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文字数 338文字

<ボサボサ髪の男>

へへっ、なんだか知らねぇけど

俺は助かったんだ!

こんな所さっさとオサラバして――

待て

<ボサボサ髪の男>

突然、背後から声をかけられ、
逃走していた男は足を止めた。

普通ならば無視して走り去っていただろう。
しかし何故だろうか、

"この人物の問いには従わなくてはならない。"

そう思ったのだ。
魔術師はどうなった

<ボサボサ髪の男>

ケッ、知らねぇよあんな奴、

俺のことを身代わりにしようとしやがって…

ならば、杖は

<ボサボサ髪の男>

へっ、杖?
…………。
もういい。
はれ?
男の首は、胴から離れ、
地へごろりと落ちていた。
男に一瞥もくれず、
人影は苛立った語調で独りごちる。
本当に使えない奴らばかりだ。
魔術師の質も、ここ数年で
随分落ちたと見える。
早く完成させなければな。
"月喚びの箱"を……
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登場人物紹介

<カノン>


合理主義だがお人好しという なんとも損な性格をした剣士。
世の中諦めなければ 大体のことはなんとかなると思っている。

<イーリアス>


自身にかかっている呪いを解除する方法を求めて 放浪する暗殺者。
同時に、冷静沈着な魔術師で、周りに冷たい印象を与える。

<ニルス>


気が小さいが確かな腕を持つ魔巧師。
片付けが苦手だが、物の所在は全て把握している。

<セシル>


手先が器用なお調子者のトレジャーハンター。
アーティファクトや魔巧具の真贋を見抜く観察眼を持つ。

<フィラマリカ=D=リーン>

精霊のスクオーラのボス。
たおやかだが、何かと暴走しがち。

<パシュア>


腹の読めない隻眼の青年。
フィリカの世話役。

<ディーン>


人当たりがよく誠実な好青年。でもなぜか地味で目立たない。
女性を見たら話しかけずにはいられない性質の自称紳士。

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