35話② 【レア】「中尊寺」だけじゃない、岩手・平泉の「達谷窟」
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ああ。
それはじゃな、「達谷窟」いうところなんじゃ。
これは「たっこくのいわや」じゃな。
正式には「達谷窟毘沙門堂」いうところなんじゃ。
平泉の中でもわりと郊外の方にあってな。
駅から自転車でも片道1時間ぐらいかかるところにあるんじゃ!
これがそうじゃ!
ほうじゃろ。
ここは征夷大将軍の坂上田村麻呂が、ここを拠点としていた蝦夷を討伐した記念として建てたもんでな。創建は801年といわれとるものなんじゃ。
ま、お堂そのものはたびたび火災で焼けとるんで、そがいに古いものじゃないんじゃがな。
ただ、岸壁の磨崖仏は「源義家が前九年の役と後三年の役で亡くなった敵味方の霊を供養するために彫ったもん」といわれとるんで、こっちは中尊寺金色堂並みに古いものじゃな。
ああ。
岸壁に直接彫り込まれた仏像のことじゃな。
これがそうじゃ!
慰霊のために彫られたもんじゃけえな。
高さは約16.5m、顔の長さは約3.6mもあるもんで、これは「北限の磨崖仏」ともいわれとる貴重なもんなんじゃ。
これより北に磨崖仏は存在せんいうことじゃな。
あと、ここには源頼朝も奥州征伐の帰りに寄ったいう記録が、古文書『吾妻鏡』にもきちんと記載されとる。
そういう歴史に思いをはせながら、見るんもえかろうてな。
そんなわけで、移動のしにくさから金色堂ほどは見られていない「達谷窟毘沙門堂」、その荘厳なたたずまいを、ぜひみなさんもご覧になってみてつかあさい!