黄昏のクレイドリア
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文字数 1,080文字
ロージアへ行くとはね……。
……もう二週間経ってたか。
ほとぼりが冷めてれば
いいんだけれど)
かつての騒動を思い出しながら
部屋に向かっていると、
人影が歩いてきた。
救援を受けてからの2週間、
気を張りっぱなしで……
ロクに寝られなかったからな。
ま、これも仕事の内だ……。
気にすんなや。
……とはいえ、実際
焦ったけどなァ。
ろくに声が通ってこなかったんだよ。
んで、嫌な予感がするってんで
駆けつけてみれば……、
妙な結界が、張られてるときたもんだ。
お嬢は……下手に干渉すると、
オレも、カノンたちもやばいから
入るなって言うし……
お嬢以外にも、でかい結界を
張れる奴がいるなんてな。
あたしが心配しても
仕方ないかもしれないけど、
今のフィリカ、昔のあたしみたいに
最悪な気分なんじゃないかって……。
お嬢はタフだからな。
もしもの時は、俺たちが
手助けしてやればいい。だろ?
そのとおりだわ。
お嬢だけじゃなくって、
お前たちも大変だとおもうけどなァ。
周りばっか気にかけてないで……、
自分のことを、大事にしろよ。
ありがとう、パシュア。
ディーンもそうだったし……
年齢の差なのかしら。
ここまで担いできてくれた
フォレストレンジャーの人よ。
たぶん、パシュアと同じくらいの
年齢だと思ったから。
今回の事件で、すごいお世話になったの。
届けたら、すぐ帰ったってやつか。
オレは会わなかったからなァ……。
……一泊ぐらいしていけば、
よかったのにな。
でも…………
俺もずっとロッジを
空けておくわけにはいかないからね。
この辺でお暇させていただくよ――――
美人の女性が
美味しい紅茶を淹れてくれるって?!
それでも俺は戻らないと!!
それじゃあまた!
会いに行けばいいだけの話よね。
調子が戻ってきたじゃないか。
そうみたい。
パシュア。
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