第16話
文字数 1,873文字
時間通りにハンター支部の裏手でブルーと落ち合う。
「来たわね」
「全く、こんな時間にロック入れるなよな。夜中だぜ」
「依頼なんだから仕方ないでしょ」
「分かってるよ」
ハンター支部の入り口には見張りが2人。中にはもっと居るだろう。何よりハンター長が居る。
「仕方が無い。一気に侵入してターゲットをロック、すぐに離脱しよう」
「ハンター長とは戦わないのね」
「当たり前だ。1度だけ遠目に見た事があるが、ハンター長は強い。金にもならないのに奴を相手にするメリットはない」
「アンタがそう言うんなら相当の強さなのね。分かったわ」
見張りを一気に倒し、中へ侵入する。そのまま手早にハンターたちを始末しながら奥へ進む。奥は大きい部屋になっていて、沢山の人が居た。奥には更に扉があり、その前には3人のハンターが居た。
「それ以外の人間は……ハンターでは無さそうか?」
「多分だけど、難民ね。難民を保護しているんだわ」
「子供も多いな。戦争孤児みたいなのも居るのかも」
そう言いながらハンターへ向かって行く。
「もしかしてアサシンなのか!?」
「いや、何者でも良い。倒すんだ!」
「止めて見ろよ」
「アイス!」
難民たちの悲鳴が上がる。その中に1人の少女の姿があった。成人したかどうか? 程の年齢と思われる少女は茫然とレッドを見つめる。
「あれは……レ……シア?」
奥の扉から1人の男が出てきた。
「私はハンター支部長のバラム。お前たちはアサシンか?」
「おっ、ターゲットが出て来たぞ」
「やはりそうか……ここは難民が沢山いる。奥へ来るが良い」
バラムはそう言い奥の部屋へ行ってしまった。
「罠か? それともただの良いヤツか?」
「さあ……でも行くしか無いでしょうね」
「そうだな」
奥の部屋にはバラムともう1人男が居た。情報通りなら、こいつがハンター長か。
「……ハンター長、シヴァか」
「この男がハンター長……」
「シヴァ様、ここは私にお任せ下さい」
「……良いだろう。だが危なくなったら入るぞ」
「へえ、良いのかい。勝つチャンスを潰したぜ」
「調子に乗るな」
「行くぞ、パワーホールド!」
「行くぞ、アサシン! ウィンドカッター!」
「く、よりにもよってウィンドカッターか」
「よく見るの。剣なら分断できるわ。直撃さえしなければ大丈夫よ」
「そりゃどうも!」
レッドは言われた通り、ウィンドカッターを剣で切り裂いた。多少痺れたが、無事に分断に成功する。ブルーはアイスを放ち、レッドもそれを追う様に走る。
「良い気になるな。グレイブ!」
地面から岩がせり上がって来る。アイスの魔法は岩にぶつかって消えてしまったが、パワーホールドを使用しているレッドの剣は岩を斬り裂いて、そのままバラムまで斬り付けた。
「……そこまで圧倒的だとは。助けに行く機を逃したか」
「やったわね」
「ああ、離脱するぞ」
「甘いな。そう簡単に逃すと思っているのか?」
シヴァは手に魔力を溜めながら近付いてくる。
「攻撃して相手がバランスを崩した所で逃げるぞ」
「やるしかないわね」
レッドが剣を構えてシヴァに近寄った瞬間、魔法の爆発が起こり衝撃波が2人を襲う。初めて見る魔法に対応できずに、2人は吹き飛んでしまった。
「ぐっ……爆発魔法か!? 何て威力だ。」
「まずいわ」
「レッド・アサシン。どうだ? アサシンなんて辞めて、普通の生活を送って行かないか?」
「な、何だと?」
どうやら誰かがハンターに俺の捜索を依頼していたらしい。勿論シヴァは依頼人を明かさなかったが、それはすぐに明らかになった。シヴァの提案を断った俺にシヴァは詰め寄る。そこにある人物が走って来て、レッドとシヴァの間に入ったのだ。
レッドの家に来たレッドとブルー、そしてナーダ。結果としてナーダに助けられたと言っても良いだろう。
3人で色々と話をして、眠りについた。俺のアサシンになった目的も話す羽目になってしまった。
ふと気が付くともう真昼間だった。ナーダはまだベッドで寝息を立てている。ブルーの姿はなく、寝ていたはずのソファーの上には毛布がきちんと折りたたまれて置いてあった。
「……ふわぁ~っと。床の寝心地が最高過ぎて、身体が痛いぜ」
机の上には書置きが置いてあった。ブルーが置いて行ったのだろう。
「なになに……先に帰る。賞金は好きな時に受け取りに行け。私は先に貰っておく。……か」
ブルーの事だ。とっくに受け取りに行っているだろう。レッドは出かける旨を書き置いて机の上に置く。たまたま昨日は夜食用の食べ物をしこたま買い込んで来ていたから、食べ物には困らないだろう。
