第37話

文字数 521文字

 かなえの、ゼロ何ちゃらフィールドからの『お告げ』は秋の深まりと共に頻繁になっていく。

 秋の文化祭は全校生徒が楽しみにしている大事な行事の一つなのだが、
「闇の武装集団による襲撃があるから、登校してはいけない」

 と曰うので仕方なくボロアパートで過ごすこととなる。

 する事もなく何気なくテレビをつけると、アメリカの何処かの州で小学校が銃撃された事件が報道され、
「ほらご覧なさい。ここに居て良かったじゃない?」

 いやいやいや、アメリカの出来事だろ、ウチの学校でこんなこと起こる筈がないと言うと
「それは私の波動が正常だからなの。もし貴方が邪な思いを私に抱いていたら、ウチの学校が襲われていたのよ」

 ならば、ここにいる必要性あるのか? 登校しても問題なかったのでは?

「次元の並列性の問題なの。もし貴方が学校で淫らな思いを私に寄せて私の波動が乱れたら、この惨劇は私達を襲っていたの。これは時間の流れの同期が影響を及ぼす……」

 夏のお盆の頃に悟ったかなえとの距離感、即ち僕が彼女を求めれば彼女が去って行き、理性を保っていれば彼女が寄ってくる。この原理に少々疑問を持ち始め、彼女の股間の白き神秘に目が釘付けになることで彼女の戯言を受け流す術とする僕であった。
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