22話③ 【レア】佐々木さんのルーツ、滋賀県の「沙沙貴神社」
文字数 1,476文字
ま、今岡いう名字がいうほど多くないこと、
曾祖父の代の居住地がおおまかにでも聞けていたこと、
今岡姓が多く住む集落をたまたま見つけていたこと、
家紋がきちんと伝わっていたこと、
家紋や名字のルーツの資料を多く所持していたこと、
これらが重なった結果じゃな。
で、そういうのがわかっていたから、
今回「沙沙貴神社」にも行ったってわけなんですか?
おう!
自分のルーツの1つと類推されたからには
行かにゃあいけまぁて。
そこまでするのは、てめえだけだよ……。
まぁ、ここは古くからある神社だけあって
見どころもようけあったけえ、いうのもあったがな。
楼門やら本殿も江戸期のものでわりと立派なけえな。
たしかに見事なもんだな!
あと、本殿の裏には、「干支の庭」いうのがあってな。
十二支の石像が干支の順に飾られとるんじゃ。
縁起がええけえ、いろいろと拝んできたわ。
せっかく行ったんじゃけえ、
いろいろ見にゃなるまいて。
あと、境内にはナンジャモンジャの木もあったのう。
ナンジャモンジャとはまた変わった名前ですね。
ああ。
これは正式な名前ではなく、よくわからんかった木のことを、
「ナンジャモンジャ」と適当に呼んだことが由来とされとる。
なので、特定の木が「ナンジャモンジャ」というわけじゃないんじゃ。
もっとも、たいていは「ヒトツバタゴ」であることが多いがの。
誰だ、そんな適当な名前つけやがったのは……。
ああ。
物知りな水戸黄門が将軍から「あの木はなんじゃ」と聞かれて、
咄嗟に答えられず、適当に「ナンジャモンジャ」と言うたいう説があるのう。
ああ、そうそう。
ちなみに水戸黄門に対して、「水戸黄門」やら「黄門様」いうのはかえって失礼になるけえ、気をつけろよ。
いまのところ異世界転生もタイムスリップもする予定はねえから心配するな。
しかし、なんで失礼になるんだ?
というのもじゃな、黄門いうのは武家官位の
権中納言を唐名読みした「黄門侍郎」のことなんじゃ。
ああ。
「給事黄門侍郎(きゅうじこうもんじろう)」
いうんが、正式な呼び方じゃがな。
ま、日本の官位名を中国の読み方に当てはめるのは
雅(みやび)なこととして推奨されとったこともあるんじゃ。
推奨されてたんなら
問題ねえんじゃねえか?
ああ。
水戸家が御三家だったのは知っとるよな?
御三家は将軍家に次ぐ家格を与えられとったわけなんじゃが、
実は、水戸家は紀州家や尾張家より格下扱いされとったんじゃ。
なぜなら御三家になったんも、後からの追加でなったけえな。
そうなのか!?
おう。
なので、紀州家や尾張家には大納言の官位が与えられたが、
基本的に水戸家は中納言どまりじゃったんじゃ。
ほいじゃけえ、水戸黄門に対して「黄門様」いうんは、
「やーい! 中納言どまりー!」いうんと同じいうことなんじゃ。
今で言えば「万年係長ー!」いうんと同じかもしれんな(笑)
うん?
どうしたんなら?
よくそれだけのことで、
話を広げられるなって思いまして……