#51 ロンドン <祥子視点>

文字数 7,202文字

ロンドンに着いて到着ロビーでドキドキしている。アーチャーさんから迎えを待つように言われている。荷物をピックアップしてカートを押していく。

「どこに居るんだろう」

私の名前を書いた紙を掲げてる人が居ないか探す。どこにも居ない。

「そんなに遅れて無いのに」

心細くなってきた。でも、ここから動けない。途方に暮れてベンチを見つけて座り込んだ。このまま迎えが来なかったら…。

「そうだ。連絡先が書いてあった」

スケジュール表を引っ張り出す。ここはもうイギリスだから国番号は必要ない。掛けられなかったら、英語が通じるから空港職員に聞けばいい。いざとなったら、日本の旅行会社のツアーデスクに駆け込めばなんとかなる。どうしようも無くなったら帰るチケット買えばいい。

頭の中で、もしもの時のシミュレーションをしていたら、目の前にスーツ姿の男性が立ち止まった。
私は顔を上げてその男性を見る。男性も私を見る。
男性が、手に持ってた紙を見て私を見る。見比べる様に視線が行ったり来たりを繰り返した。男性が私に話しかけてくる。

「祥子・苅谷?」
「はい」
「これは君?」

男性が持ってた紙を私に差し出した。それは、私のサインが書いてある、アーチャーさんとのツーショット写真だった。

「私です」

そう答えたら、男性がホッとしたような顔をした。

「遅れて申し訳ありません。私、フランク・アーチャーの秘書をしているラルフ・ローレンです。ラルフと呼んで下さって構いませんよ」

迎えの人だと分かり、私のほうがラルフよりもホッとしてたと思う。帰る事迄考えていたのだから。

「祥子・苅谷です。宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いします」

そう言ってラルフは写真をポケットに入れて、私に手を差し出した。軽く握手をしてからラルフは動きだす。

「荷物はこれですね」
「はい」

私の荷物満載のカートをラルフが押して行き、車のドアを開けて私を先に後部座席に乗せてから、荷物を車に積み込んだ。

(お嬢様待遇だ)

車も一目で高級車と分かる。内装が違う。下手に触われない。汚しちゃいけない。
車の中で緊張するなんて、初めてのドライブデート以来だ。でも、この緊張は私じゃ手の届かない世界に触れた緊張だ。カノンの夜会と同等だ。



車は予想した通り、高級住宅地を通り、広大な庭に入る。

(生活レベルが違う)

車のドアが開けられて、目の前の玄関を眼にしてそう思った。その玄関がお手伝いさんの手で開けられた。
ふかふかのソファーに促されて、借りてきた猫の様に小さくなって座った。
場違いな気がした。シドの家も大きかったけど、そこに主人(シドのお父さん)が居なかったから、気楽に住んでいられたんだ。

紅茶を出される時も、紅茶の銘柄(めいがら)を聞かれて戸惑ってしまった。アッサムとかダージリンとか…私には味の違いすら分かりません。更に、スコーンにするか、クッキーにするか、ケーキにするか、チョコにするか。
選べるのは嬉しいけど、全部出してくれれば、美味しそうな物を食べるのだけど。

紅茶とケーキを置いてお手伝いさんが部屋から居なくなった。

「監視カメラなんて無いよね」

キョロキョロと部屋を見回していたら、アーチャーさんが入ってきた。慌てて立ち上がる。

「アーチャーさん、お久しぶりです」
「祥子、ようこそロンドンへ。待ちくたびれましたよ。そうそう、うちのラルフが遅れたそうですね。すみませんでした」
「気になさらないで下さい。それに、ロンドンではアーチャーさんのお家に滞在させて頂けるなんて、ご迷惑じゃないといいんですが」
「大歓迎ですよ。そのほうが練習し易いですからね。どうぞ寛いで下さい」

アーチャーさんも座り、私も促されるまま座った。

「それって24時間、練習し放題の意味ですね」
「大当たりです。ルナも楽しみにしてましたよ。今、来ます」

ルナが入って来た。

「祥子、ようこそ。待ってたのよ」
「ルナ、お久しぶりです」

ルナがソファに座り、持って来た紙を私に差し出した。スケジュールと楽譜の束だ。

「日程と各地での演奏曲順が書いてあるわ。確認しましょう」
「はい」

早速、仕事が開始される。三人で確認していく。移動手段、宿泊ホテル、公演する場所、曲順や曲のイメージ・・・等々。

ふかふかのソファに座って仕事の話なんて勿体無い気がする。寝そべりたくなる気持ちよさなのに。でも、仕事の話だから頑張って耐える。
貰った楽譜に書き込みが沢山入った。

