第53話
文字数 393文字
俺さ、ずっとかなえと一緒だったじゃん、だけどこないだからお前みんなと一緒に飯食ったり下校したりしてんじゃん、それが気になって…、いや。寂しいんだよ。
ええ? 何それ? 寂しいって?
多分さ、嫉妬してるんだ。お前の周りの奴らに。ずっと一緒だったお前をさ、取られちゃったみたいな気持ち。
そんな事ないよ、私別にあの人達と好きで一緒にいるんじゃないよ、私だって、
私だって?
「翔ぐんと一緒に、ずっど一緒にいたいよ」
場所、時刻、周りの人を一切気にせず。
かなえを抱きしめた。込み上げるマグマを堪えきれず、強く激しくかなえを抱きしめた。
「痛いよ、痛いよ」
と小さく叫ぶ声を無視し、抱擁を続けた。
チラチラ舞う雪片がかなえの頭上に落ちては瞬時に消えていく。その度にかなえの香りが鼻腔を刺激し心臓を拍動させる。
僕は目を瞑りかなえの髪に顔を埋める。
ふと目を上げると、弟が呆然と僕達を眺めていた。
ええ? 何それ? 寂しいって?
多分さ、嫉妬してるんだ。お前の周りの奴らに。ずっと一緒だったお前をさ、取られちゃったみたいな気持ち。
そんな事ないよ、私別にあの人達と好きで一緒にいるんじゃないよ、私だって、
私だって?
「翔ぐんと一緒に、ずっど一緒にいたいよ」
場所、時刻、周りの人を一切気にせず。
かなえを抱きしめた。込み上げるマグマを堪えきれず、強く激しくかなえを抱きしめた。
「痛いよ、痛いよ」
と小さく叫ぶ声を無視し、抱擁を続けた。
チラチラ舞う雪片がかなえの頭上に落ちては瞬時に消えていく。その度にかなえの香りが鼻腔を刺激し心臓を拍動させる。
僕は目を瞑りかなえの髪に顔を埋める。
ふと目を上げると、弟が呆然と僕達を眺めていた。