45話① 【レア】日本初の千円紙幣の図柄「建部大社」
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違うのう。
近江神宮は昭和に入ってから建てられたもんじゃけえな。
神宮としての格は有しておるが、一之宮ではありゃあせんのじゃ。
いけんのう。
近江国一之宮は、大津市神領にある「建部大社」のことよ!
だいたい町名からして「神領(じんりょう)」いうんが、奮っておるのう!
ま、さすがに言葉だけでわからそうとは、わしも思っとりゃあせんわい。
実際はこんな感じじゃ!
ほうじゃろう。
ちなみに昭和20年8月に、日本で初めて作られた千円紙幣(甲号券)の図柄には、日本武尊(やまとたけるのみこと)と建部大社の本殿が使用されとるんじゃ。
おう。
しかも企画されたのは1941年、戦中の混乱でかなりのインフレが起きとった時期じゃけえ、それにあわせて作られたものなんじゃ。
それが流通したんは1945年8月の終戦とかぶるというんが、なんとも皮肉なことじゃな。
そりゃそうじゃろうな。
なんせ戦後、新円切り替えが行われたこともあって、流通スタートからわずか半年ほどで使用停止の憂き目にあったそうなけえな。
しかも当時の千円は、いまの価格に直すと180万円にもなったとのことじゃけえ、半年間でその紙幣を拝めたんも極々一部じゃったじゃろうな。