第4話
文字数 694文字
四月の半ばになり、僕の左横の席がずっと空席なのが気になりだす。
「ああ、紫波さんね。一年生の頃からあまり学校さ来ねぁーんだよ。」
この頃には彼らは僕に対し遠慮なく方言をかましてくるものだから、まあ少しは受け入れられているのかなとも思ったりしていた。それにしても彼らの本気の方言は堪らない。イントネーションが標準語とは隔絶しており、日本語とは思えない全く別の言語を聞いているかのようだ。
その紫波と言う女子は、広田曰く絶世の美少女であり学業も抜きん出ているそうだ。彼女がたまに登校した日には学校中の男子生徒が彼女を眺めに来るらしい。
東京の高校時代、僕のグループには読モをやっている子や芸能プロダクションに所属する子もいたので、この寒村に咲く一輪の花には全く期待する気はなかった。
だが、寒村に来てひと月経ち、いい加減女子とデートやそれ以上の事を望む気持ちは否定出来なくなって来ており。
クラス半分の女子は古舘を含め、僕の価値観から見て並以下。全校女子生徒を見回しても僕の心の吟線に触れる女子は皆無であった。
流石にこの頃から都会が懐かしくなって来て、精神的にやや不安定になって来ていた。
読モやっている美嘉に会いたい。莉奈はドラマのオーディション通ったのかな? ネットのニュースで彼女達の活躍に触れる度に、徐々に都会への帰巣本能が耐え難きものとなっていく。
こんな様子の僕を広田は心配してくれ、
「やっぱ東京恋しいよな、高校出だら一緒さ東京の大学行ごうぜ」
と慰めてくれる。
「その丸刈り頭で何が東京よ。片腹痛えわ」
古舘が呆れ果てて突き放す。
広田と一緒に東京は確かに勘弁だな、少し笑えた。
「ああ、紫波さんね。一年生の頃からあまり学校さ来ねぁーんだよ。」
この頃には彼らは僕に対し遠慮なく方言をかましてくるものだから、まあ少しは受け入れられているのかなとも思ったりしていた。それにしても彼らの本気の方言は堪らない。イントネーションが標準語とは隔絶しており、日本語とは思えない全く別の言語を聞いているかのようだ。
その紫波と言う女子は、広田曰く絶世の美少女であり学業も抜きん出ているそうだ。彼女がたまに登校した日には学校中の男子生徒が彼女を眺めに来るらしい。
東京の高校時代、僕のグループには読モをやっている子や芸能プロダクションに所属する子もいたので、この寒村に咲く一輪の花には全く期待する気はなかった。
だが、寒村に来てひと月経ち、いい加減女子とデートやそれ以上の事を望む気持ちは否定出来なくなって来ており。
クラス半分の女子は古舘を含め、僕の価値観から見て並以下。全校女子生徒を見回しても僕の心の吟線に触れる女子は皆無であった。
流石にこの頃から都会が懐かしくなって来て、精神的にやや不安定になって来ていた。
読モやっている美嘉に会いたい。莉奈はドラマのオーディション通ったのかな? ネットのニュースで彼女達の活躍に触れる度に、徐々に都会への帰巣本能が耐え難きものとなっていく。
こんな様子の僕を広田は心配してくれ、
「やっぱ東京恋しいよな、高校出だら一緒さ東京の大学行ごうぜ」
と慰めてくれる。
「その丸刈り頭で何が東京よ。片腹痛えわ」
古舘が呆れ果てて突き放す。
広田と一緒に東京は確かに勘弁だな、少し笑えた。