「さて、アサシン本部に行くか」
「来たわね」
「全く、こんな時間にロック入れるなよな。夜中だぜ」
「依頼なんだから仕方ないでしょ」
「分かってるよ」
ハンター支部の入り口には見張りが2人。中にはもっと居るだろう。何よりハンター長が居る。
「仕方が無い。一気に侵入してターゲットをロック、すぐに離脱しよう」
「ハンター長とは戦わないのね」
「当たり前だ。1度だけ遠目に見た事があるが、ハンター長は強い。金にもならないのに奴を相手にするメリットはない」
「アンタがそう言うんなら相当の強さなのね。分かったわ」
見張りを一気に倒し、中へ侵入する。そのまま手早にハンターたちを始末しながら奥へ進む。奥は大きい部屋になっていて、沢山の人が居た。奥には更に扉があり、その前には3人のハンターが居た。
「それ以外の人間は……ハンターでは無さそうか?」
「多分だけど、難民ね。難民を保護しているんだわ」
「子供も多いな。戦争孤児みたいなのも居るのかも」
そう言いながらハンターへ向かって行く。
「もしかしてアサシンなのか!?」
「いや、何者でも良い。倒すんだ!」
「止めて見ろよ」
「アイス!」
難民たちの悲鳴が上がる。その中に1人の少女の姿があった。成人したかどうか? 程の年齢と思われる少女は茫然とレッドを見つめる。
「あれは……レ……シア?」
奥の扉から1人の男が出てきた。
「私はハンター支部長のバラム。お前たちはアサシンか?」
「おっ、ターゲットが出て来たぞ」
「やはりそうか……ここは難民が沢山いる。奥へ来るが良い」
バラムはそう言い奥の部屋へ行ってしまった。
「罠か? それともただの良いヤツか?」
「さあ……でも行くしか無いでしょうね」
「そうだな」
奥の部屋にはバラムともう1人男が居た。情報通りなら、こいつがハンター長か。
「……ハンター長、シヴァか」
「この男がハンター長……」
「シヴァ様、ここは私にお任せ下さい」
「……良いだろう。だが危なくなったら入るぞ」
「へえ、良いのかい。勝つチャンスを潰したぜ」
「調子に乗るな」
「行くぞ、パワーホールド!」
「行くぞ、アサシン! ウィンドカッター!」
「く、よりにもよってウィンドカッターか」
「よく見るの。剣なら分断できるわ。直撃さえしなければ大丈夫よ」
「そりゃどうも!」
レッドは言われた通り、ウィンドカッターを剣で切り裂いた。多少痺れたが、無事に分断に成功する。ブルーはアイスを放ち、レッドもそれを追う様に走る。
「良い気になるな。グレイブ!」
地面から岩がせり上がって来る。アイスの魔法は岩にぶつかって消えてしまったが、パワーホールドを使用しているレッドの剣は岩を斬り裂いて、そのままバラムまで斬り付けた。
「……そこまで圧倒的だとは。助けに行く機を逃したか」
「やったわね」
「ああ、離脱するぞ」
「甘いな。そう簡単に逃すと思っているのか?」
シヴァは手に魔力を溜めながら近付いてくる。
「攻撃して相手がバランスを崩した所で逃げるぞ」
「やるしかないわね」
レッドが剣を構えてシヴァに近寄った瞬間、魔法の爆発が起こり衝撃波が2人を襲う。初めて見る魔法に対応できずに、2人は吹き飛んでしまった。
「ぐっ……爆発魔法か!? 何て威力だ。」
「まずいわ」
「レッド・アサシン。どうだ? アサシンなんて辞めて、普通の生活を送って行かないか?」
「な、何だと?」
どうやら誰かがハンターに俺の捜索を依頼していたらしい。勿論シヴァは依頼人を明かさなかったが、それはすぐに明らかになった。シヴァの提案を断った俺にシヴァは詰め寄る。そこにある人物が走って来て、レッドとシヴァの間に入ったのだ。
レッドの家に来たレッドとブルー、そしてナーダ。結果としてナーダに助けられたと言っても良いだろう。
3人で色々と話をして、眠りについた。俺のアサシンになった目的も話す羽目になってしまった。
ふと気が付くともう真昼間だった。ナーダはまだベッドで寝息を立てている。ブルーの姿はなく、寝ていたはずのソファーの上には毛布がきちんと折りたたまれて置いてあった。
「……ふわぁ~っと。床の寝心地が最高過ぎて、身体が痛いぜ」
机の上には書置きが置いてあった。ブルーが置いて行ったのだろう。
「なになに……先に帰る。賞金は好きな時に受け取りに行け。私は先に貰っておく。……か」
ブルーの事だ。とっくに受け取りに行っているだろう。レッドは出かける旨を書き置いて机の上に置く。たまたま昨日は夜食用の食べ物をしこたま買い込んで来ていたから、食べ物には困らないだろう。
「さて、アサシン本部に行くか」