第58話
文字数 391文字
新学期が始まり、学校の皆はかなえの変貌に驚愕する。
古舘はニヤニヤしながら、とうとう水沢と一線越えたのか、いい女になったじゃない、と勝手に歓喜し、広田はいや違う、水沢よりももっといい男と付き合い出したのだと見当違いな言いがかりを放つ。
他の生徒達もそれぞれに勝手な憶測を膨らませてはさりげなく僕に聞いて来たりするのだが、僕が自分も長い髪が好きだったのに溜息をつくと何となく同情してくれるのだった。
かなえはかなえで、問いかけてくる生徒には大学は東京か関西に行きたいからその願掛けであると吹聴し、更なる噂と誤解を招いたものであった。
この高校から大学進学者はあまり多くなく、また県外に出る者も非常に少ないのでこの話はあっという間に全校生徒に知れ渡り、校内では常に注目を浴びてしまう結果となったのだった。
それでもかなえはそんな雰囲気を全く気にせずに飄々と高校生活を僕達と送っていた。
古舘はニヤニヤしながら、とうとう水沢と一線越えたのか、いい女になったじゃない、と勝手に歓喜し、広田はいや違う、水沢よりももっといい男と付き合い出したのだと見当違いな言いがかりを放つ。
他の生徒達もそれぞれに勝手な憶測を膨らませてはさりげなく僕に聞いて来たりするのだが、僕が自分も長い髪が好きだったのに溜息をつくと何となく同情してくれるのだった。
かなえはかなえで、問いかけてくる生徒には大学は東京か関西に行きたいからその願掛けであると吹聴し、更なる噂と誤解を招いたものであった。
この高校から大学進学者はあまり多くなく、また県外に出る者も非常に少ないのでこの話はあっという間に全校生徒に知れ渡り、校内では常に注目を浴びてしまう結果となったのだった。
それでもかなえはそんな雰囲気を全く気にせずに飄々と高校生活を僕達と送っていた。