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文字数 599文字
空間に満ちた魔力によって
半ば錯乱状態にあったイーリアスが
落ち着いた様子を見て取ったのか、
セシルが口を開いた。
徐に懐から呼び石を取り出すと、
石が徐々に光りだした。
カノンが自分の呼び石から
2人の声を聞きとっているのを尻目に、
セシルはイーリアスの手から
光る呼び石を取ると、
すたすたと歩いていき、
その先を照らして見せた。
イーリアスは足元から
手ごろな石を拾って叩き割ると、
鋭利になった部位で×印を刻み、
先を行くセシルたちに続いていった。