27話① 【桜】指圧の心は母心、家康の母が眠る「伝通院」
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それはいいんですが……。
うん?
どした?
おう、そのへんはおいおい説明しようかの。
ちなみに今回紹介するんは、東京の小石川にある「伝通院」いうお寺さんなんじゃ。
ここがそうじゃな。
たしか、名前も聞いたことありますね。
ほうじゃろうな。
なにしろ徳川家康の母親・於大の方が眠るお寺さんじゃけえな。
これは「おだいのかた」と読むんじゃ。
この於大の方の法名が「伝通院殿」じゃったんで、その菩提寺も伝通院となったということなんじゃ。
これが伝通院殿こと、於大の方のお墓じゃ。
お寺の名前にもなっておる方の墓じゃけえな。
あと、この寺の名前がよう知られとるんは、いろいろな理由があるからなんじゃ。
ああ。
なにしろ昔からの名刹なんで、いろんな作家がこの寺の描写を作品の中に書いとるんじゃ。
マジかっ!?
うむ。
永井荷風は、そのまま「伝通院」という随筆を書いとるしの。
それ以外にも夏目漱石、夢野久作、二葉亭四迷、菊池寛、徳田秋声なんかが小説などで伝通院のことに触れとるんよ。
作家でいえば、「眠狂四郎無頼控」で知られる直木賞作家の柴田錬三郎もこのお寺さんで眠りについとるな。
これがそのお墓じゃ。
ほうじゃろうな。
なにしろ墓のデザインは、デザイナーの横尾忠則さんじゃしな。
ま、そのへんは個人個人の自由なんじゃろうて。
あと、この寺がよう知られとるんは、歴史の1ページに刻まれとるいうんもあるじゃろうな。
ああ。
なにしろここは新撰組の結成のきっかけになった場所でもあるけえな。
うむ。
正確に言うと、新撰組は浪士組いうんを前身にしとるんじゃが、その浪士組が結成されたんが、ここ伝通院いうわけなんじゃ。
なので、その結成を指揮した幕末の浪士・清河八郎の墓も、ここ伝通院にあるんじゃ。
これがそうじゃ。
ああ、それはじゃな。
このお寺にある、めずらしい塚のせいじゃな。
うむ。
よく、なんかの供養をするための「●●塚」いうのがあるじゃろ?
おう、そういうやつじゃ。
で、ここには指塚いうのがあるんじゃ。
これについては次のページで細かく説明しようかの。