36話① 【レア】近江坂本の見どころ「生源寺」「慈眼堂」

文字数 1,204文字

比叡山のふもとには、いろんなお寺さんがあるんじゃが、

一部を除いてはだいたい拝観禁止になっとるんよ。

そうなんですか?

ああ。

比叡山のふもとのお寺さんは、修行を終えられたお坊さんらが住むところなんでな。

むやみやたらに入ったらいけんのんじゃ。

それは残念ですね。
ただ一部では拝観OKな上に、無料で見れるところなんかもあるんじゃ。
たとえば?

比叡山の開祖・最澄の生誕地に建つ「生源寺」がそうじゃな。

これがそうじゃ!

ほう、これはこれで立派なもんだな!

ほうじゃろ。

ここも織田信長による比叡山焼き討ちで一回灰燼に帰しとるんじゃが、現在の本堂は1595年に再建され、1710年に改築されたものなんよ。

それはそれでけっこう古いものですね。

ほうなんよ。

ちなみにさっき言うた「比叡山焼き討ち」じゃがな。

比叡山ではその呼び方はしとらんというのを知っとるか?

そうなんですか?

ああ。

比叡山にしてみれば「焼き討ち」されたほうじゃけえな。

じゃあ、「比叡山焼き討たれ」か?

なわけあるか。

だいたい、比叡山自体が自分らのことを

「比叡山」と他人行儀に呼ぶんもないことじゃろうて。

では、なんていえばいいんでしょうか?
比叡山では元号を取って「元亀兵乱」と呼ぶんよ。
元亀兵乱?

うむ。

あくまであれは「乱」いうことなんじゃろうな。

ま、比叡山からしてみれば当然のことじゃろうて。

メンツもあるんでしょうね。

ちなみにその比叡山は秀吉や家康の手によって再興するわけじゃが、

家康の代の時にとりわけ比叡山の復興に尽力した者がおるのを知っとるか?

はて?
誰でしょう?

家康の「黒衣の宰相」と呼ばれた天海僧正のことよ。

天海は再建時に比叡山の南光坊に住んだことから、「南光坊天海」とも呼ばれとるのう。

南光坊ってそういう意味だったんですか!?

ああ。

現代ではゲーム「サクラ大戦」の黒幕としても知られとるんで、そこから名前を知った人もおるやもしれんな。

その腹の底は知らんが、ちゃんと立派なこともしとるひとなんよ。

そうだったのか。

で、その天海僧正の廟所「慈眼堂」も、無料で拝観できるお寺さんなんじゃ。

ここは慈眼大師(天海)供養塔や歴代天台座主の墓はむろんのこと、清少納言や紫式部、和泉式部の供養塔もある。他にも桓武天皇の御骨塔、後陽成天皇供養塔、後水尾天皇供養塔、徳川家康供養塔、新田義貞供養塔なんかもあって、なかなかに荘厳な雰囲気を持っておるところなんじゃ。

これがそうじゃ!

けっこう見れるところがあるんですね。

見れるのはごく一部ではあるが、それでもけっこうなものよな。

ちなみにもう一か所、一部ではあるが無料で見られる有名なお寺さんがあるけえ、

次のページではそこを紹介しようかいのう!

自然的な意味でも見どころのある場所ですね。

きれいだ

行ったのは一週間前じゃったわけですが、桜や桃がまだようけえ咲いとったんで、そういうのを見にいくんもええでしょうな。

花見時期はそれ目あてでいく人も多いそうですわ!

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登場人物紹介

今岡英二(天使)


いまや「小説のキャラよりキャラが立っている」でおなじみの、同コラボノベルの作者。

行動力の化け物。

昔バンド活動をやっていたときは音楽漬けの生活をしていたが、

作家/ライターの生活に移ってからは本漬けの日々を送っている。

そのわりには動き回ることを止めないのはなぜなのか。

目下のところ、それは謎である。


「物書きが自分の足で情報を探さんようになったらおしまいじゃ(笑)」とは本人の弁。


今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、根が優しく義理堅い人情派。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、だからといって他の野球ファンを貶めることはない。野球好きに貴賎はないというのが信条。


「三食食えて野球が見られる。これ以上の幸せがあろうか……。あとはこれでまたカープが優勝してくれりゃあ、言うことなしじゃ……」とは作者のコメント。


今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなものまで見るんだ!」「ふつうそんなところなんか行きませんよ!」とキャラにつっこまれても、「勉強のためじゃけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。


ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。


武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。


石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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