第33話

文字数 440文字

 この頃からかなえの病状が徐々に悪化していく。

「来週。百年に一度の台風が来るわ。今朝コスモ・ヤハウェの神託をゼロポイントフィールドからピックアップ出来たのよ」

 コスモヤハウェ? 何それ?

「宇宙の絶対神よ、もう忘れたの?」

 それって、ディオ何ちゃらだったかと……

「絶対神は定期的にその名を変えるのよ、そんな事もまだ知らないなんて…」

 と逆ギレされてしまった。

 そんな事はどうでも良い、来週にとんでもない台風が来るだと?

「ええ。この地域に直撃するみたい。どこか良いパワースポットに避難した方がいいわ。準備しておきなさいね」

 ええと、それって学校をサボりどこかに旅行するって事なのか?

「避難よ、避難。でもこれは親しい人にのみ知らせる事、分かっているでしょうが」

 いいや、全く分かりませんとも。家族に話す気も全くなく、如何に学校と親を騙そうかと思索を巡らし始める。

 結局、学校及び学友諸氏には高熱を発した事にし、家族には学校特別選抜の研修旅行と言う事にして、かなえとの旅行に出たのだった。
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