第36話
文字数 1,906文字
数日後、シヴァが経過報告の為に来た。その時に村での出来事を話しておいた。
「そうか、ブルー・アサシンが……」
「残念ながら逃げられてしまったがな」
「また襲って来るかもしれない。気を付けるんだ」
「ああ。こっちの話はそれ位か」
「じゃあこっちの報告をしようか。……っても殆ど分かっていないんだがな」
「おい、広い情報網があるんじゃなかったのか?」
「取り敢えず、村の仇のアサシンの通り名は判明した」
「通り名?」
「通り名ってのは……まあニックネームみたいなもんだ。俺だったらレッド・アサシンってのが通り名だった。ブルーも通り名だ。逆に本名は知らんし」
「レシアは何でレッドだったの?」
「通り名の由来か? 初仕事の時に派手に返り血を浴びてしまってな。全身真っ赤になってしまった。それを見たバダグがレッドって名付けたんだ」
「バダグって、ハンター本部を襲撃しに来てた人だよね? あの人は色じゃ無いの?」
「別に通り名は色じゃなきゃいけない決まりは無い。むしろ色が通り名の奴の方が少ないと思うぞ」
「バダグは何でバダグなんだろうな」
「さあな。俺が出会った時からバダグだったし、由来なんて聞いた事も無いし」
「……でそいつの通り名は【ダーク・アサシン】だ」
「ダーク……? 聞いた事が無いな。前本部長のブラックの間違いじゃ無いのか?」
「ブラックは既に調査済みだ。ヤツは白だった」
「ブラックなのに白だったの?」
「ここに色は関係ないだろう」
「残念ながらハンターの中でも知っている者は居なかった」
「通り名を馳せる位なら、ある程度は有名なハズだが……そもそも通り名だけ出てきて他に何の情報も出てこないのはおかしくないか?」
「そうだな。そこら辺も含めて調査中だ」
「……う~ん、駄目だ。全然分からない」
「取り敢えずお前がブルー・アサシンやバダグに狙われている事は分かった。あまりふらついていないで家に籠っているんだな」
「説教はよしてくれ。とは言え、まあそうか。バダグに襲われたらたまったもんじゃ無いからな」
「明後日から、ハンターによるアサシン一掃作戦が始まる。それまでは大人しくしていろ」
「アサシン一掃作戦?」
「ああ。アサシン本部を叩いて壊滅させる。運が良ければダーク・アサシンを確保出来るし、そうでなくても情報位は得られるかもしれない」
「そうか……もしかしたらバダグやブルーとも、もう会う事も無くオサラバかもしれないな」
「そうかもしれないな。とにかくお前達はゆっくりしていろ。ハンターの中にはお前達の事……特にレシアの事情を知らない者も居るんだからな」
「分かったよ」
「また何かあればすぐに言うよ。じゃあな」
シヴァはテレポートで何処かへ行ってしまった。
「これからどうするの?」
「正直、じっとしているのは性に合わないが……動くのも危険か」
「取り敢えずご飯でも作る?」
「そうだな」
ナーダが立ち上がろうとした瞬間、何者かの気配を感じた。これは……殺意!?
「ナーダ、待て」
「え?」
「あれ? 気付いちゃったか」
柱の陰から1人の男が姿を現した。初めて見る顔だ。
「初めまして、レッド・アサシン」
「お前……アサシンか?」
「アサシン・チャードだ。フレスト村の生き残りと言えば分かるか?」
「フレスト村だと? 聞いた事も無いんだけど」
「…まあ良いさ。どちにしろレッド・アサシンをロックするのは仕事でもあるんだ。覚悟しな」
「よく分からんが、簡単に殺られる訳にはいかないな。ナーダ、下がっていろ」
「うん」
レシアは剣を構えた。チャードの武器は……銃らしい。銃と戦うのは初めてだ。
「あ、そうだ。チャードだったか? お前に聞きたい事があったんだ」
「はん、だったら俺に勝ってみな」
チャードは銃から気弾を撃ち出す。どうやら魔法銃の様だ。魔力を込めて魔法の気弾を撃ち出す。実弾じゃない為、魔力が残っている限りは弾切れを起こさない。
レシアはそれを回避し、一気に近付いて行った。チャードは後ろへ下がりながら銃を撃って来る。
「何でこの場所が分かった?」
「3日前から尾行されていたのを気付かなかったのか? って、俺に勝ってから聞けって!」
「なるほど、村に行った日か。日を開けて油断させようとでもしたのか」
レシアは魔力を込めてルーンソードから気弾を撃ち出した。チャードはそれをかわすが、壁に追い詰められる。
「くっ、これ以上逃げられない」
「家の中で戦闘に入ったのが悪かったな」
「まだだ!」
結局、銃は向けた方向にしか弾を飛ばせない。銃口を向けられた瞬間に身体をずらして、チャードに詰め寄った。チャードの攻撃は外れ、その間にレシアの剣が銃を切り落とした。
