第113話 子どもたちvs父の主張
文字数 2,240文字
突然里親のもとへ行くと言いだしたメデアとイソルダ。
それを聞いて、おれだけでなくイザベラも動揺し、悲鳴のような声をあげる。
イタイところを突かれてしまった。
現実的な事情を加味すればするほど、子どもたちの指摘は急所を貫くようだった。
生きていくためには食事を摂らねばならず、その費用はオーハラたちによって
子どもたちとのやり取りを聞いて、イザベラは天井を仰ぎ、溜息まじりにつぶやく。
むろん、わかっていないわけではない。
けれどまだ気持ちが定まっていないのだ。
するとシャドーも話に加わって、ファーマの意見に同意する。
おれもそう思って、人のもとへ身を寄せようと決心した。
こうして誰かを想う気持ちを〝愛〟というのだろうか――。
と、一回言ってみたところで、まったく気持ちが収まらない。
おれはヤケクソ気味に同じ言葉を繰り返す。
ピシャリと言い放つと、イザベラがゆっくり瞬きをして同意の気持ちを示してくれた。
一方……子どもたちは頑として譲らない。
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