第133話 父猫さんは意識が高め?
文字数 1,963文字
部屋に戻ると、子猫たちのジャンプの特訓の始まりだ。
子猫たちはそれぞれ勇み立って、ターゲットに跳びかかる。
目の前にはケージがある。
目標は、そのケージの上に跳び乗ることだ。
けれどもうまく跳べず、おしりがぴょんと上がっても、高さが足りずに小さな体が途中でコテンッと落下し転がってしまう。
失敗に次ぐ失敗の繰り返しだった。
はにかんで目を伏せると、子どもたちが足を止め、イザベラのほうを振り返った。
子どもたちは返事をすると、室内を四方八方に走り出した。
走るというよりは、ぴょんと跳びながら移動する感じに近いかもしれない。
元気に動き回る子猫たちを見つめていると、ふっと笑みがこぼれた。
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