第7話
文字数 1,855文字
シヴァがレッドに近付いてきた。
「くっ……ヤバいな」
「そうね。これは相手が悪すぎるわ」
「レッド・アサシン。どうだ? アサシンなんて辞めて、普通の生活を送って行かないか?」
「な、何だと?」
「お前の事は調べさせて貰っている。君はまだ普通の人間に戻る事が出来る可能性がある」
「……何故レッドを?」
「とある依頼でね」
「依頼……だと?」
「君の事を探してほしいと頼まれていたんだ。少し時間は掛かったが、見付ける事は出来た。それから暫くは君の様子を見させて貰っていた。まあ今日ここに来るとは思ってもみなかったが」
「……誰だ?」
「それは言えないな。守秘義務というものがある」
「それで、私はここで殺すと?」
「そうなるな、ブルー・アサシン。お前はもう手遅れだろう?」
「……そうかもね。」
良くは分からないが、いきなりそんな事を言われて「はい、分かりました」とは言えない。普通に罠の可能性だってある。
「俺は……アサシンを辞めるつもりは無い。ついでに、お前に殺されてやるつもりも無い」
「……殺し屋の道を進み続けると言うのか。仕方が無いな。俺の独断で申し訳ないが、レッド……君には死んで貰う事にしようか」
シヴァは剣を構える。そのままゆっくりとレッドに近付いて行った。
「このままじゃ……どうする」
「させない、ウィンドカッター!」
ブルーの放ったウィンドカッターを剣で切り裂いて、シヴァはボムの魔法を放った。爆発性の魔弾はブルーに向かって行く。ブルーはそれをかわしたが、直後に魔弾が爆発し吹っ飛んでしまう。
「ブルー、無事か!?」
「く……何とか、ね」
「焦らなくとも、すぐに後を追わせてやる。さて、レッド。最後にもう1度だけ聞こう。アサシンを……」
「くどい!」
「……分かった。もう終わりだ」
「……」
シヴァが剣をレッドへ振り下ろす。
「やめて!」
先ほどの難民の中に居た少女が、レッドの前へ飛び込んできた。シヴァの剣が止まる。
「……ナーダ」
「え、ナーダ!?」
レッドの視線の先には、昔見た人物が居た。村で暮らしていた人物が。
「お願い、レシアを殺さないで!」
「……」
「ナーダ……? レシア……? レッド、一体どういう事なの?」
「依頼をしていたのって、お前だったのか……」
「そうよ。やっと見つかったって言うのに」
「……レッド・アサシン。君に考える時間をやろうじゃないか。レッド・アサシンとして生きて行くのか、レシアとして生きて行くのか」
そう言ってシヴァは剣を収めた。
「ナーダと話し合いして、よく考えて決めるんだな。……テレポート!」
空間が歪み、シヴァは光に包まれる。光が消え失せた頃には誰も居なくなっていた。違う場所へ移動する転移魔法だ。
「………」
「……取り敢えず、ここを離れましょう。レッドの家に行きましょう。ちゃんと話を聞かせて貰うわ」
「分かった。……でもその前に」
「?」
「冥福を祈らないと」
「あのね……」
ハンターの居なくなったハンター支部を抜け出し、レッド・ブルー・ナーダの3人はレッドの家に向かった。
「自己紹介がまだだったわね。私はブルー。アサシンよ」
「え……と。ナーダです」
「で、レシア……だっけ? それがアンタの本名なの?」
「……そうだ。他のヤツには言うなよ」
「それでこのナーダって子は何?」
「ナーダは俺の住んで居た村の住民だ。いわゆる幼馴染ってやつだな。まあ、俺の方が歳は上だけどさ」
「私達はルーン村って場所で暮らしていました。でもある日、村が襲われてしまったんです。私とレシアはたった2人の生き残りになってしまったんです」
「俺は生き残りがいる事も知らなかった。てっきり全滅したと思っていたからな」
「私だって生き残りがレシアなんて知らなかったわ。この町の酒場でルーン村の生き残りが居るって聞いただけだったし。ハンター支部でレシアを見かけた時は驚いたもん」
「ナーダ……俺をレシアと呼ぶのは止めてくれ」
「え、レシア?」
「レシアはあの日に死んだんだ。今の俺は、レッドって名前の殺し屋なんだよ」
「レシアはレシアじゃない! そんな事言わないでよ」
「……まあ、幼馴染が生きていた事自体は良かったじゃないの。それよりも、これからどうするの?」
「今更、戻れやしないさ。他にやる事も無いし、色々なヤツの命も奪い過ぎている。誰も俺の事をアサシンとしてしか見ないさ。いつ誰に狙われるかも分からない」
「まあ、それはあるかもしれないけど」
「それに俺は、まだ自分の目的を果たしていない」
「目的?」
「村を襲ったアサシンを殺す事さ」
