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文字数 664文字
カノンは背を向けた少年の腕を すかさずつかむと、
少年の両腕を後ろ手にねじこんだ。
現に自分の持ち物からは金銭がないと、
2.3度身体を揺らして示す。
硬貨がぶつかる心地よい音が無い代わりに、
装備している剣と鞘の音が鳴った。
言い逃れができないと判断した少年は、
自由にされた片腕で、ポケットから
革袋をカノンへ向かって山なりに投げた。
残りの片腕も解放されて自由になった少年は、
痛みを和らげるように腕をまわした後、
不思議そうにカノンを見た。
何を考えてるかわからないといった顔で、
そそくさと走っていった。