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文字数 707文字
木々の間からも、大地を穿つ勢いで
降り込んでくる雨に打たれながら、
2人は子供の小さな足跡を追っていた。
カノンが考えた矢先、
何かを発見した
ディーンが声を漏らす。
茂みに紛れながら、
囲むように設置された柵が
彼の視界に映った。
カノンの言葉に
ディーンが一つ頷くと、
柵を越えて、村の中へ入っていった。
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この天気だから
当然といえば当然なのだが、と、
心の中で付け加えながら
カノンは村を見渡した。
カノンの一番近くに建っていた
家屋の戸に近づき、
2回ノックしてから口を開いた。
応えはない。
つい最近経験した
流れにため息をつきながら、
めげずに声をかけ続ける。
あーはいはい、今開けますよっと
戸の内側から声が返り、
言葉と共に足音が近くなる。
そうして、ノックをしていた扉が開かれた。