「え、アサシンですって!?」
「くっ……ヤバいな」
「そうね。これは相手が悪すぎるわ」
「レッド・アサシン。どうだ? アサシンなんて辞めて、普通の生活を送って行かないか?」
「な、何だと?」
「お前の事は調べさせて貰っている。君はまだ普通の人間に戻る事が出来る可能性がある」
「……何故レッドを?」
「とある依頼でね」
「依頼……だと?」
「君の事を探してほしいと頼まれていたんだ。少し時間は掛かったが、見付ける事は出来た。それから暫くは君の様子を見させて貰っていた。まあ今日ここに来るとは思ってもみなかったが」
「……誰だ?」
「それは言えないな。守秘義務というものがある」
「それで、私はここで殺すと?」
「そうなるな、ブルー・アサシン。お前はもう手遅れだろう?」
「……そうかもね。」
良くは分からないが、いきなりそんな事を言われて「はい、分かりました」とは言えない。普通に罠の可能性だってある。
「俺は……アサシンを辞めるつもりは無い。ついでに、お前に殺されてやるつもりも無い」
「……殺し屋の道を進み続けると言うのか。仕方が無いな。俺の独断で申し訳ないが、レッド……君には死んで貰う事にしようか」
シヴァは剣を構える。そのままゆっくりとレッドに近付いて行った。
「このままじゃ……どうする」
「させない、ウィンドカッター!」
ブルーの放ったウィンドカッターを剣で切り裂いて、シヴァはボムの魔法を放った。爆発性の魔弾はブルーに向かって行く。ブルーはそれをかわしたが、直後に魔弾が爆発し吹っ飛んでしまう。
「ブルー、無事か!?」
「く……何とか、ね」
「焦らなくとも、すぐに後を追わせてやる。さて、レッド。最後にもう1度だけ聞こう。アサシンを……」
「くどい!」
「……分かった。もう終わりだ」
「……」
シヴァが剣をレッドへ振り下ろす。
「やめて!」
先ほどの難民の中に居た少女が、レッドの前へ飛び込んできた。シヴァの剣が止まる。
「……ナーダ」
「え、ナーダ!?」
レッドの視線の先には、昔見た人物が居た。村で暮らしていた人物が。
「お願い、レシアを殺さないで!」
「……」
「ナーダ……? レシア……? レッド、一体どういう事なの?」
「依頼をしていたのって、お前だったのか……」
「そうよ。やっと見つかったって言うのに」
「……レッド・アサシン。君に考える時間をやろうじゃないか。レッド・アサシンとして生きて行くのか、レシアとして生きて行くのか」
そう言ってシヴァは剣を収めた。
「ナーダと話し合いして、よく考えて決めるんだな。……テレポート!」
空間が歪み、シヴァは光に包まれる。光が消え失せた頃には誰も居なくなっていた。違う場所へ移動する転移魔法だ。
「………」
「……取り敢えず、ここを離れましょう。レッドの家に行きましょう。ちゃんと話を聞かせて貰うわ」
「分かった。……でもその前に」
「?」
「冥福を祈らないと」
「あのね……」
ハンターの居なくなったハンター支部を抜け出し、レッド・ブルー・ナーダの3人はレッドの家に向かった。
「自己紹介がまだだったわね。私はブルー。アサシンよ」
「え……と。ナーダです」
「で、レシア……だっけ? それがアンタの本名なの?」
「……そうだ。他のヤツには言うなよ」
「それでこのナーダって子は何?」
「ナーダは俺の住んで居た村の住民だ。いわゆる幼馴染ってやつだな。まあ、俺の方が歳は上だけどさ」
「私達はルーン村って場所で暮らしていました。でもある日、村が襲われてしまったんです。私とレシアはたった2人の生き残りになってしまったんです」
「俺は生き残りがいる事も知らなかった。てっきり全滅したと思っていたからな」
「私だって生き残りがレシアなんて知らなかったわ。この町の酒場でルーン村の生き残りが居るって聞いただけだったし。ハンター支部でレシアを見かけた時は驚いたもん」
「ナーダ……俺をレシアと呼ぶのは止めてくれ」
「え、レシア?」
「レシアはあの日に死んだんだ。今の俺は、レッドって名前の殺し屋なんだよ」
「レシアはレシアじゃない! そんな事言わないでよ」
「……まあ、幼馴染が生きていた事自体は良かったじゃないの。それよりも、これからどうするの?」
「今更、戻れやしないさ。他にやる事も無いし、色々なヤツの命も奪い過ぎている。誰も俺の事をアサシンとしてしか見ないさ。いつ誰に狙われるかも分からない」
「まあ、それはあるかもしれないけど」
「それに俺は、まだ自分の目的を果たしていない」
「目的?」
「村を襲ったアサシンを殺す事さ」
「え、アサシンですって!?」