「お父様、私、祥子をお部屋に案内してくるわ。そのまま練習部屋に行ってます」
「後から私も合流するからね」
「じゃ、祥子、来て。お部屋に案内するわ」
「はい」

ルナの後について、二階の部屋に辿り着く。ゲストルームだ。洗面所もお風呂も付いている。

(す、凄い)

部屋の調度品も立派な物だ。既に運び込まれていた私の荷物が部屋に合って無い。浮いて見える。

「練習部屋を教えるわ。フルート持ってきて」

ルナの声が聞えてきて、我に返った。お嬢様待遇に浸ってた。

「はい」

一階に戻り、広い部屋に通された。グランドピアノが置いてある。椅子と譜面台が三組用意されていた。

「ここで練習してね。いつでも使って構わないわ」
「はい」
「早速、祥子の音を聞きたいわ」
「ディズニーの曲でいいですか?」
「いいわ。吹いて頂戴。祥子は机のあるほうにどうぞ」
「はい」

ルナが椅子に座り、楽譜を譜面台に置いた。私も譜面台に楽譜を並べ、小机の上でフルートケースを開ける。アーチャーさんが入って来て、空いてる椅子に座った。
私は硝子のフルートを組み立てて、シドの言葉を思い出す。

 「アーチャーさん達との練習に、一度使って下さい」

硝子のフルートをタオルの上に置いて、ケースの仕掛けを外し、金属のフルートも出して組み立てる。

「おや? 祥子は硝子のフルートに戻ったんじゃなかったのかな?」

アーチャーさんが言った。

「知ってらしたんですか?」
「記事に出てたのを目にしてね」
「今は両方で吹いているんです」
「今回はどっちで吹くんだい?」
「今は金属のフルートの音を聞いて下さい。後で硝子の音も聞いて貰います。ご希望あれば使い分けます」
「それは楽しみだ」

ディズニー 「星に願いを 美女と野獣 ララルー」

ゆっくり金属のフルートに息を吹き込んでいく。このフルートはシドの物。その前はシドの愛した女性の物。
初めてのフルートに息を吹き込むのはドキドキする。シドがこのフルートから奏で出す音と、今私が奏でる音は異なるはずだ。同じ一本のフルートから奏者の数の音が生まれてくる。

ララルーを吹き始めたら、パサパサと紙が落ちる音が耳に入った。ルナの楽譜が床に散らばっていた。
ルナが左手を口に当てて、私を凝視している。アーチャーさんは静かに眼を閉じて聴いていた。
私の最後の音が消える迄、ルナは私を見ていた。アーチャーさんは眼を閉じたまま。二人の正反対の反応を見て、私は失敗したと思った。

(硝子にしとけば良かった)

音が消えても部屋の中は静まったままだから、私のほうから口を開く。

「あの…」

私が声を掛けたら、ルナが立ち上がって私に近づく。

「祥子。その、そのフルート見せて」
「あ、どうぞ」

フルートをルナに手渡す。ルナが左手で持ってフルートを見る。

「これ、祥子のじゃないわよね?」

驚いた。どうしてそんな事が見ただけで分かるのだろう。

「私のじゃないです。このフルートはシドから預かってきたんです。アーチャーさん達の前でこのフルートを使ってくれって言われたんです」

ルナがフルートを愛おしそうに頬に当てた。今度は私がルナを凝視する。

(フルートが、何?)

ルナが大きく息を吸い込んだ。口を開く。

「これ、私のフルートよ」
「え?! ルナのフルート?」
「そうよ。私がシドに(たく)したフルート」
「ルナがシドに?」
「この工房銘のシリアルナンバーは、私の特注品なのよ」

ルナの視線の先には小さく刻印があった。
私はシドの暖炉の上にあったフルートケースを思い出す。確かケースに刻印があった。

(確か演奏曲順に…あった)

Luna(ルナ) Archer(アーチャー) ・・・ L A

シドの愛した女性は生きていた。私の前に居る、ルナ・アーチャーだ。



私は今迄、ルナのイニシャルがRで始まると思っていた。カルメンでのパンフレットを見て名前はカタカナ表記が先に書かれていたので、英語表記は気にも止めていなかった。シドとは関係ない、お気に入りの声の女性。
…じゃなかったんだ。

シドは昔、アーチャーさんとルナに会ってると言ってた。私がこの仕事の話を伝えた時にそう言ってた。
シドのお父さんは演出家。アーチャーさんはオペラ歌手。この二人がオペラを通じて友人だったと、何で気づけなかったんだろう。それなら、ルナがホームステイでシドの家に居てもおかしくない。

シドの言葉を思い出した。

 「逃げるのを止めてみようと思ったんですよ」

(なら、どうして私に?)

