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文字数 338文字
<ボサボサ髪の男>
へへっ、なんだか知らねぇけど
俺は助かったんだ!
こんな所さっさとオサラバして――
<ボサボサ髪の男>
突然、背後から声をかけられ、
逃走していた男は足を止めた。
普通ならば無視して走り去っていただろう。
しかし何故だろうか、
"この人物の問いには従わなくてはならない。"
そう思ったのだ。
<ボサボサ髪の男>
ケッ、知らねぇよあんな奴、
俺のことを身代わりにしようとしやがって…
<ボサボサ髪の男>
はれ?
男の首は、胴から離れ、
地へごろりと落ちていた。
男に一瞥もくれず、
人影は苛立った語調で独りごちる。