第126話 よい変化と出逢い
文字数 2,097文字
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里親候補者の存在を認めた後――
母親であるイザベラにも、その人物が里親に適任かどうかを見てもらった。
部屋に戻ってきたイザベラは、満足そうに言って微笑む。
すると室内にいる子猫たちが、まるで合いの手を入れるかのように口をひらきはじめる。
かわいい声で鳴く子猫たち。
イザベラの代わりに子守を代わっていたおれは、立ったり寝転んだりしている子猫たちへ視線を戻す。
それを見ていたイザベラがおれのそばに寄ってきて、にこやかに話しかけた。
もしも、そうでなかったら――
イザベラが乾いた笑いを
ワルの件が片づいたとはいえ、子猫たちだけを部屋に残していくのは心配だ。
ほどなくすると、オーハラが2階に上がってきた。
手招きをして、イザベラに部屋から出るよう促してくる。
緊張しがちにイザベラが返すと、相手はタイミングよく返事をしてくる。
偶然には違いないが、
横並びで佇むおれたちを人々は物珍しそうに観察する。
やや距離が空いているのでわかりづらいが、おれたちを見るそれぞれのまなざしは、優しげだったり、うれしそうだったりと、受ける印象は柔らかい。
ファーマがきっぱり否定すると、アカリ婆とヒカリ爺もそれに賛同する。
他の猫は知らんが、おれは一途な恋が好きなのだ。
というか、思う存分種を撒いたところで産まれてくる子のすべてを気遣えるわけがないし、妻子の存在そのものが疎ましくなるのは目に見えている。
円満な家庭を築きたいなら、
〝営みは最小限にとどめる〟――これに限る。
おれがシッポをバタバタさせて不快アピールをすると、オーハラが焦ったように早口でしゃべりはじめた。
男は着衣のポケットから小さなモノを取り出した。
それはオーハラたちが持っているスマホと呼ばれるモノと同一の
卓上に置かれたその小さな道具をオーハラたちは上からのぞき込む。
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驚いたように息を呑むオーハラとトラヒコ。
なんだ……?
一体、何が写っているというのだ?
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