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文字数 901文字
リミッターにしていた魔巧具も損壊、
そんな危機的状況で殴られて気を失って……
ピンチだよなぁ?
足りない……、足りないだろ?
"俺"を満たすための、魔力が!!
器が元の大きさに戻っちまったんだ、
これっぽっちの量じゃ、腹が減って仕方がないだろ?
カノンがいるから平気だって?
まー、あいつがとんでもねぇ
魔力を持っているのは確かだ。
でもよ、それなら……
喰っちまったほうが早いだろ?
呼吸を荒げながら
身体を起こしたイーリアスは、
冷静を装うために頭へ手を当てた。
暗闇のなか、
気配のした方向へ視線を向け、身構える。
蝋燭の火を揺らめかせ、
石の床を反響させながら
青年は鉄格子を挟んで、イーリアスへと対峙した。
石の床を反響させながら
青年は鉄格子を挟んで、イーリアスへと対峙した。
青年は憎悪を隠すことなく言葉を告げると、
再び階段を上がって去っていった。
再び階段を上がって去っていった。
闇に慣れてきた目で辺りを見回すが、
天然の地下空間に、
整然と突き立てられた鉄格子と
地上へと続く階段以外、
めぼしいものは何もなかった。
天然の地下空間に、
整然と突き立てられた鉄格子と
地上へと続く階段以外、
めぼしいものは何もなかった。
歯噛みしながら、
無駄に体力を消耗しないために目を閉じる。
光の届かない闇の中、
先ほど見た悪夢を振り払いながら。