「ちっ……銃が壊れちまった。俺の負けだな」
「そうか、ブルー・アサシンが……」
「残念ながら逃げられてしまったがな」
「また襲って来るかもしれない。気を付けるんだ」
「ああ。こっちの話はそれ位か」
「じゃあこっちの報告をしようか。……っても殆ど分かっていないんだがな」
「おい、広い情報網があるんじゃなかったのか?」
「取り敢えず、村の仇のアサシンの通り名は判明した」
「通り名?」
「通り名ってのは……まあニックネームみたいなもんだ。俺だったらレッド・アサシンってのが通り名だった。ブルーも通り名だ。逆に本名は知らんし」
「レシアは何でレッドだったの?」
「通り名の由来か? 初仕事の時に派手に返り血を浴びてしまってな。全身真っ赤になってしまった。それを見たバダグがレッドって名付けたんだ」
「バダグって、ハンター本部を襲撃しに来てた人だよね? あの人は色じゃ無いの?」
「別に通り名は色じゃなきゃいけない決まりは無い。むしろ色が通り名の奴の方が少ないと思うぞ」
「バダグは何でバダグなんだろうな」
「さあな。俺が出会った時からバダグだったし、由来なんて聞いた事も無いし」
「……でそいつの通り名は【ダーク・アサシン】だ」
「ダーク……? 聞いた事が無いな。前本部長のブラックの間違いじゃ無いのか?」
「ブラックは既に調査済みだ。ヤツは白だった」
「ブラックなのに白だったの?」
「ここに色は関係ないだろう」
「残念ながらハンターの中でも知っている者は居なかった」
「通り名を馳せる位なら、ある程度は有名なハズだが……そもそも通り名だけ出てきて他に何の情報も出てこないのはおかしくないか?」
「そうだな。そこら辺も含めて調査中だ」
「……う~ん、駄目だ。全然分からない」
「取り敢えずお前がブルー・アサシンやバダグに狙われている事は分かった。あまりふらついていないで家に籠っているんだな」
「説教はよしてくれ。とは言え、まあそうか。バダグに襲われたらたまったもんじゃ無いからな」
「明後日から、ハンターによるアサシン一掃作戦が始まる。それまでは大人しくしていろ」
「アサシン一掃作戦?」
「ああ。アサシン本部を叩いて壊滅させる。運が良ければダーク・アサシンを確保出来るし、そうでなくても情報位は得られるかもしれない」
「そうか……もしかしたらバダグやブルーとも、もう会う事も無くオサラバかもしれないな」
「そうかもしれないな。とにかくお前達はゆっくりしていろ。ハンターの中にはお前達の事……特にレシアの事情を知らない者も居るんだからな」
「分かったよ」
「また何かあればすぐに言うよ。じゃあな」
シヴァはテレポートで何処かへ行ってしまった。
「これからどうするの?」
「正直、じっとしているのは性に合わないが……動くのも危険か」
「取り敢えずご飯でも作る?」
「そうだな」
ナーダが立ち上がろうとした瞬間、何者かの気配を感じた。これは……殺意!?
「ナーダ、待て」
「え?」
「あれ? 気付いちゃったか」
柱の陰から1人の男が姿を現した。初めて見る顔だ。
「初めまして、レッド・アサシン」
「お前……アサシンか?」
「アサシン・チャードだ。フレスト村の生き残りと言えば分かるか?」
「フレスト村だと? 聞いた事も無いんだけど」
「…まあ良いさ。どちにしろレッド・アサシンをロックするのは仕事でもあるんだ。覚悟しな」
「よく分からんが、簡単に殺られる訳にはいかないな。ナーダ、下がっていろ」
「うん」
レシアは剣を構えた。チャードの武器は……銃らしい。銃と戦うのは初めてだ。
「あ、そうだ。チャードだったか? お前に聞きたい事があったんだ」
「はん、だったら俺に勝ってみな」
チャードは銃から気弾を撃ち出す。どうやら魔法銃の様だ。魔力を込めて魔法の気弾を撃ち出す。実弾じゃない為、魔力が残っている限りは弾切れを起こさない。
レシアはそれを回避し、一気に近付いて行った。チャードは後ろへ下がりながら銃を撃って来る。
「何でこの場所が分かった?」
「3日前から尾行されていたのを気付かなかったのか? って、俺に勝ってから聞けって!」
「なるほど、村に行った日か。日を開けて油断させようとでもしたのか」
レシアは魔力を込めてルーンソードから気弾を撃ち出した。チャードはそれをかわすが、壁に追い詰められる。
「くっ、これ以上逃げられない」
「家の中で戦闘に入ったのが悪かったな」
「まだだ!」
結局、銃は向けた方向にしか弾を飛ばせない。銃口を向けられた瞬間に身体をずらして、チャードに詰め寄った。チャードの攻撃は外れ、その間にレシアの剣が銃を切り落とした。
「ちっ……銃が壊れちまった。俺の負けだな」