楽団の仕事があるから国外に出られないのは分かる。でも、今は電話だって手紙だってある。

(そうだ…事故でルナは右手を失ったんだ)

ルナの右手は義手。事故でフルートが吹けなくなって、ルナはイギリスに帰ったんだ。
シドは事故以来、ルナとは会っていないんだ。義手である事を知らなかった。
シドも傷跡を体に残しているが、ルナ程ひどくなかった。それを負い目に感じて、事故は自分の責任だと思っているのかもしれない。

ルナの代わりにこのフルートで成功しようとしてたのに、指が動かなくなって断念させられたシド。吹かなくなってからも大事に置いてあったフルートケース。毎晩の様に聞いていたルナの声。自分で知っていた「逃げている」事。
シドはルナに対する想いから「逃げて」いたんだ。

そこに私が現れたんだ。
フルートを吹いている私。居候している私。私が傍に居て、私にルナを重ねていたのかもしれない。

(私はシドにとってルナの代用品…)

それでもあの時、シドは私を抱かなかった。

 「私は、祥子の事が好きですよ」
 「祥子の影響を受けたのかもしれません」

そうシドは言っていた。私は私として、シドに係わっていた。そう思いたい。



ルナの声で引き戻される。

「どうしてシドのフルートを祥子が?」
「詳しいことは私もシドから聞いていないんです。…あ、もしかしたら」

昨夜、シドと合わせた時の音。シドにしては強引だと思えた音。あれを。

「ルナ、もう一度聴いて下さい。多分、シドがあなたに伝えたい事だと思います」
「え、えぇ。分かったわ」

ルナからフルートを受け取って、昨夜を思い出す。シドの技術を再現出来るか自信はないが、曲の組み立て方と情景は出せる。

 ♪~♪♪♪

ルナとアーチャーさんが静かに聴いている。今は苅谷祥子ではなく、シド・ガーディナーとして吹いていく。ルナに伝えたかった事は、私が偶然受け取っていた一言だ。
その一言を私が再現する。今の私だから再現出来る。

 「私は今でもあなたを愛しています」

途中からルナの声が乗ってきた。それを聞きながら私は驚いてる。昨夜のシドの吹き方は、このルナの声に合わせたものだった。ルナが声を載せ易い様に。そうなっていた。

ルナの声とフルートの音が消えた時、ルナが涙を落とした。

「これはシドの吹き方だわ。私が遊びで歌ってた時にシドが合わせてくれてた、その時のままよ」

そう言われて、シドの一言が伝わったのを悟る。

「祥子、あの人…シドは」
「私には分かりません。でも、シドはこのフルートでこういう吹き方を私にして欲しいと、ルナ、あなたに伝えてと」
「なら、シドは自分で…あぁ。そうね…そうだったわね」

ルナが気づいた様にアーチャーさんを見た。アーチャーさんが頷いた。

「シドは奏者じゃなくなったのよね。だから、シドは」
「あなたに許して欲しい気持ちと、あなたを愛してる気持ちの間で(とど)まっていたんだと思います」
「私が許す? 何で?」
「シドと一緒に事故に()ったんですよね?」
「そう、そうだけど。あれは私が早く練習したくて、いつもの時間より早くバス停にシドを引っ張っていったのよ。だからシドのせいじゃ無いのに」
「このフルートを吹いてたシド自身も吹けなくなったから」
「…」
「それでもシドはあなたの事を忘れられなかったんですよ」
「でも、シドはあの時、来なかったわ」
「あの時?」
「お父様の「アイーダ」公演の時よ。最終日、シドに席を贈ったのよ。なのに、シドは来なかった。初日には来てたのに」
「…」

だからアーチャーさんは、客席のルナの席を見て気にしてたんだ。隣の席が空いたままだったんだ。最後の「星に願いを」はルナの為に歌っていたんだ。

「だから、私はシドの事、もう…諦めなきゃと」

ルナの言葉が私に痛く響いてきた。ここにも私と同じ様に悲しむ人が居る。
だけど、シド…シドは。

「あの時は仕事が入っていたんですよ」
「…でも」
「シドはあなたの事を忘れてないですよ。あなたのCDをよく聴いてますから」
「私のCDを?」
「はい。毎晩の様に流しています」
「毎晩? どうして? …どうして、祥子はそんな事を知っているの?」

