22-3
文字数 1,709文字
ディーンは2人の剣と斧による斬撃、そして弓矢による牽制から逃れ、ステージ上にそびえる柱を陰にして身を隠した。
何か方針を定めたのか、得物のハルバードを手に提げたままディーンは柱から姿を現す。
対戦相手を一瞥し、頭をかきながら口を開いた。
『おーっと、ディーン選手!
マスク・ザ・トリオに
核心をつく問いかけだぁー!』
仲間の宣言にハキハキとした言葉を返すと、
少年はディーンめがけて突っ込んでいく。
少年はディーンめがけて突っ込んでいく。
言葉に反応して咄嗟に身をかわしたディーンの代わりに、大きく振り降ろされた剣はディーンの隠れていた柱へ命中したが、その柱には大きなヒビが入っていた。
吹き飛んできた柱の破片によって、擦りむいた頬に軽く触れる。
その威力が事実だと確かめるように、相手と柱とを見遣った。
会話していることをいいことに、
今度は宣言なしで少年はディーンへ再度突っ込んでいく。
今度は宣言なしで少年はディーンへ再度突っ込んでいく。
少年は紙一重で一撃をかわされ、
回転で勢いの付いたシャフト部分に
したたかに打ちつけられて倒れ伏した。
回転で勢いの付いたシャフト部分に
したたかに打ちつけられて倒れ伏した。
仲間がやられ、斧を構えて向かってくる男へディーンも向かっていく。
得物同士をぶつけ合った事を皮切りに、両者は打ち合いを始めた。
思考を巡らせている間に視線を地へ落としていたのだろう。
ディーンが背後に回っていたことに気が付いた時には身体がわずかに宙を舞い、叩きつけられた衝撃の後、青天井を仰いでいた。
『劣勢かと思われたディーン選手、
瞬く間に仮面の3人をのしてしまったぁー!!
ディーン選手の勝利です!!』
ディーンの勝利宣言に続いて
司会の宣言もなされ、会場から大きく歓声が上がる。その様子を、前のめりになったまま眺めていたカノンは安堵したように笑みを浮かべてから、座席へ居直した。
言うが否かカノンはすぐさま立ち上がり、イーリアスの返事を聞かずに足早に去っていった。