第5話
文字数 1,970文字
酒場でご飯を食べる。全員酒は飲まないので、お茶で乾杯する。
「さっきのヤツら、どう思う?」
「いやに戦い慣れている雰囲気があった。俺には敵わないが、あれは訓練を受けた者の戦い方だ。アサシンやハンターの可能性があるな」
「アサシンにアンタを狙う命知らずが居るかしら?」
「レッドの剣は一流だからね」
「一流じゃない、超一流だ。他には……国防機関の可能性もある。政府にもアサシンを嫌っているヤツは多いだろう。勿論、兵士崩れのただの泥棒って可能性もあるが」
「一応は調べてはみるけどね。全滅させちゃったから期待はしないように」
「確かに……な」
「それにしてもレッド、あのガンブレードを結構使いこなして無かった?」
「そうだな。思ったより使い勝手が良いかもしれない。昔に長剣を使った時は全然ダメだったんだけどな」
「レッドの地力が上がってる証拠だよ」
「そうなのかもな。まあ、暫く使い続けても良いかもしれない」
「じゃあ銃の部分も直さないとね」
「別にそれは良いよ」
「銃を直さないとガンブレードの魅力は半減よ?」
「そんなもん、ただの鐘と一緒だって」
「まあ、レッドがそう言うのならそれで良いんじゃないの?」
「さて、飯も食ったし。掃除も終わっているだろう。ぼちぼち帰るわ」
「そうね。今日はもう寝ましょう」
「じゃあ俺も帰ろうか。みんなおやすみ」
「ああ、じゃあな」
「また依頼が入ったら連絡するよ」
そう言って、その場は解散。レッドも家に戻って行った。
家は何事も無かった様に綺麗になっていた。アサシン御用達ってだけはあって、こういう掃除にも慣れているのだろうか。匂いも全くしなかった。
「ふう……一件落着だな。さて、寝るか」
今日は特に何もない。昔の夢も見ないだろう。布団に入り目を閉じる。すぐに眠気が襲って来た。何だかんだロックをこなし修行もした。変な侵入者とも戦った。疲れは溜まっていたようだ。
どれくらいの時間が経ったのか。ふとレッドは目を覚ます。真っ暗な部屋の中に何者かの気配がする。レッドは動かずにその気配を探る。
今までに感じた事のある気がする。……この気は……
何者かが武器を振りかざして来た。ベッドに立ててあった剣で迎え撃つ。
ザシュッ!
相手の武器は抵抗少なく切れてしまった。やけに柔らか過ぎる。レッドは剣を構えて相手に詰め寄った。
「ちょ、待てって」
「この声は……はぁ」
ため息を吐いてレッドは部屋の電気を点けた。そこには切れたネギを持ったバダグが立っていた。
「何やってんだ、お前は」
「ちょっと驚かそうとしただけだって」
「何の用だ? お前の事だ、ただ遊びに来たってだけじゃないんだろう?」
「え、何?レッドってもしかしてエスパーなの?」
「馬鹿垂れ。さっさと要件を言え」
「実は新しい仕事を入れちゃった」
「はあ? そんなもん明日で良いだろう。……でいつだ?」
「今から」
「え?」
「今から」
「はい?」
「今か……」
「なめとんかワレーーー!」
「くそ……こんな夜中に」
「大丈夫だって、俺も途中まで一緒に行くし」
「場所くらいは教えろ」
「行けば分かるよ」
「……この野郎」
着いた場所はハンター支部だった。裏手でブルーと落ち合う。
「来たわね」
「おい、場所がハンター支部だなんて聞いてないぞ」
「私は聞いていたわ」
「ターゲットがハンター支部長だなんて聞いてないぞ」
「私は聞いていたわ」
「……普段の仕返しのつもりか?」
「まあ、そんな所ね。仕事の話に入るわよ」
「全く……どうぞ」
「知っての通りターゲットはここのハンター支部長。名前はバラム・オーシャス。今夜、ここでハンター長との定時連絡会議を行っているわ」
「ハンター長もいるのか? ってかこんな夜中に会議なんかすんなよな」
「ハンター長はターゲットに入っていないわ。スルーね」
「スルー出来るのか? でもまあその方が良いだろうな。アイツはバケモン過ぎる」
「知っているの?」
「そんなには知らないよ。でも以前に遠目で見た事があるんだ。たまたまだったけど、強盗と戦ってた」
「へえ……アンタがそう言うのなら、相当な強さかもね」
「ハンター長は間違いなく阻止しに来るだろう。その前にロックを決めて逃げなきゃな」
どうやら出入り口は正面の1ヶ所のみ。裏口もあるんだろうが、表からは見えない様になっている。正面には門番が2人。夜中ではあるが、ハンター長も来ているのであれば中にもハンターたちが居るだろう。
「まさかハンター支部長が出て来るのを待つ、って訳じゃ無いよな?」
「そうね。出て来るなら、ハンター長も一緒に出て来る可能性は充分あるし。その上で護衛共を一斉に相手するのは無理があるわ」
「つまり気付かれずに侵入し、ターゲットをロックするって事だろ?内情も分からないのに…気軽に言ってくれる」
「ハンターに袋叩きにされるより良いと思わない?」
