黄昏のクレイドリア
前のエピソードへ「19-1」
文字数 562文字
<リーン邸 廊下>
!! よ、よう。
奇遇だな
扉を出てすぐ横で、
背をもたれかけていた
セシルはぎこちなく返事をした。
(なんでこんな所に
いるのかしら。
夕飯まではまだ時間があるし……。
イーリアスの部屋にも、
近づきたがらなかったのに)
もしかして、
やっぱり
心配してきたの?
違っげぇーーーよ!!
カノンがだよ!!
そりゃそーだろ!
だってあいつ……、
自分の為なら誰彼構わず
殺すような奴だろ。
だからカノンも、あいつに
わざわざ構ってやんなきゃ
いけねーんじゃねーか。
別に、脅迫されてるから
仕方なくきたわけじゃ……
…………。
あーはいはい!
オレは仲間を疑う
薄情モンですよ!
立ち聞きしてて悪かったな!
すごすごと
歩き去ろうとしていた足を止める。
感謝の言葉へ生返事で返すと、
セシルは再び歩いて行った。
(……やれやれ、
素直じゃないやつね)
随分とあの子に
懐かれていますわね、カノン!
ふふ、こうしてお仲間同士で
仲良くできているのなら、
何よりです。
……昨日のあなたの報告から、
私もある程度
考えが纏まりましたの。
いつものお部屋で、
お話をさせて
頂いてもよろしいかしら?
もちろん。
他でもない、エルフである
あんたの意見が聞けるなら。
★いいね!
ファンレターを書く
次のエピソードへ 19-3
作品お気に入り
<カノン>
<イーリアス>
<ニルス>
<セシル>
<パシュア>
<ディーン>