22話① 【レア】佐々木さんのルーツ、滋賀県の「沙沙貴神社」
文字数 1,197文字
滋賀県は近江八幡市に「沙沙貴神社」いうのがあるのを知っとるか?
ここがそうじゃな。
しかし、この「沙沙貴」ってなんて読むんだ?
ああ。
これは「ささき」と読むんじゃ。
ささき、ですか。
名字にありそうな名前ですね。
おう。
察しがええのう。
ここは全国の「佐々木」さんの発祥の地でもあるんじゃ。
ああ。
この地に宇多源氏が土着して、その地名である佐々木氏を称するようになり、宇多源氏佐々木氏流ができたといわれとるんよ。
そこからか(笑)
ま、簡単に言えば、最初は姓が少なかったんじゃ。
なので朝廷の家臣は、藤原やら源やら平やら同じような名字がおおかったんじゃな。
で、その同じような名字を区別するため、まずその祖先で大別することにした。
宇多源氏は宇多天皇の子孫からスタートしとるんで、
その係累を宇多源氏と言ったわけじゃな。
ただ、それでも同じような名字があふれることには変わりないんで、
地方に土着した人はその地名をもって区別をすることにした。
これがいまでいう名字ということじゃな。
なるほど。
日本の名字がやたらと多いのは、そういうことなんですね。
それだけとは限らんがな。
とくに明治維新のときに武士階級以外にも名字をつけたのもあって、
由来はまちまちじゃけえな。
とはいえ、宇多源氏佐々木氏が佐々木の地に土着したのが、
だいたい平安時代中期頃のことじゃけえ、
佐々木姓はその頃からスタートしたと考えられとるわけなんじゃ。
おう。
たしかにその通りじゃ。
ただ、わしのルーツの一つがここにあるとしたらどうじゃ?
なんだとっ!?
さっきも言うたことじゃが、同じ名字が多くなったけえ、
地名で分けるようになった、ここまではええか?
それでも名字がかぶるようになったけえ、
またさらに地名でわけるようになった。
ああ。
佐々木さんが増えすぎたけえ、
それぞれの地名をまた付けたわけじゃな。
なので平安からくだった鎌倉期には、
またそこからいろんな名字が生まれとるわけなんじゃ。
まあのう。
鎌倉期に生まれた佐々木氏流の有名な名字としては、
京極氏・六角氏・朽木氏・黒田氏なんかがあげられるのう。
このへんは「信長の野望」とかでも出てくる大名家じゃけえ、
それで覚えとるひとも多いかもしれん。
またそれ以外にも、明治期に活躍した軍人の乃木希典大将も、
佐々木氏にルーツを持つ人じゃな。
なので、この神社の境内には、乃木希典大将の碑もあるんじゃ。
たびたびここに参詣した証拠として残されとるんじゃ。
名字が佐々木氏じゃないけえいうて、それだけじゃ判断できんのんよ。