「確かにな。……行くぞ」
「さっきのヤツら、どう思う?」
「いやに戦い慣れている雰囲気があった。俺には敵わないが、あれは訓練を受けた者の戦い方だ。アサシンやハンターの可能性があるな」
「アサシンにアンタを狙う命知らずが居るかしら?」
「レッドの剣は一流だからね」
「一流じゃない、超一流だ。他には……国防機関の可能性もある。政府にもアサシンを嫌っているヤツは多いだろう。勿論、兵士崩れのただの泥棒って可能性もあるが」
「一応は調べてはみるけどね。全滅させちゃったから期待はしないように」
「確かに……な」
「それにしてもレッド、あのガンブレードを結構使いこなして無かった?」
「そうだな。思ったより使い勝手が良いかもしれない。昔に長剣を使った時は全然ダメだったんだけどな」
「レッドの地力が上がってる証拠だよ」
「そうなのかもな。まあ、暫く使い続けても良いかもしれない」
「じゃあ銃の部分も直さないとね」
「別にそれは良いよ」
「銃を直さないとガンブレードの魅力は半減よ?」
「そんなもん、ただの鐘と一緒だって」
「まあ、レッドがそう言うのならそれで良いんじゃないの?」
「さて、飯も食ったし。掃除も終わっているだろう。ぼちぼち帰るわ」
「そうね。今日はもう寝ましょう」
「じゃあ俺も帰ろうか。みんなおやすみ」
「ああ、じゃあな」
「また依頼が入ったら連絡するよ」
そう言って、その場は解散。レッドも家に戻って行った。
家は何事も無かった様に綺麗になっていた。アサシン御用達ってだけはあって、こういう掃除にも慣れているのだろうか。匂いも全くしなかった。
「ふう……一件落着だな。さて、寝るか」
今日は特に何もない。昔の夢も見ないだろう。布団に入り目を閉じる。すぐに眠気が襲って来た。何だかんだロックをこなし修行もした。変な侵入者とも戦った。疲れは溜まっていたようだ。
どれくらいの時間が経ったのか。ふとレッドは目を覚ます。真っ暗な部屋の中に何者かの気配がする。レッドは動かずにその気配を探る。
今までに感じた事のある気がする。……この気は……
何者かが武器を振りかざして来た。ベッドに立ててあった剣で迎え撃つ。
ザシュッ!
相手の武器は抵抗少なく切れてしまった。やけに柔らか過ぎる。レッドは剣を構えて相手に詰め寄った。
「ちょ、待てって」
「この声は……はぁ」
ため息を吐いてレッドは部屋の電気を点けた。そこには切れたネギを持ったバダグが立っていた。
「何やってんだ、お前は」
「ちょっと驚かそうとしただけだって」
「何の用だ? お前の事だ、ただ遊びに来たってだけじゃないんだろう?」
「え、何?レッドってもしかしてエスパーなの?」
「馬鹿垂れ。さっさと要件を言え」
「実は新しい仕事を入れちゃった」
「はあ? そんなもん明日で良いだろう。……でいつだ?」
「今から」
「え?」
「今から」
「はい?」
「今か……」
「なめとんかワレーーー!」
「くそ……こんな夜中に」
「大丈夫だって、俺も途中まで一緒に行くし」
「場所くらいは教えろ」
「行けば分かるよ」
「……この野郎」
着いた場所はハンター支部だった。裏手でブルーと落ち合う。
「来たわね」
「おい、場所がハンター支部だなんて聞いてないぞ」
「私は聞いていたわ」
「ターゲットがハンター支部長だなんて聞いてないぞ」
「私は聞いていたわ」
「……普段の仕返しのつもりか?」
「まあ、そんな所ね。仕事の話に入るわよ」
「全く……どうぞ」
「知っての通りターゲットはここのハンター支部長。名前はバラム・オーシャス。今夜、ここでハンター長との定時連絡会議を行っているわ」
「ハンター長もいるのか? ってかこんな夜中に会議なんかすんなよな」
「ハンター長はターゲットに入っていないわ。スルーね」
「スルー出来るのか? でもまあその方が良いだろうな。アイツはバケモン過ぎる」
「知っているの?」
「そんなには知らないよ。でも以前に遠目で見た事があるんだ。たまたまだったけど、強盗と戦ってた」
「へえ……アンタがそう言うのなら、相当な強さかもね」
「ハンター長は間違いなく阻止しに来るだろう。その前にロックを決めて逃げなきゃな」
どうやら出入り口は正面の1ヶ所のみ。裏口もあるんだろうが、表からは見えない様になっている。正面には門番が2人。夜中ではあるが、ハンター長も来ているのであれば中にもハンターたちが居るだろう。
「まさかハンター支部長が出て来るのを待つ、って訳じゃ無いよな?」
「そうね。出て来るなら、ハンター長も一緒に出て来る可能性は充分あるし。その上で護衛共を一斉に相手するのは無理があるわ」
「つまり気付かれずに侵入し、ターゲットをロックするって事だろ?内情も分からないのに…気軽に言ってくれる」
「ハンターに袋叩きにされるより良いと思わない?」
「確かにな。……行くぞ」