第22話
文字数 1,046文字
夜、簡単なキャンプファイヤーをやっている最中、突如かなえが呟き始め、みな呆然とする。
「炎の神ヒノカグツチ、イザナミとイザナギが産みたもう炎の子よ、押し寄せる波に消されぬよう我らをいつまでも温め給え」
ああ、やっちまった。僕だけだったなら笑って受け流すところだったのだが。
広田と古舘は顔を見合わせ、僕にそっと
「あれ、何? 呪文? ええ、何なの?」
祝詞に夢中になっているかなえを放置し、僕は仕方なくかなえの性質を二人に説明する。
「それって厨二病だじゃ、マジがよ!」
「うわ、キモ。おめよぐこったなのど付ぎ合ってらわね」
そうなんだよ。最初は何コイツと思ってたんだけど、慣れてきたら実害もないし、変な壺とか買わされることもないし。
「何それウケる!」
古舘は大爆笑する。
「いやー、めぢゃぐぢゃめんこいども、俺は無理だわ、宇宙神の使者どが有り得ねえ」
広田も腹を抱えて笑っている。
祈り終えたかなえがこちらに来て、
「私の大切な同志たる二人にだけ大切な知らせがあるの。」
真顔で呟くと二人は更なる爆笑を弾けさせる。
「もうすぐこの世の終わりが訪れるわ。不信者は命を失い永遠に血の海の底を彷徨うの。我が同志にはそれを避けてもらいたい、だから告げるわ」
するとすかさず古舘が
「その同志には水沢は入ってねぁーの?」
広田も
「同志と彼氏は別枠なん? それとも夫枠? ウケるー」
思わず僕は赤面してしまう。
「彼は、既に宇宙神の庇護の下私の活動の大切なパートナーだから」
おおお、宇宙神。凄い、庇護されでるん、妙に感動? 同情されてしまう。
「既に神の選別は始まっているわ。早くあなた方も気付いて欲しいの。感じるでしょ、湖からの聖なる霊的なエクソシーアを」
不意にかなえが立ち上がり、湖に向かい両手を掲げる。
広田は背を丸めて笑いを堪えながら、立ち上がりテントに向かう。そして両手一杯の缶チューハイを持ってきて、
「よし。そのエグソシアに乾杯すんべーぜ」
古舘も
「これは飲まねぁーばやってられねぁーわ、飲も飲も」
と言ってプシュッと開けてしまう。僕も笑いながらレモン酎ハイを開ける。
「ちょっと、貴方たち未成年が何てことを!」
驚愕してこちらを見ているかなえに、
「お酒は霊的儀式さ欠がせねぁーんでねぁー? だって神様ってお酒大好きじゃん」
余りの正論にかなえが口をパクパクさせていると広田が桃酎ハイをかなえに放り投げる。
「さ、さ、神様にかんぱーい」
慌ててプルタブを引き、一気に喉に流し込むかなえを見て、僕らは大爆笑だ。
「炎の神ヒノカグツチ、イザナミとイザナギが産みたもう炎の子よ、押し寄せる波に消されぬよう我らをいつまでも温め給え」
ああ、やっちまった。僕だけだったなら笑って受け流すところだったのだが。
広田と古舘は顔を見合わせ、僕にそっと
「あれ、何? 呪文? ええ、何なの?」
祝詞に夢中になっているかなえを放置し、僕は仕方なくかなえの性質を二人に説明する。
「それって厨二病だじゃ、マジがよ!」
「うわ、キモ。おめよぐこったなのど付ぎ合ってらわね」
そうなんだよ。最初は何コイツと思ってたんだけど、慣れてきたら実害もないし、変な壺とか買わされることもないし。
「何それウケる!」
古舘は大爆笑する。
「いやー、めぢゃぐぢゃめんこいども、俺は無理だわ、宇宙神の使者どが有り得ねえ」
広田も腹を抱えて笑っている。
祈り終えたかなえがこちらに来て、
「私の大切な同志たる二人にだけ大切な知らせがあるの。」
真顔で呟くと二人は更なる爆笑を弾けさせる。
「もうすぐこの世の終わりが訪れるわ。不信者は命を失い永遠に血の海の底を彷徨うの。我が同志にはそれを避けてもらいたい、だから告げるわ」
するとすかさず古舘が
「その同志には水沢は入ってねぁーの?」
広田も
「同志と彼氏は別枠なん? それとも夫枠? ウケるー」
思わず僕は赤面してしまう。
「彼は、既に宇宙神の庇護の下私の活動の大切なパートナーだから」
おおお、宇宙神。凄い、庇護されでるん、妙に感動? 同情されてしまう。
「既に神の選別は始まっているわ。早くあなた方も気付いて欲しいの。感じるでしょ、湖からの聖なる霊的なエクソシーアを」
不意にかなえが立ち上がり、湖に向かい両手を掲げる。
広田は背を丸めて笑いを堪えながら、立ち上がりテントに向かう。そして両手一杯の缶チューハイを持ってきて、
「よし。そのエグソシアに乾杯すんべーぜ」
古舘も
「これは飲まねぁーばやってられねぁーわ、飲も飲も」
と言ってプシュッと開けてしまう。僕も笑いながらレモン酎ハイを開ける。
「ちょっと、貴方たち未成年が何てことを!」
驚愕してこちらを見ているかなえに、
「お酒は霊的儀式さ欠がせねぁーんでねぁー? だって神様ってお酒大好きじゃん」
余りの正論にかなえが口をパクパクさせていると広田が桃酎ハイをかなえに放り投げる。
「さ、さ、神様にかんぱーい」
慌ててプルタブを引き、一気に喉に流し込むかなえを見て、僕らは大爆笑だ。