第23話
文字数 1,899文字
「高純度ルーンを探していたなら、これを見逃すはずも無いが……単純にこの採掘場の入り口が見つからなかっただけか。他に何か目的があったのか」
「このルーンは凄い物なんでしょう? 何でこんな所に置いてあったんだろ?」
「確かに……何なんだろうな。明らかに飾ってあったしな」
「もしかして何かの封印だったりして」
「あまり考えたくは無いな。戻ろう」
ゴーストに警戒しながらも来た道を戻る。ゴーストは姿も見えず、気配も感じなかった。もしかしてこの高純度のルーンのお陰だろうか? それが本当ならナーダが言った封印ってのも可能性が出て来る。
入り口が見えた辺りで、後ろから強い気配を感じた。
「!? 何か嫌な気配がする。ナーダ、早く出るんだ」
「う、うん!」
「本当に封印? いやいや、そんなの考え始めたらキリがない。俺も脱出……」
ゴゴゴゴゴ
地響きと共に突風が巻き起こった。何とか逃げようとしたレシアは風に飛ばされる。
「うぐっ……い、痛い」
「わ、凄い飛び方だった」
風はレシアを地上まで打ち上げた。静寂の後、採掘場の入り口から何者かが出てくる。
「これは……ゴースト? 今までのより明らかにでかい」
「ルーンを持って行った事を怒ってるんだよ」
「かもな。だから高純度ルーンがあそこに置いてあったのかも」
銀に魔除けの効果があると聞いた事がある。ルーンも何かしらそんな力があるのかもしれない。実際、村にはルーンナーというルーンを使用して死者や時間と交信できるとされている職業があった。
「……ルーンを返したら消えてくれるかな?」
「そう信じるしかないよ」
有無を言わさずにゴーストが襲い掛かって来た。無駄だと分かっていても条件反射で剣を振るってしまう。
「やっぱり剣は効果なしか。でもここはもう地上だ、魔法で蹴散らしてやる! シャドウ!」
「私のライトも属性的には効果あるよね」
「どうだろうな。もう1発、シャドウ!」
シャドウが2発命中する。手応えはあったが、闇属性は属性的に効果が薄い様だ。
「ライト!」
ライトが命中する。効果はありそうだ。
「でも元々の威力が弱いから、効果薄いじゃんか!」
「仕方ないでしょ」
ゴーストが再び襲い掛かって来る。動き自体は大した事も無い。レシアであれば問題なく回避できる。仮にナーダへ攻撃目標を変えたとしても、ライトで攻撃したいる間にレシアが間に入れば良い。
「持久戦になりそうだな」
「倒せなかったらどうするの?」
「……その時は、何とか逃げるしかないだろう」
「だったら、今逃げようよ」
ゴーストを見る。表情の分からない顔がこちらを見ている。
「もしこのゴーストが村の住民だったとしたら、俺は放ってはおけない」
「でも……」
レシアは魔力を開放し、剣に闇属性の魔法を纏わせる。
レシア「魔法攻撃の効果が薄くても、全く効いていない訳じゃない。いつかは倒せるハズだ。」
ナーダ「…分かったよ。私も頑張る。」
レシア「ナーダ…よし、行くぞ。」
レシアはゴーストへ走り出す。ナーダは後ろからライトの魔法を撃ち出す。元々威力の弱いナーダのライトだが、それでも属性不利のシャドウよりはダメージがあるだろう。
ライトが直撃し、ゴーストは一瞬怯む。そこにシャドウを纏わせたレシアの魔法剣を走らせる。
「く……やっぱり効果が薄過ぎるか」
「レシア、危ない!」
普段より踏み込んでしまっていたのか、反応が遅れてレシアはゴーストの攻撃を食らってしまう。レシアは後ろへ飛ばされる。
「うわっ!?」
「レシア!」
「だ、大丈夫だ」
レシアの剣による物理攻撃や属性不利の闇属性の魔法攻撃、ナーダの属性有利だが威力の弱い光属性の魔法攻撃。
この2つではゴーストに効果的なダメージを与える事は難しい。
せめてライトの威力が高いか、レシアの使える魔法が闇属性以外であったなら……
「……! そうか!」
「え、どうしたの?」
「もしかしたら、これで行けるかもしれない」
「え?」
ゴーストの攻撃をかわして、レシアが攻撃を繰り出した。光属性の魔法を込めた魔法剣でゴーストを一気に斬り裂いた。ゴーストは何とも言えない叫び声を上げて消えてしまった。
「ふう……属性が変わるだけで、ここまで威力が違う物なのか。普通の剣攻撃が効くならここまで苦戦もしなかっただろうに」
「レシア、やったね」
「ああ。ナーダが俺の剣にライトの魔力を込めてくれたお陰で、属性有利の光属性による魔法剣が使えた」
「しかし、これ以上は何も見付けられない様だな。だいたい回っちまったし」
「う~ん……取り敢えず、隠れ家に戻ろうよ」
