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文字数 809文字
目的の小屋と思しき扉の前に立ち、
カノンは小さく息を吐く。
扉をノックし、応えが返るのを
雨をうけながらじっと待ったが、
小屋の中から何かが動くような気配はない。
早く出ろと言わんばかりに
ドアをノックし続けていると、
ばたばたと小屋の中から走ってくる
音と、青年の声が聞こえてきた。
はいはい、ただいま!
扉がゆっくり開かれ、
小屋の主と思しき青年が
カノンを覗き見る。
予想外の来客だったのか、
暫しの間沈黙が流れた。
休んでる暇も惜しい心境だったが、
カノンの体力も消耗していることは
明らかであった。
青年の言葉に従った方が、結果的に
早く解決策を提示してもらえると考え、
カノンは小屋に上がることにした。
カノンは暖炉の前に置かれた
木製の座椅子に腰掛けると、
燃え盛る炎によって、
じんわりと身体が温まっていくのを感じた。
程なくして、木製のコップを持って
青年が戻ってきた。
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