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文字数 1,042文字
私達はスープを口にした時、
それがトマトスープなのか、
芋のポタージュなのかを自然と判断します。
さらには、舌が鋭い方なら
同じトマトスープでも、
その味の深みはコク、酸味もろもろを
吟味して味わい、その違いを知るでしょう。
これが普通の魔術師ですわ。
フィリカをなだめる2人を横目に、
セシルは茶菓子を頬張りながら
イーリアスへ視線を向けた。
額に手を当てて苦悩している
様子のイーリアスを
他人事のように眺めながら、
また次の茶菓子へと手をのばした。