044 side B
文字数 1,587文字
「はっは~、嫌いなら来るものかぁ──」即下ピスタも崎陽に続く。
「……じゃ、何で来たん?」
「貴様には感謝しているのだぞぉ。セラフィムから認識されるなんてことは昨日まで妄想でしかなかったが、今日なんてキモがられもせず手伝いができたっ。僕は了悟したのだぁ、部長や生徒会長を目指したのも、全ては、セラフィムにつながる公然とした権限が欲しかっただけだったのだとな」
「はぁ? どう言うことだよ」
「部長だったらば、この一戦が決まったように、部をダシにしてつながれるかもではないか。生徒会長ならば、ガッコあげての交流会などに託けてアプローチしまくれるだろうにっ。どうだわかったか、この、ケチショボ好きのキチキチバッタめがぁ」
「あっそ、オゾ幸せそうで何よりじゃね? とにかく、セラフィムにいいトコ見せようとしてオレの邪魔だけはしないでくれよな」
「は、想像以上のアホゥだな貴様はっ」
「……なんかクソムカつく~、本物のアホから言われると」
「何だとぉ! 僕はだな、セラフィムが喜んでくれるのならば、貴様にいいトコを見させてやろうとまでの覚悟なのだぞぉっ。それを貴様という奴は~」
「嘘クサ~。何でそんな覚悟ができるんだか?」
「当然だろう。貴様が勝てば日本一のオルターエゴゥが一人減ってくれる、僕にとってもザマァ見晒せだっ。それゆえフィフもしゃばり出ているのだしな」
「げ~、ほかにも日本一なんかいるのかよぉ……」
「おそらくな。第一フィフからして学力日本一だったのだ。そんなレヴェルが昨日今日と立て続けに出交すなど、あり得るものかフツウ。おそらくフィフにはこうなることも、予測の範囲内に違いない気がしないではなくもない~」
「……まぁ確かに。サヴァゲ関係のライセンスなんかをもってることからして、こうなるように企んでたに決まってら。機会がくるのを待ってただけで」
「あぁそのと~り。フィフは見た目どおりのアシナガグモだ。既に見えない巣がしっかり張られていて、引っかかったら、
「あぁ、あんたみたいにな。オレは勝っても協力の名目で再利用されてるけど」
「ひゃっひゃ~。しかも何度となく使い古すにとどまらず、使い潰されること請け合いだぞ。貴様を勝たせるという名目で、山ほど作業や用事を命じ続けられて、僕は昨日から一睡もさせてもらえてない~っ。睡眠不足だと、僕はハイとノッドをいったりきたりしてしまうのにぃ」
「ったく。今のあんたは、脳内神経伝達物質の分泌バランスがイカレたポンコツ野郎ってかよぉ──」崎陽は軽く頭をふって呆れをはらう──「ま、けど問題なくね? 会った最初からそうだったし、あんたは」
「ならばよかろう、貴様を無キズで椎座の許まで届けたら泥を被って泥のように眠るっ。でもセラフィムの撤収作業も僕がやっちゃう約束だからぁ、一レム睡眠を済ませるくらいは粘ってくれないと困るぞ。貴様は瞬発力だけがとり得のバッタ男だしな」
「安心しろって、オレよっか椎座が粘るだろ。って言うか、そうまでしてフィフの言うこと聞く道理はないんじゃね? オレなら泥を塗ってでも眠っちまうけどな」
「バッタだけに不完全ヘンタイだな貴様は~。フィフも、あれはあれで惑わされ甲斐ムンムンな女子ではないかぁ。僕なんかに礼も労いもちゃんと言ってくれるし、ガンバった分の見返りまで期待させる。可愛さはないがそれが逆に下萌やす、憎からず女子だぞ」
「……言ってろ完全ヘンタイッ。ホンット、あんたに勝っといてよかったよ、逆の立場──」
「伏せて! 敵だわ崎陽っ」
闖然な和加の呼号に早却と反応する崎陽は、糸が切れたマリオネットの敢えなさも同然の完全無抵抗で速やかに地面へと這い伏した。
「……じゃ、何で来たん?」
