第65話
文字数 1,987文字
ニサラレスの尻尾が交互に襲って来る。それを弾きながら幾度か斬り付ける。うっすらと傷は付くが、暫くすると治癒されていく。
「シャドウを使用する魔力が残っていない。どうすれば……」
「レシア、ゴーストの時みたいに!」
「そ、そうか」
「ライト!」
ナーダが放ったライトの魔力をルーンソードに込めて斬り掛かる。ニサラレスがこの姿になって初めて手応えがあった。ニサラレスの腹部が斬り裂かれる。……とは言え、致命傷には遠く辛うじて血が流れる程度だった。
「これなら突き刺す事位は出来るだろうか? させればダメージを十分に与えられるかもしれない」
「レシア、ちょっと思ったんだけど……」
「何だ?」
「さっきの攻撃みたいな感じで、ルーンクラッシュを剣に込めて攻撃できないかな?」
「そうか、それなら効果があるかもしれない」
「やってみる?」
「ああ、頼む」
「分かった、ルーンクラッシュ!」
ルーンクラッシュがレシアに飛んでくる。それをルーンソードで受け止め、ルーンクラッシュの魔力を込める。ルーンソードが眩く光り始めた。
「な、何だこれは!?」
今までこんな事は無かった。この現象は一体……
「レシア、危ない!」
「えっ?」
ニサラレスの尻尾が襲って来ていた。1本目をかわして2本目を斬り付ける。光となったルーンソードはニサラレスの尻尾を簡単に斬り裂いた。
「ヤツの尻尾を斬り下ろした! 凄い威力だ」
「でも1撃で光が消えちゃった」
「毎回ルーンクラッシュを撃って貰わないといけないな」
「さっきのは何だったの?」
「恐らくだが……ルーンクラッシュのルーンの魔力がルーンソードのルーンコーティングに反応したんじゃ無いだろうか?」
「共鳴した、みたいな?」
「そういう感じだと思う。これならいける!」
「うん、いけそう」
ナーダが再びルーンクラッシュをレシアに発射、レシアはルーンソードでそれを受け止めた。
「……大丈夫、またちゃんと共鳴現象が起こった」
「やっちゃえ!」
「ああ、行くぞ!」
レシアはニサラレスに向かって行く。ニサラレスは衝撃波の様な物を吐き出して来た。それをジャンプでかわして上空で剣を構えた。
「喰らえ!」
ニサラレスは爪を振りかざすが、それより早くレシアの剣がニサラレスの肩口から腰辺りまで一気に斬り抜けた。
「やった!」
「ニサラレス……いや、ルーンの魔力か。強かった」
ゆっくりと立ち上がったレシアにニサラレスの尻尾が突き刺さった。
「え……嘘、だろ?」
レシアを貫いた尻尾は徐々に消え去っていく。最後の抵抗だったのだろうか。
「レシア!」
「だ、大丈夫だ。致命傷では無い」
ニサラレスは崩れながらも爪を振りかぶった。今のレシアの状態ではこの爪をかわす事は困難かもしれない。
「く……」
「レシア、よけて!」
「身体が上手く動かない……ヤバい」
「全く、何をやっているんだ」
「えっ?」
後ろの方からバダグが飛び込んできて、ニサラレスを吹っ飛ばした。ニサラレスはそのまま立ち上がれずに消え去った。
「バダグ?」
「俺に勝てる男があんな化け物に負けるなよ」
「間に合ったわね」
「ブルーさん」
「お前達のお陰で俺は救われた。今のはそのお返しだな」
「お前、ニサラレスには攻撃出来ないんじゃないのかよ」
「お前達の使った魔力を増幅させたルーンクラッシュのお陰だな。今の俺はあれのお陰で浄化されている」
「え、これ最初からバダグさんにルーンクラッシュを撃ちこめば済んだ話?」
「普通の状態のルーンクラッシュでは無理だったと思うわよ」
「あくまでこの宝石で魔力を増幅したからか」
「そうだな。……しかし相変わらず甘いな、レッド。あの場面で油断するなんて」
「悪かったな。でも助かった」
「しかし、ティアマットが邪魔して来ると思っていたんだが……何も無いな」
「そうだな。まあ元々ずっとここに居る訳でも無いだろう。俺が今回来て以降、気配は何も感じない」
「……そうか。まあバダグがそう言うならそうなんだろう」
その時、異空間が震え出した。
「な、何だ?」
「いかん、異空間が壊れだしたのか」
「どういう事だ?」
「アサシン本部長室の奥にあった部屋に大きなルーン鉱石があっただろう。あれの魔力の供給が途絶えてしまい封印が消滅しようとしているんだ」
あの封印はニサラレスの封印じゃ無くて、あくまで異空間と普通の世界の繋がりを護る封印だったのか。
「しかし、どうやって戻る?」
「それに関しては大丈夫よ。と言うか運が良いとも言えるわね」
「?」
「俺ならば……俺だけが互いの空間をテレポートで移動出来る」
「そうか。バダグは封印の弱体化なんて待たずに来ているんだよな」
「取り敢えず、ここはもう長くはもたん。戻るぞ……テレポート!」
テレポートの光が4人を包み込み、元の世界へ転移していった。異空間の最後の部屋の入り口から1人の人間が姿を現す。
