第19話
文字数 1,872文字
アサシンが完全に消えてから、レッドとナーダは姿を現した。
「……どうやらシヴァのロックをする様だな」
「ロック?」
「ターゲットを殺す、っていう意味の隠語だ」
レッドは入り口に近付き耳を澄ます。アサシンは奥の方へ行ってしまっている様だ。
「まずいな……バダグの強さは俺が良く知っている。流石のハンター長と言えど……」
「シヴァさんが狙われているの?」
「そう考えて間違い無いだろう」
「レシア…どうしよう」
「今シヴァをロックされるのはまずい。情報を得る方法が格段に減ってしまう。時間が少ない、とにかく行くしかないか」
「私も行くわよ」
「流石に危ないよ」
「教会で魔法の勉強もしていたの。回復魔法も光の魔法も使えるのよ」
「そうなのか……何でブルーが襲ってきた時に使わなかったんだ?」
「使ったけど……」
「ああ、効かなかったんだな」
「後ろから魔法を使ってるよ」
「……はあ、好きにしろ」
2人はハンター本部に侵入した。中は所々にハンターの死体が転がっている。
「ひっ!」
「……さっき居たアサシンの死体は一つも無い、か。全員が手練れの様だな。各所の有名どころが集まっているのかもしれないな」
「ううう…行きましょう」
暫く部屋や廊下を経由して奥に進む。途中で広いロビーに入った。そこにはさっきのアサシンの1人がハンターの男に止めを刺すところだった。
「な、なにをしてるの!」
「馬鹿、大きな声を出しやがって」
「ん? 生き残りがまだ居たのか……ん、お前は……」
「余計な戦闘をする羽目になっちまったじゃないか」
「ごめん」
「お前はレッド・アサシン!? どうしてこんな所に。」
「お前に恨みはないが、こうなったら仕方が無い。死んで貰おう」
「レッド・アサシン……まさか、裏切るのか!?」
アサシンは剣で斬り付けてきた。思った通り手強いヤツの様だ。レッドは剣を受け止めて、反撃を放つ。
「ちっ! こんな所でレッド・アサシンに会うなんて。」
「ご愁傷様だな」
レッドは一気に首元を斬り付けて相手を反対の方へ向ける。なるべく返り血は浴びたくない。
「しかしよくよく考えたら、俺がバダグの所へ行って何になるんだろうか。俺ではバダグとシヴァの戦いは止められないだろうし」
「何を言ってるの? そんなの考えてる時間なんて無いよ。とにかく行くって言ってたでしょ?」
「……それもそうか」
このアサシンはレッドがアサシンでなくなった事を知らない口ぶりだった。ブルーやバダグは周りに知らせていないのだろうか?
急いで先に進む。途中ではまた、ハンターの死体が散らばっていた。
「このハンター本部、やたら広いな。アサシン本部よりずっと広い」
「どうしたの、急に?」
「いや、ただの感想だよ。アサシンの方がギャラが良いのかもな。ハンターは取り分が少なくて会社が沢山取るから建物も広く作れるのかな? と」
「それは……分かんない」
結構奥に行った所、広い部屋に着いた。どうやらここが最奥の部屋らしい。4人のアサシンと数名のハンターが居た。
「うわっ、勢いで普通に入ってしまった」
アサシンが1人倒れている。ハンターもシヴァを除き皆倒れている。シヴァはバダグを含む3人のアサシンに囲まれていたのだ。
「……レッドじゃないか。どうしてこんな所に?」
「たまたまだ。お前が入っていくのを見かけたもんでな」
「もうアサシンじゃないだろうに」
「何か情報でも入ればな、と思ったんだよ」
「レッド、そこのナーダの事に関しては許してやっても良いぞ」
「何だって?」
「ナーダに関しては、元々大した依頼でも無い。だが今回のシヴァ殺害はアサシンにとって重要な依頼だ。これを邪魔しないのであれば、お前とナーダは助けてやろう」
「……」
「その場合、お前はただの退職者として扱ってやろう。アサシンに狙われる事は無くなる。悪い話じゃ無いだろう?」
「それほどハンター長のロックは大切だって事か」
「そうだ」
「……」
「ブルーから聞いたぞ。お前、村の仇であるアサシンを探しているんだってな。お前次第では俺がその仇を見付けてやる事も出来るぞ」
「村の……仇を見付けるだと?」
「あの事件は任務外で行われた者。犯人がたまたまアサシンだっただけなんだ。任務外な故、お前の依頼として犯人を見付ける事も出来る。勿論犯人を連れて来る事も、ロックする事もだ」
「レシア、騙されるな。こいつらは……」
喋りかけたシヴァをバダグが殴りつけた。シヴァは後ろへ飛ばされる。
「お前は黙っている事だな」
「……ぐっ、どうすれば」
「あまりこの任務に時間を掛ける事は出来ない。レッド、答えを聞かせて貰おうか」