「貴様には感謝しているのだぞぉ。セラフィムから認識されるなんてことは昨日まで妄想でしかなかったが、今日なんてキモがられもせず手伝いができたっ。僕は了悟したのだぁ、部長や生徒会長を目指したのも、全ては、セラフィムにつながる公然とした権限が欲しかっただけだったのだとな」
「はぁ? どう言うことだよ」
「部長だったらば、この一戦が決まったように、部をダシにしてつながれるかもではないか。生徒会長ならば、ガッコあげての交流会などに託けてアプローチしまくれるだろうにっ。どうだわかったか、この、ケチショボ好きのキチキチバッタめがぁ」
「あっそ、オゾ幸せそうで何よりじゃね? とにかく、セラフィムにいいトコ見せようとしてオレの邪魔だけはしないでくれよな」
「は、想像以上のアホゥだな貴様はっ」
「……なんかクソムカつく~、本物のアホから言われると」
「何だとぉ! 僕はだな、セラフィムが喜んでくれるのならば、貴様にいいトコを見させてやろうとまでの覚悟なのだぞぉっ。それを貴様という奴は~」
「嘘クサ~。何でそんな覚悟ができるんだか?」
「当然だろう。貴様が勝てば日本一のオルターエゴゥが一人減ってくれる、僕にとってもザマァ見晒せだっ。それゆえフィフもしゃばり出ているのだしな」
「げ~、ほかにも日本一なんかいるのかよぉ……」
「おそらくな。第一フィフからして学力日本一だったのだ。そんなレヴェルが昨日今日と立て続けに出交すなど、あり得るものかフツウ。おそらくフィフにはこうなることも、予測の範囲内に違いない気がしないではなくもない~」
「……まぁ確かに。サヴァゲ関係のライセンスなんかをもってることからして、こうなるように企んでたに決まってら。機会がくるのを待ってただけで」
「あぁそのと~り。フィフは見た目どおりのアシナガグモだ。既に見えない巣がしっかり張られていて、引っかかったら、
はい、それまぁでぇ~よ
、なのだっ。仕掛けられた罠へハマり尽くした末に、しめしめと倒れてくれたオルターエゴゥも、またほかの罠でリサイクルするエコな算当までしてあるとしか思え~ん」「あぁ、あんたみたいにな。オレは勝っても協力の名目で再利用されてるけど」
「ひゃっひゃ~。しかも何度となく使い古すにとどまらず、使い潰されること請け合いだぞ。貴様を勝たせるという名目で、山ほど作業や用事を命じ続けられて、僕は昨日から一睡もさせてもらえてない~っ。睡眠不足だと、僕はハイとノッドをいったりきたりしてしまうのにぃ」
「ったく。今のあんたは、脳内神経伝達物質の分泌バランスがイカレたポンコツ野郎ってかよぉ──」崎陽は軽く頭をふって呆れをはらう──「ま、けど問題なくね? 会った最初からそうだったし、あんたは」
「ならばよかろう、貴様を無キズで椎座の許まで届けたら泥を被って泥のように眠るっ。でもセラフィムの撤収作業も僕がやっちゃう約束だからぁ、一レム睡眠を済ませるくらいは粘ってくれないと困るぞ。貴様は瞬発力だけがとり得のバッタ男だしな」
「安心しろって、オレよっか椎座が粘るだろ。って言うか、そうまでしてフィフの言うこと聞く道理はないんじゃね? オレなら泥を塗ってでも眠っちまうけどな」
「バッタだけに不完全ヘンタイだな貴様は~。フィフも、あれはあれで惑わされ甲斐ムンムンな女子ではないかぁ。僕なんかに礼も労いもちゃんと言ってくれるし、ガンバった分の見返りまで期待させる。可愛さはないがそれが逆に下萌やす、憎からず女子だぞ」
「……言ってろ完全ヘンタイッ。ホンット、あんたに勝っといてよかったよ、逆の立場──」
「伏せて! 敵だわ崎陽っ」
闖然な和加の呼号に早却と反応する崎陽は、糸が切れたマリオネットの敢えなさも同然の完全無抵抗で速やかに地面へと這い伏した。