「そうだな。これ以上遅くなると暗くなるな」
結局、村の仇に繋がる様な物は何も見付からなかった。
「このルーンは凄い物なんでしょう? 何でこんな所に置いてあったんだろ?」
「確かに……何なんだろうな。明らかに飾ってあったしな」
「もしかして何かの封印だったりして」
「あまり考えたくは無いな。戻ろう」
ゴーストに警戒しながらも来た道を戻る。ゴーストは姿も見えず、気配も感じなかった。もしかしてこの高純度のルーンのお陰だろうか? それが本当ならナーダが言った封印ってのも可能性が出て来る。
入り口が見えた辺りで、後ろから強い気配を感じた。
「!? 何か嫌な気配がする。ナーダ、早く出るんだ」
「う、うん!」
「本当に封印? いやいや、そんなの考え始めたらキリがない。俺も脱出……」
ゴゴゴゴゴ
地響きと共に突風が巻き起こった。何とか逃げようとしたレシアは風に飛ばされる。
「うぐっ……い、痛い」
「わ、凄い飛び方だった」
風はレシアを地上まで打ち上げた。静寂の後、採掘場の入り口から何者かが出てくる。
「これは……ゴースト? 今までのより明らかにでかい」
「ルーンを持って行った事を怒ってるんだよ」
「かもな。だから高純度ルーンがあそこに置いてあったのかも」
銀に魔除けの効果があると聞いた事がある。ルーンも何かしらそんな力があるのかもしれない。実際、村にはルーンナーというルーンを使用して死者や時間と交信できるとされている職業があった。
「……ルーンを返したら消えてくれるかな?」
「そう信じるしかないよ」
有無を言わさずにゴーストが襲い掛かって来た。無駄だと分かっていても条件反射で剣を振るってしまう。
「やっぱり剣は効果なしか。でもここはもう地上だ、魔法で蹴散らしてやる! シャドウ!」
「私のライトも属性的には効果あるよね」
「どうだろうな。もう1発、シャドウ!」
シャドウが2発命中する。手応えはあったが、闇属性は属性的に効果が薄い様だ。
「ライト!」
ライトが命中する。効果はありそうだ。
「でも元々の威力が弱いから、効果薄いじゃんか!」
「仕方ないでしょ」
ゴーストが再び襲い掛かって来る。動き自体は大した事も無い。レシアであれば問題なく回避できる。仮にナーダへ攻撃目標を変えたとしても、ライトで攻撃したいる間にレシアが間に入れば良い。
「持久戦になりそうだな」
「倒せなかったらどうするの?」
「……その時は、何とか逃げるしかないだろう」
「だったら、今逃げようよ」
ゴーストを見る。表情の分からない顔がこちらを見ている。
「もしこのゴーストが村の住民だったとしたら、俺は放ってはおけない」
「でも……」
レシアは魔力を開放し、剣に闇属性の魔法を纏わせる。
レシア「魔法攻撃の効果が薄くても、全く効いていない訳じゃない。いつかは倒せるハズだ。」
ナーダ「…分かったよ。私も頑張る。」
レシア「ナーダ…よし、行くぞ。」
レシアはゴーストへ走り出す。ナーダは後ろからライトの魔法を撃ち出す。元々威力の弱いナーダのライトだが、それでも属性不利のシャドウよりはダメージがあるだろう。
ライトが直撃し、ゴーストは一瞬怯む。そこにシャドウを纏わせたレシアの魔法剣を走らせる。
「く……やっぱり効果が薄過ぎるか」
「レシア、危ない!」
普段より踏み込んでしまっていたのか、反応が遅れてレシアはゴーストの攻撃を食らってしまう。レシアは後ろへ飛ばされる。
「うわっ!?」
「レシア!」
「だ、大丈夫だ」
レシアの剣による物理攻撃や属性不利の闇属性の魔法攻撃、ナーダの属性有利だが威力の弱い光属性の魔法攻撃。
この2つではゴーストに効果的なダメージを与える事は難しい。
せめてライトの威力が高いか、レシアの使える魔法が闇属性以外であったなら……
「……! そうか!」
「え、どうしたの?」
「もしかしたら、これで行けるかもしれない」
「え?」
ゴーストの攻撃をかわして、レシアが攻撃を繰り出した。光属性の魔法を込めた魔法剣でゴーストを一気に斬り裂いた。ゴーストは何とも言えない叫び声を上げて消えてしまった。
「ふう……属性が変わるだけで、ここまで威力が違う物なのか。普通の剣攻撃が効くならここまで苦戦もしなかっただろうに」
「レシア、やったね」
「ああ。ナーダが俺の剣にライトの魔力を込めてくれたお陰で、属性有利の光属性による魔法剣が使えた」
「しかし、これ以上は何も見付けられない様だな。だいたい回っちまったし」
「う~ん……取り敢えず、隠れ家に戻ろうよ」
「そうだな。これ以上遅くなると暗くなるな」
結局、村の仇に繋がる様な物は何も見付からなかった。