第31話
文字数 553文字
よろよろと立ち上がる僕には目もくれず、彼女の祈りだか呪文に力が入る。
余程正座には慣れているのか、彼女は揺らぎもせず威風堂々と起立している。その姿に少しだけ神の力を感じてしまう。僕も相当毒されたものだな、自虐的に苦笑いする。
徐に彼女が僕に向かい合う。暗いながらも目が慣れたせいで彼女の全裸姿が僕の目の前にくっきりと浮かび上がる。
「さあ。宇宙からの波動を享受しましょう」
そう言うと僕の両手を握り、パラボラアンテナを挟んでグルグル周りだす。
もし窓の外から僕たちを見る人がいたら迷わず警察に通報する事だろう。万に一つ、宇宙人がこの姿を見たならば、この星に関わることを断念するであろう。
それ程情けない状況なのだ、僕的には。
然し乍らかなえは恍惚とした表情で、僕の手を握りしめアンテナの周りをグルグル歩く。
一体何周回っただろうか。この儀式は僅かな休憩を挟み、夜中の二時まで延々と続いたのであった。
心身ともに疲れ果てた僕は、その場に倒れ込み意識を失った。
朝日がこの部屋に差したのを感じて目を開ける。
全裸の僕が大の字で女子のアパートで寝ている。
隣の部屋からは、神聖な寝音がスースーと漂っている。
起床時の生理的現象を彼女に見られなくて良かった、心底思いつつ大きな伸びをしてから服を拾い集めたのだった。
余程正座には慣れているのか、彼女は揺らぎもせず威風堂々と起立している。その姿に少しだけ神の力を感じてしまう。僕も相当毒されたものだな、自虐的に苦笑いする。
徐に彼女が僕に向かい合う。暗いながらも目が慣れたせいで彼女の全裸姿が僕の目の前にくっきりと浮かび上がる。
「さあ。宇宙からの波動を享受しましょう」
そう言うと僕の両手を握り、パラボラアンテナを挟んでグルグル周りだす。
もし窓の外から僕たちを見る人がいたら迷わず警察に通報する事だろう。万に一つ、宇宙人がこの姿を見たならば、この星に関わることを断念するであろう。
それ程情けない状況なのだ、僕的には。
然し乍らかなえは恍惚とした表情で、僕の手を握りしめアンテナの周りをグルグル歩く。
一体何周回っただろうか。この儀式は僅かな休憩を挟み、夜中の二時まで延々と続いたのであった。
心身ともに疲れ果てた僕は、その場に倒れ込み意識を失った。
朝日がこの部屋に差したのを感じて目を開ける。
全裸の僕が大の字で女子のアパートで寝ている。
隣の部屋からは、神聖な寝音がスースーと漂っている。
起床時の生理的現象を彼女に見られなくて良かった、心底思いつつ大きな伸びをしてから服を拾い集めたのだった。