「お、俺は……」
「……どうやらシヴァのロックをする様だな」
「ロック?」
「ターゲットを殺す、っていう意味の隠語だ」
レッドは入り口に近付き耳を澄ます。アサシンは奥の方へ行ってしまっている様だ。
「まずいな……バダグの強さは俺が良く知っている。流石のハンター長と言えど……」
「シヴァさんが狙われているの?」
「そう考えて間違い無いだろう」
「レシア…どうしよう」
「今シヴァをロックされるのはまずい。情報を得る方法が格段に減ってしまう。時間が少ない、とにかく行くしかないか」
「私も行くわよ」
「流石に危ないよ」
「教会で魔法の勉強もしていたの。回復魔法も光の魔法も使えるのよ」
「そうなのか……何でブルーが襲ってきた時に使わなかったんだ?」
「使ったけど……」
「ああ、効かなかったんだな」
「後ろから魔法を使ってるよ」
「……はあ、好きにしろ」
2人はハンター本部に侵入した。中は所々にハンターの死体が転がっている。
「ひっ!」
「……さっき居たアサシンの死体は一つも無い、か。全員が手練れの様だな。各所の有名どころが集まっているのかもしれないな」
「ううう…行きましょう」
暫く部屋や廊下を経由して奥に進む。途中で広いロビーに入った。そこにはさっきのアサシンの1人がハンターの男に止めを刺すところだった。
「な、なにをしてるの!」
「馬鹿、大きな声を出しやがって」
「ん? 生き残りがまだ居たのか……ん、お前は……」
「余計な戦闘をする羽目になっちまったじゃないか」
「ごめん」
「お前はレッド・アサシン!? どうしてこんな所に。」
「お前に恨みはないが、こうなったら仕方が無い。死んで貰おう」
「レッド・アサシン……まさか、裏切るのか!?」
アサシンは剣で斬り付けてきた。思った通り手強いヤツの様だ。レッドは剣を受け止めて、反撃を放つ。
「ちっ! こんな所でレッド・アサシンに会うなんて。」
「ご愁傷様だな」
レッドは一気に首元を斬り付けて相手を反対の方へ向ける。なるべく返り血は浴びたくない。
「しかしよくよく考えたら、俺がバダグの所へ行って何になるんだろうか。俺ではバダグとシヴァの戦いは止められないだろうし」
「何を言ってるの? そんなの考えてる時間なんて無いよ。とにかく行くって言ってたでしょ?」
「……それもそうか」
このアサシンはレッドがアサシンでなくなった事を知らない口ぶりだった。ブルーやバダグは周りに知らせていないのだろうか?
急いで先に進む。途中ではまた、ハンターの死体が散らばっていた。
「このハンター本部、やたら広いな。アサシン本部よりずっと広い」
「どうしたの、急に?」
「いや、ただの感想だよ。アサシンの方がギャラが良いのかもな。ハンターは取り分が少なくて会社が沢山取るから建物も広く作れるのかな? と」
「それは……分かんない」
結構奥に行った所、広い部屋に着いた。どうやらここが最奥の部屋らしい。4人のアサシンと数名のハンターが居た。
「うわっ、勢いで普通に入ってしまった」
アサシンが1人倒れている。ハンターもシヴァを除き皆倒れている。シヴァはバダグを含む3人のアサシンに囲まれていたのだ。
「……レッドじゃないか。どうしてこんな所に?」
「たまたまだ。お前が入っていくのを見かけたもんでな」
「もうアサシンじゃないだろうに」
「何か情報でも入ればな、と思ったんだよ」
「レッド、そこのナーダの事に関しては許してやっても良いぞ」
「何だって?」
「ナーダに関しては、元々大した依頼でも無い。だが今回のシヴァ殺害はアサシンにとって重要な依頼だ。これを邪魔しないのであれば、お前とナーダは助けてやろう」
「……」
「その場合、お前はただの退職者として扱ってやろう。アサシンに狙われる事は無くなる。悪い話じゃ無いだろう?」
「それほどハンター長のロックは大切だって事か」
「そうだ」
「……」
「ブルーから聞いたぞ。お前、村の仇であるアサシンを探しているんだってな。お前次第では俺がその仇を見付けてやる事も出来るぞ」
「村の……仇を見付けるだと?」
「あの事件は任務外で行われた者。犯人がたまたまアサシンだっただけなんだ。任務外な故、お前の依頼として犯人を見付ける事も出来る。勿論犯人を連れて来る事も、ロックする事もだ」
「レシア、騙されるな。こいつらは……」
喋りかけたシヴァをバダグが殴りつけた。シヴァは後ろへ飛ばされる。
「お前は黙っている事だな」
「……ぐっ、どうすれば」
「あまりこの任務に時間を掛ける事は出来ない。レッド、答えを聞かせて貰おうか」
「お、俺は……」