第6話
文字数 2,006文字
ブルーが遠くからウィンドカッターで1人の首を切る。もう1人がそれに気を取られている間にレッドが、もう1人の背後から首を斬る。護衛の2人は声を上げる事なく倒れた。静かに事を起こしたい時には、やっぱり喉に限るな。
「さて、本番はここからだな」
「とにかくターゲットのロックが第一目標。それを忘れないでね」
「誰に言ってるんだ」
2人は静かにハンター支部に侵入した。
ロビーには殆ど人は居ない。奥へ続く扉の前に護衛が1人居るだけだった。恐らくあの奥にターゲットが居るはずだ。
「そう言えば、バダグはどうしたの?」
「ああ、帰ったよ」
「何で? 途中まで一緒に来るって言ってたのに?」
「アサシン本部までの道が途中まで同じだったからな。だから途中までって言ったんだろうな。おかしいとは思ってたんだ」
「……全く」
今回の護衛は周りに何もない。最後まで気付かれずに近付く事は不可能だろう。
「行くわよ、ウィンドカッター」
また遠くから魔法を放つ。それに合わせてレッドは走り出した。護衛は魔法に気付き、剣でガードする。
「くっ、何なんだ!?」
護衛は首に下がっていた笛を口に当てる。空気を吸い、一気に噴き上げる。一瞬音が鳴った辺りで、レッドの剣が護衛の首を捕らえた。
「笛がちょっとだけ鳴ってしまったか」
「気付かれた可能性が高いわ。一気に行きましょう」
「仕方ないか」
扉を開けて中の様子を伺う。一瞬の音ではあったが、流石に気付かれた様だ。中は大きい部屋になっていて、沢山の人が居た。奥には更に扉があり、その前には3人のハンターが居た。
「それ以外の人間は……ハンターでは無さそうか?」
「多分だけど、難民ね。難民を保護しているんだわ」
「子供も多いな。戦争孤児みたいなのも居るのかも」
そう言いながらハンターへ向かって行く。
「もしかしてアサシンなのか!?」
「いや、何者でも良い。倒すんだ!」
「止めて見ろよ」
「アイス!」
アイスの魔法を先頭に居たハンターが腕でガードするが、腕ごと凍り付いてしまう。レッドはそのハンターの脇を潜り抜けて奥のハンターを切り裂いた。腕が凍ったハンターが振り返ると同時にレッドも振り返り、一気に切り裂く。それを見ていたハンターは、死角からのブルーのウィンドカッターに切られていた。
難民たちの悲鳴が上がる。その中に1人の少女の姿があった。成人したかどうか? 程の年齢と思われる少女は茫然とレッドを見つめる。
「あれは……レ……シア?」
奥の扉から1人の男が出てきた。
「私はハンター支部長のバラム。お前たちはアサシンか?」
「おっ、ターゲットが出て来たぞ」
「やはりそうか……ここは難民が沢山いる。奥へ来るが良い」
バラムはそう言い奥の部屋へ行ってしまった。
「罠か? それともただの良いヤツか?」
「さあ……でも行くしか無いでしょうね」
「そうだな」
奥の部屋にはバラムともう1人男が居た。情報通りなら、こいつは……ハンター長か。
「ハンター長、シヴァか」
「この男がハンター長……」
「シヴァ様、ここは私にお任せ下さい」
「……良いだろう。だが危なくなったら入るぞ」
「へえ、良いのかい。勝つチャンスを潰したぜ」
「調子に乗るな」
バラムは魔法タイプの様だ。ブルーを見て分かる通り、魔法は厄介だ。ハンター支部長ともなれば、この前のリュートの様にはいかないだろう。
「行くぞ、アサシン! ウィンドカッター!」
「く、よりにもよってウィンドカッターか」
「よく見るの。剣なら分断できるわ。直撃さえしなければ大丈夫よ」
「そりゃどうも!」
レッドは言われた通り、ウィンドカッターを剣で切り裂いた。多少痺れたが、無事に分断に成功する。ブルーはアイスを放ち、レッドもそれを追う様に走る。
「良い気になるな。グレイブ!」
急に地面から岩がせり上がってきた。アイスの魔法はグレイブに当たって消滅し、レッドもグレイブに当たらない様に立ち止まる。
「あ、危ないな」
「こっちだって終わらないわ。ウィンドカッター!」
ウィンドカッターが岩を切り裂いてバラムに向かう。バラムもウィンドカッターを放って、風の刃は互いに消滅した。その隙にレッドが近付く。
「くっ、まだだ。グレイブ!」
「パワーホールド!」
魔法でパワーアップし、目の前に現れたグレイブを切り裂いた。そのままバラムへ斬り付ける。
「これ以上は無理だな、待て!」
「させない、アイス!」
走って来たシヴァの前に氷の壁を作り出す。すぐにそれを破ったシヴァだったが、その一瞬でレッドの剣がバラムを斬った。バラムは顔をゆがめて倒れる。
「くっ……2人とも、やってくれたな」
「さてさてどうするよ? 逃げれるか?」
「……このままじゃ無理ね」
「じゃあやるしかないか」
レッドは剣を構えてシヴァに向かう。ブルーも魔法を撃とうとしていた。
