第12話
文字数 1,847文字
街の北門を抜けて街道を北へ進む。良い天気で、絶好の狩り日和だ。あの日もこんな感じで良い天気だった。
「へえ、チャードの武器は銃なのね」
「ああ、魔法銃ってヤツなんだ。色々な属性の気弾を撃ち出せる」
「そんな便利なモンもあるんだな」
「去年出来たばかりの新作だぜ。アサシンに回ってきたのを俺が譲り受けたんだ」
話を聞いていると、チャードも結構な手練れの様だった。普段活動している場所が違う為、あまり話は回って来なかったが。それは俺も同じなんだろう。
「この1時間でクラスタに関して調べておいたわ」
「流石だな。俺はご飯食べてた」
「俺は剣を磨いたりしてた」
「単純なバトル馬鹿ばっかりね」
「それで?」
「クラスタはアサシン歴10年のベテランよ。元々は忍だったみたいね」
「忍……忍者ってやつか。凄いな」
「そういう意味ではアサシンは向いていたのかもね」
「忍術とか使えるの?」
「詳しくは分からないけど、そうなんじゃないの?」
「かなり強いんだろ?」
「ええ。アサシンでもかなり強かったみたい。一時期はバダグと部長争いをしていたらしいわ」
「……じゃあバダグレベルって事か?それは厳しそうだ」
「でもバダグが勝ったんだろ。じゃあバダグより弱いって事だろ」
「そうだと思うわ」
普段はのんびりしているバダグだが、実際の所は凄く強い。レッドが1年ほど前に軽く手合わせした時には、全く歯が立たなかった。もちろんレッドもあれから強くなっている。それでもまだ勝てるとは言えないレベルだった。
街道を逸れて、森の中へ入っていく。自然いっぱいの森だ。
「なるほど。こんな森の奥にあるから、あまり知られていない訳だ」
「この森はキノコも採れるし、動物も居る。狩りには打って付けなんだぜ」
「狩人の血が騒ぐな。今度、狩りをしてみようかな」
「ああ、そう言えば狩人だったんだっけ? アンタは」
「良いじゃん。俺と一緒だ」
「ブルーはアサシンの前は何をしてたんだ?」
「私はアサシン以外、仕事をした事は無かったわ。敢えて言えば家事手伝いくらいかしら」
「そうなのか」
「……興味が無いなら聞かないの」
「いや、何か流れで」
「……! おい、あれ」
森が濃くなってきた辺りでチャードが指をさす。その先には、大きなゴーレムが居た。
「ゴーレム? 何でこんな所に居るんだ?」
「分からない。以前は居なかった」
「もしかしてクラスタが置いたのかしら?」
「門番って所か。やるぞ」
チャードが気弾を撃ち出してゴーレムに牽制を掛ける。その隙にレッドが斬り付けた。流石にそれでは終わらずにゴーレムはレッドへ殴り掛かる。見た目よりはスピードがあるが、所詮はゴーレム。レッドは上手くかわす。
「アイス!」
ブルーがアイスの魔法でゴーレムの足元を凍らせるが、ゴーレムのパワーは氷を簡単に割った。
「普通のゴーレムだから土属性だ。火属性が1番効果的だぞ」
「生憎、私が使えるのは風属性か氷属性よ」
「俺も闇属性しか使えない。しかも弱い」
「レッドって名前なのに火属性使えないの?」
「俺が付けた名前じゃないから」
ゴーレムはレッドに攻撃。かわしながら、凄い風圧を感じる。これが直撃すれば一巻の終わりだろう。
「火属性の攻撃なら俺が出来る。サポート宜しく!」
「分かった」
「了解」
ブルーがウィンドカッターで攻撃。レッドが剣で攻撃。ダメージはあるだろうが、ゴーレムはレッドを攻撃。
「何で俺ばっかり狙ってくるんだ」
「近接で戦っているのがアンタだけだからでしょ」
そう喋っている間にチャードの魔法銃が火属性の気弾を撃ち出した。ゴーレムの右肩辺りが弾け飛ぶ。
「効いてる。これならいける」
「そうね」
「こういう無機物系は表情が無いからダメージが分からない。あれでダメージが見て取れなかったらどうしようかと思っていたぜ」
レッドは後ろへ下がり、闇属性の魔法・シャドウを放った。剣がメインで戦っている所為か、ダメージを与えるには不十分だったがゴーレムの足止めにはなりそうだった。ゴーレムはそのままレッドに近付き、殴りかかって来る。
「いや、足止めにもなってないじゃないか。また俺を狙って来るし」
「そのお陰で充分な魔力を溜めれた。行くぜ!」
チャードの魔法銃がゴーレムに命中し、ゴーレムの頭が弾け飛んだ。そのまま大地へ倒れ込む。
「何とか倒したな。こう考えると、人間は斬れば終わりだから楽だよな」
「魔物と比べれば、人間は耐久力の低い種族だからね」
「でもこんなんが連続で出てきたらキツいかもな」
