第23話

文字数 658文字

 それからはもう、かなえの一人芝居、いや一人舞台となる。

 自分が四歳の時に宇宙神から啓示を受けたことから始まり、如何に自分が人と違うか、神の啓示にはどんなものがあるのか、実際に三年前のリーマンショックを自分は予見していたと誇らしげに言うと、
「で、それでどれだげ儲げだの?」

 それは、と詰まるかなえに
「意味ねぁーじゃんそれ」
 と突っ込む古舘。

 更に広田が、それなら水沢がこの春に東京から引っ越してくる事は分かっていたのかと問うと、
「それは、勿論、当然啓示を受けていたわ」

「そんじゃなして始業式がら来ながったのよ」

 嘘つきー、と三人で突っ込み爆笑する。

 酔いが回ると、女子の方が下ネタに積極的になることをこの日知ることとなりー

「ねえ、なして水沢とへっぺしねぁーの?」

 へっぺ? 広田に向けると人差し指を左手の拳に出し入れする、ああ成る程。

「それは、宇宙神のエハッド・ナヴィたる私は永遠に処女でなければ…」

「ええー、それおがしいじゃ。だって神様ってエッチ大好ぎじゃね? イザナギとイザナミがへっぺして火の神様産まれだんだじゃ」

 僕と広田は心から感心し、おおおと唸る。

「それは… そうかも知れない、けど…」

「おめ、一人へっぺしねぁーの?」

 僕と広田はずっこける。

「そ、そんな、こと、する訳……」

 これはしてるな。ああ、してるぜ。広田と僕はアイコンタクトして吹き出す。と同時にかなえの自慰の姿が脳裏によぎり興奮しかけるも、直後に古舘のその姿を想像してしまい、思わず天を仰いでしまう。

 眩いばかりの満天の星空が僕を慰めてくれる。
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