ナイトメア「…これで一件落着、だな。俺も戻るか。」
「シャドウを使用する魔力が残っていない。どうすれば……」
「レシア、ゴーストの時みたいに!」
「そ、そうか」
「ライト!」
ナーダが放ったライトの魔力をルーンソードに込めて斬り掛かる。ニサラレスがこの姿になって初めて手応えがあった。ニサラレスの腹部が斬り裂かれる。……とは言え、致命傷には遠く辛うじて血が流れる程度だった。
「これなら突き刺す事位は出来るだろうか? させればダメージを十分に与えられるかもしれない」
「レシア、ちょっと思ったんだけど……」
「何だ?」
「さっきの攻撃みたいな感じで、ルーンクラッシュを剣に込めて攻撃できないかな?」
「そうか、それなら効果があるかもしれない」
「やってみる?」
「ああ、頼む」
「分かった、ルーンクラッシュ!」
ルーンクラッシュがレシアに飛んでくる。それをルーンソードで受け止め、ルーンクラッシュの魔力を込める。ルーンソードが眩く光り始めた。
「な、何だこれは!?」
今までこんな事は無かった。この現象は一体……
「レシア、危ない!」
「えっ?」
ニサラレスの尻尾が襲って来ていた。1本目をかわして2本目を斬り付ける。光となったルーンソードはニサラレスの尻尾を簡単に斬り裂いた。
「ヤツの尻尾を斬り下ろした! 凄い威力だ」
「でも1撃で光が消えちゃった」
「毎回ルーンクラッシュを撃って貰わないといけないな」
「さっきのは何だったの?」
「恐らくだが……ルーンクラッシュのルーンの魔力がルーンソードのルーンコーティングに反応したんじゃ無いだろうか?」
「共鳴した、みたいな?」
「そういう感じだと思う。これならいける!」
「うん、いけそう」
ナーダが再びルーンクラッシュをレシアに発射、レシアはルーンソードでそれを受け止めた。
「……大丈夫、またちゃんと共鳴現象が起こった」
「やっちゃえ!」
「ああ、行くぞ!」
レシアはニサラレスに向かって行く。ニサラレスは衝撃波の様な物を吐き出して来た。それをジャンプでかわして上空で剣を構えた。
「喰らえ!」
ニサラレスは爪を振りかざすが、それより早くレシアの剣がニサラレスの肩口から腰辺りまで一気に斬り抜けた。
「やった!」
「ニサラレス……いや、ルーンの魔力か。強かった」
ゆっくりと立ち上がったレシアにニサラレスの尻尾が突き刺さった。
「え……嘘、だろ?」
レシアを貫いた尻尾は徐々に消え去っていく。最後の抵抗だったのだろうか。
「レシア!」
「だ、大丈夫だ。致命傷では無い」
ニサラレスは崩れながらも爪を振りかぶった。今のレシアの状態ではこの爪をかわす事は困難かもしれない。
「く……」
「レシア、よけて!」
「身体が上手く動かない……ヤバい」
「全く、何をやっているんだ」
「えっ?」
後ろの方からバダグが飛び込んできて、ニサラレスを吹っ飛ばした。ニサラレスはそのまま立ち上がれずに消え去った。
「バダグ?」
「俺に勝てる男があんな化け物に負けるなよ」
「間に合ったわね」
「ブルーさん」
「お前達のお陰で俺は救われた。今のはそのお返しだな」
「お前、ニサラレスには攻撃出来ないんじゃないのかよ」
「お前達の使った魔力を増幅させたルーンクラッシュのお陰だな。今の俺はあれのお陰で浄化されている」
「え、これ最初からバダグさんにルーンクラッシュを撃ちこめば済んだ話?」
「普通の状態のルーンクラッシュでは無理だったと思うわよ」
「あくまでこの宝石で魔力を増幅したからか」
「そうだな。……しかし相変わらず甘いな、レッド。あの場面で油断するなんて」
「悪かったな。でも助かった」
「しかし、ティアマットが邪魔して来ると思っていたんだが……何も無いな」
「そうだな。まあ元々ずっとここに居る訳でも無いだろう。俺が今回来て以降、気配は何も感じない」
「……そうか。まあバダグがそう言うならそうなんだろう」
その時、異空間が震え出した。
「な、何だ?」
「いかん、異空間が壊れだしたのか」
「どういう事だ?」
「アサシン本部長室の奥にあった部屋に大きなルーン鉱石があっただろう。あれの魔力の供給が途絶えてしまい封印が消滅しようとしているんだ」
あの封印はニサラレスの封印じゃ無くて、あくまで異空間と普通の世界の繋がりを護る封印だったのか。
「しかし、どうやって戻る?」
「それに関しては大丈夫よ。と言うか運が良いとも言えるわね」
「?」
「俺ならば……俺だけが互いの空間をテレポートで移動出来る」
「そうか。バダグは封印の弱体化なんて待たずに来ているんだよな」
「取り敢えず、ここはもう長くはもたん。戻るぞ……テレポート!」
テレポートの光が4人を包み込み、元の世界へ転移していった。異空間の最後の部屋の入り口から1人の人間が姿を現す。
ナイトメア「…これで一件落着、だな。俺も戻るか。」