「ボンバー!」
魔法の爆発が起こり、衝撃波が2人を襲う。初めて見る魔法に対応できずに、2人は吹き飛んでしまった。
「さて、本番はここからだな」
「とにかくターゲットのロックが第一目標。それを忘れないでね」
「誰に言ってるんだ」
2人は静かにハンター支部に侵入した。
ロビーには殆ど人は居ない。奥へ続く扉の前に護衛が1人居るだけだった。恐らくあの奥にターゲットが居るはずだ。
「そう言えば、バダグはどうしたの?」
「ああ、帰ったよ」
「何で? 途中まで一緒に来るって言ってたのに?」
「アサシン本部までの道が途中まで同じだったからな。だから途中までって言ったんだろうな。おかしいとは思ってたんだ」
「……全く」
今回の護衛は周りに何もない。最後まで気付かれずに近付く事は不可能だろう。
「行くわよ、ウィンドカッター」
また遠くから魔法を放つ。それに合わせてレッドは走り出した。護衛は魔法に気付き、剣でガードする。
「くっ、何なんだ!?」
護衛は首に下がっていた笛を口に当てる。空気を吸い、一気に噴き上げる。一瞬音が鳴った辺りで、レッドの剣が護衛の首を捕らえた。
「笛がちょっとだけ鳴ってしまったか」
「気付かれた可能性が高いわ。一気に行きましょう」
「仕方ないか」
扉を開けて中の様子を伺う。一瞬の音ではあったが、流石に気付かれた様だ。中は大きい部屋になっていて、沢山の人が居た。奥には更に扉があり、その前には3人のハンターが居た。
「それ以外の人間は……ハンターでは無さそうか?」
「多分だけど、難民ね。難民を保護しているんだわ」
「子供も多いな。戦争孤児みたいなのも居るのかも」
そう言いながらハンターへ向かって行く。
「もしかしてアサシンなのか!?」
「いや、何者でも良い。倒すんだ!」
「止めて見ろよ」
「アイス!」
アイスの魔法を先頭に居たハンターが腕でガードするが、腕ごと凍り付いてしまう。レッドはそのハンターの脇を潜り抜けて奥のハンターを切り裂いた。腕が凍ったハンターが振り返ると同時にレッドも振り返り、一気に切り裂く。それを見ていたハンターは、死角からのブルーのウィンドカッターに切られていた。
難民たちの悲鳴が上がる。その中に1人の少女の姿があった。成人したかどうか? 程の年齢と思われる少女は茫然とレッドを見つめる。
「あれは……レ……シア?」
奥の扉から1人の男が出てきた。
「私はハンター支部長のバラム。お前たちはアサシンか?」
「おっ、ターゲットが出て来たぞ」
「やはりそうか……ここは難民が沢山いる。奥へ来るが良い」
バラムはそう言い奥の部屋へ行ってしまった。
「罠か? それともただの良いヤツか?」
「さあ……でも行くしか無いでしょうね」
「そうだな」
奥の部屋にはバラムともう1人男が居た。情報通りなら、こいつは……ハンター長か。
「ハンター長、シヴァか」
「この男がハンター長……」
「シヴァ様、ここは私にお任せ下さい」
「……良いだろう。だが危なくなったら入るぞ」
「へえ、良いのかい。勝つチャンスを潰したぜ」
「調子に乗るな」
バラムは魔法タイプの様だ。ブルーを見て分かる通り、魔法は厄介だ。ハンター支部長ともなれば、この前のリュートの様にはいかないだろう。
「行くぞ、アサシン! ウィンドカッター!」
「く、よりにもよってウィンドカッターか」
「よく見るの。剣なら分断できるわ。直撃さえしなければ大丈夫よ」
「そりゃどうも!」
レッドは言われた通り、ウィンドカッターを剣で切り裂いた。多少痺れたが、無事に分断に成功する。ブルーはアイスを放ち、レッドもそれを追う様に走る。
「良い気になるな。グレイブ!」
急に地面から岩がせり上がってきた。アイスの魔法はグレイブに当たって消滅し、レッドもグレイブに当たらない様に立ち止まる。
「あ、危ないな」
「こっちだって終わらないわ。ウィンドカッター!」
ウィンドカッターが岩を切り裂いてバラムに向かう。バラムもウィンドカッターを放って、風の刃は互いに消滅した。その隙にレッドが近付く。
「くっ、まだだ。グレイブ!」
「パワーホールド!」
魔法でパワーアップし、目の前に現れたグレイブを切り裂いた。そのままバラムへ斬り付ける。
「これ以上は無理だな、待て!」
「させない、アイス!」
走って来たシヴァの前に氷の壁を作り出す。すぐにそれを破ったシヴァだったが、その一瞬でレッドの剣がバラムを斬った。バラムは顔をゆがめて倒れる。
「くっ……2人とも、やってくれたな」
「さてさてどうするよ? 逃げれるか?」
「……このままじゃ無理ね」
「じゃあやるしかないか」
レッドは剣を構えてシヴァに向かう。ブルーも魔法を撃とうとしていた。
「ボンバー!」
魔法の爆発が起こり、衝撃波が2人を襲う。初めて見る魔法に対応できずに、2人は吹き飛んでしまった。