
「それは……」
「俺もお前と同じ立場って事だよ。村の事を聞かれて、意味が分からなかったんだけど。今、話を聞いてやっと分かった」
「クラスタがお互いに村の仇、って事だな」
「凄い偶然ね。まるで物語みたい」
出来過ぎている感はあったが、運が回って来た様だ。これでハンター長に殺される前に村の仇が討てる。
「バダグ、感謝するぞ。この件が片付いたら、ハンター長でも何でも殺ってやろうじゃないか」
「言っておくけど、クラスタはめっちゃ強いよ」
「私は知っているわ。面識は無かったけど、その強さは有名よ」
「何とでもしてやるさ」
「そう言えば、クラスタがルーンの村を襲ったのはどんな任務だったの?」
「ああ。ルーンの村を襲った以来の内容までは、詳しく残っていない。確か、村の秘宝か何かを取って来るって内容だったと思うんだが」
「確かに、村には秘宝と呼ばれる物はあった。でもわざわざ村を襲ってまで奪うような物でも無かったんだが……」
「秘宝って何だったの?」
「ルーン鉱石さ。ルーン自体は色々な場所で採れるんだけど、うちの村では非常に高純度なルーンが採れたらしい」
「鉱石か……武器にでも出来るのか?」
「まあな。他にも食器や陶芸品なんかでも高い評価を受けていたらしい」
「……でも俺の村には何もないぜ。秘宝どころか名産品すら無かったんだ」
「確かに……フレストは依頼になっていなかった。と言うか、ルーンの村も襲う必要は無かった」
「どういう事だ?」
「受けた依頼はあくまで秘宝を手に入れる事。村を壊滅させる必要が無いって事だ」
「クラスタがわざわざフレストとルーンの村を壊滅させた理由は不明って事ね」
「そんなん何だって良い。奴が村を壊滅させた仇って事に違いはない」
「後ろ盾があった方が良いな。よし、俺から3人にクラスタ暗殺の依頼を出そう。レッドとチャードへの報酬は、今回の情報って事で良いよね」
「もちろんだ。お釣りが出る位だぜ」
「ああ、その通りだな」
「私は?」
「ブルーへの報酬は俺が出してやっても良い」
「なら、決まりね」
「さっきも言ったけど、相手は強敵だ。しっかりと準備していく様に」
「そうね。各自準備しましょう」
「じゃあ1時間後に街の北門で落ち合おう」
レッドは一旦、家に戻った。
「本当に手強いと思うけど、何とかロックしてくれ。これ以上は放置出来ない」
「3人も居れば大丈夫でしょ」
「まあ、任せておきな」