第55話
文字数 447文字
それからも週一の『夢のお告げ』だけは止まることを知らず。
月の裏側で異星人同士の戦いが起きた、真冬でも活動する藪蚊が来年東北を襲う、東北楽天イーグルスが日本一になる、世界一周鉄道が十年後に開通する、等々。
結局我が家族と過ごすことになったクリスマスには、父、母、弟の前で、
「来年は地震と津波が来るわ。大勢亡くなるの、みんな気をつけて頂戴」
と言ってのけ、後で
「あの娘大丈夫か?」
と心配される始末。多分来年か再来年には完治するから放っておくと言うと、
「あんた、ちょっと変わったよねえ」
と感心されてしまう始末。付き合っている彼女を変人扱いされ少し腹が立ったので、以後家族の前には連れて行かなくなった。
かなえはそれを不満がりもっと親交を深めたいと訴えるも、お前があんなお告げを披露するからだと言うと、呆気に取られた顔をしつつ、何故? これであなたの家族は助かると言うのに何が不満なの? と真顔で言われ、これ以上拗らせたくなかったので俺が悪かった、来年はいっぱい合わせるからと言って抱きしめた。
月の裏側で異星人同士の戦いが起きた、真冬でも活動する藪蚊が来年東北を襲う、東北楽天イーグルスが日本一になる、世界一周鉄道が十年後に開通する、等々。
結局我が家族と過ごすことになったクリスマスには、父、母、弟の前で、
「来年は地震と津波が来るわ。大勢亡くなるの、みんな気をつけて頂戴」
と言ってのけ、後で
「あの娘大丈夫か?」
と心配される始末。多分来年か再来年には完治するから放っておくと言うと、
「あんた、ちょっと変わったよねえ」
と感心されてしまう始末。付き合っている彼女を変人扱いされ少し腹が立ったので、以後家族の前には連れて行かなくなった。
かなえはそれを不満がりもっと親交を深めたいと訴えるも、お前があんなお告げを披露するからだと言うと、呆気に取られた顔をしつつ、何故? これであなたの家族は助かると言うのに何が不満なの? と真顔で言われ、これ以上拗らせたくなかったので俺が悪かった、来年はいっぱい合わせるからと言って抱きしめた。