「よし、とにかく進もう」
「ああ、もうすぐ村に着く」
「へえ、チャードの武器は銃なのね」
「ああ、魔法銃ってヤツなんだ。色々な属性の気弾を撃ち出せる」
「そんな便利なモンもあるんだな」
「去年出来たばかりの新作だぜ。アサシンに回ってきたのを俺が譲り受けたんだ」
話を聞いていると、チャードも結構な手練れの様だった。普段活動している場所が違う為、あまり話は回って来なかったが。それは俺も同じなんだろう。
「この1時間でクラスタに関して調べておいたわ」
「流石だな。俺はご飯食べてた」
「俺は剣を磨いたりしてた」
「単純なバトル馬鹿ばっかりね」
「それで?」
「クラスタはアサシン歴10年のベテランよ。元々は忍だったみたいね」
「忍……忍者ってやつか。凄いな」
「そういう意味ではアサシンは向いていたのかもね」
「忍術とか使えるの?」
「詳しくは分からないけど、そうなんじゃないの?」
「かなり強いんだろ?」
「ええ。アサシンでもかなり強かったみたい。一時期はバダグと部長争いをしていたらしいわ」
「……じゃあバダグレベルって事か?それは厳しそうだ」
「でもバダグが勝ったんだろ。じゃあバダグより弱いって事だろ」
「そうだと思うわ」
普段はのんびりしているバダグだが、実際の所は凄く強い。レッドが1年ほど前に軽く手合わせした時には、全く歯が立たなかった。もちろんレッドもあれから強くなっている。それでもまだ勝てるとは言えないレベルだった。
街道を逸れて、森の中へ入っていく。自然いっぱいの森だ。
「なるほど。こんな森の奥にあるから、あまり知られていない訳だ」
「この森はキノコも採れるし、動物も居る。狩りには打って付けなんだぜ」
「狩人の血が騒ぐな。今度、狩りをしてみようかな」
「ああ、そう言えば狩人だったんだっけ? アンタは」
「良いじゃん。俺と一緒だ」
「ブルーはアサシンの前は何をしてたんだ?」
「私はアサシン以外、仕事をした事は無かったわ。敢えて言えば家事手伝いくらいかしら」
「そうなのか」
「……興味が無いなら聞かないの」
「いや、何か流れで」
「……! おい、あれ」
森が濃くなってきた辺りでチャードが指をさす。その先には、大きなゴーレムが居た。
「ゴーレム? 何でこんな所に居るんだ?」
「分からない。以前は居なかった」
「もしかしてクラスタが置いたのかしら?」
「門番って所か。やるぞ」
チャードが気弾を撃ち出してゴーレムに牽制を掛ける。その隙にレッドが斬り付けた。流石にそれでは終わらずにゴーレムはレッドへ殴り掛かる。見た目よりはスピードがあるが、所詮はゴーレム。レッドは上手くかわす。
「アイス!」
ブルーがアイスの魔法でゴーレムの足元を凍らせるが、ゴーレムのパワーは氷を簡単に割った。
「普通のゴーレムだから土属性だ。火属性が1番効果的だぞ」
「生憎、私が使えるのは風属性か氷属性よ」
「俺も闇属性しか使えない。しかも弱い」
「レッドって名前なのに火属性使えないの?」
「俺が付けた名前じゃないから」
ゴーレムはレッドに攻撃。かわしながら、凄い風圧を感じる。これが直撃すれば一巻の終わりだろう。
「火属性の攻撃なら俺が出来る。サポート宜しく!」
「分かった」
「了解」
ブルーがウィンドカッターで攻撃。レッドが剣で攻撃。ダメージはあるだろうが、ゴーレムはレッドを攻撃。
「何で俺ばっかり狙ってくるんだ」
「近接で戦っているのがアンタだけだからでしょ」
そう喋っている間にチャードの魔法銃が火属性の気弾を撃ち出した。ゴーレムの右肩辺りが弾け飛ぶ。
「効いてる。これならいける」
「そうね」
「こういう無機物系は表情が無いからダメージが分からない。あれでダメージが見て取れなかったらどうしようかと思っていたぜ」
レッドは後ろへ下がり、闇属性の魔法・シャドウを放った。剣がメインで戦っている所為か、ダメージを与えるには不十分だったがゴーレムの足止めにはなりそうだった。ゴーレムはそのままレッドに近付き、殴りかかって来る。
「いや、足止めにもなってないじゃないか。また俺を狙って来るし」
「そのお陰で充分な魔力を溜めれた。行くぜ!」
チャードの魔法銃がゴーレムに命中し、ゴーレムの頭が弾け飛んだ。そのまま大地へ倒れ込む。
「何とか倒したな。こう考えると、人間は斬れば終わりだから楽だよな」
「魔物と比べれば、人間は耐久力の低い種族だからね」
「でもこんなんが連続で出てきたらキツいかもな」
「よし、とにかく進もう」
「ああ、もうすぐ村に着く」