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文字数 759文字
妙に言葉だけ溌剌としている
セシルに応えたカノンは、
神妙な面持ちのディーンを
背後に口を開いた。
カノンを押しのおけて
ディーンはセシルの前に立つと、
腹部へ強かに拳を打ち据えた。
カエルがつぶれたような声をだしてから、
セシルは膝をついて嘔吐した。
一頻り中身を吐き終えてから、
憎憎しげにディーンを睨み上げる。
本来疲弊していた身体に、
さらに薬を盛られたに等しかったセシルは、
体力の限界とばかりに倒れ込んだ。
ディーンがセシルの身体を起こし、
カノンはセシルの口を拭ってから、
口に水を含ませた。