オーストリアでも記事に出来ない事だから、知らないもの当たり前だ。
だけど、今なら口外しても大丈夫。

「すみません。これは今日まで国内でも極秘だったんです。私が事件に巻き込まれてしまって、一時的にシドの家に避難しているんです」
「なら、祥子、あなたは、シドを…シドとは」

一緒に住んでたらこう聞かれるのは当たり前かもしれない。

「楽団のインスペクターと楽団員ですよ。それに、今日、その事件が解決したんです。だから、ウィーンに帰ったら、私はシドの家を出るんですよ」
「…そう」

私の最後の頼みの綱が切れた気がした。シドとルナはお互いをまだ愛している。
私がエリックの代わりにシドに向かう事は出来ない。いや。しちゃいけない。

「最近シドが変わった、と皆が言っています。あなたともう一度向かい合ってみようとしているんでしょう」
「そう…かしら」
「ルナ、あなたは、私が吹いた音を「シドの吹き方」と気づきましたよね」
「えぇ」
「私は吹きながら、ルナの声を載せる為にシドが音を創ったんだと、感じていました」
「私の声の為に?」
「そう。そう吹いてて感じました。あなたが歌い易い様に、あなたの為の音です」
「…祥子。それは。私はどう受け取ればいいの?」
「音から伝わってきませんでしたか? 「美女と野獣」の曲から思い出せませんか?」
「思い出せたわ。大きな部屋で二人で踊ったわ。それに…」
「…「愛してる」そう、シドは伝えたいんです。直接来れないのは」
「仕事ね」
「はい。12月はうちの楽団が総出でモーツアルトの月になりますから」

仕事は理由のひとつだろう。まだ直接会うのが怖いのだろう。
ルナが気づかなければそこで終わってたんだ。シドは私とルナに賭けたのかもしれない。

ルナの顔は嬉しそうだ。

「全く、シドったら。こんな大事な事、自分の口で言いに来なさいよね」
「ルナ。私のほうがいい迷惑よ」
「あ、そうね。ごめんなさいね。でも、祥子は断っちゃえばよかったのに」
「そんな事言われても、ルナとシドが愛し合ってたなんて、今、知ったばかりなのよ」

「言っただろ。祥子が来れば上手くいくって」

私とルナのやり取りを聞いていたアーチャーさんが立ち上がって言った。

「お父様」
「アーチャーさん、その意味は?」
「後で」

アーチャーさんがそのまま部屋の外に出て直ぐ戻ってくる。お手伝いさんがグラスを持って入ってくる。琥珀色の液体が注がれて渡された。
香りでブランデーだと気づく。

「あら、お父様、祥子にこれは失礼よ」
「ルナ、大丈夫よ。シドに予習受けたから」

そう答えたら、アーチャーさんに笑われた。

「シド君は私の好みも忘れてないんだな。ルナ、信じてて良かっただろ?」
「えぇ。お父様」
「祥子が運んできてくれたんだ。ありがとう」

私はよく分からないままだったが、三つのグラスが合わさった。

「…飲み易い」

二度目だから慣れたのかもしれない。喉元を通過する熱さは感じるけど。
アーチャーさんが上機嫌で喋リ出す。

「実は祥子に手紙を渡して直ぐ、シド君から祥子を貸し出すのは断られていたんだ」
「え? スケジュールの調整で、待ってる様に言われてましたけど」
「途中でシド君の気持ちが変わったんだ。何かがシド君を動かしたんだ」

シドから告げられた時を思い出す。確か、私がハミルトン警部に捕まった次の日だ。私がシェリルの音を喰った次の日。
歯切れが悪かったシドを思い出す。最初断っていたからだったんだ。

「祥子が居れば、ルナ、次はシド君に会えるかもしれないよ」
「まぁ、お父様ったら」
「あの。私は仕事で呼ばれたんじゃないんですか?」
「勿論、仕事さ。音で祥子を見つけた。偶然、祥子は楽団員だった。偶然だったんだよ。まぁ、少し、ルナの為にシド君を引っ張りだせればいいかな、とは思いましたがね」
「あぁ。私って利用されちゃう人間なんだ…」
「祥子、君は少なくとも二人、ルナとシドを幸せに出来るんだよ」
「…そうですね。そうですけど…」

(こうやって自分の幸せが削り取られていくのかもしれない)

小さくため息だ。
アーチャーさんが笑って、私の肩を叩く。

「祥子、「星に願いを」を頼むよ。私が歌う」
「はい」

 ♪♪♪♪♪♪♪~

吹きながら気づく。さっき、ルナの声を載せた時と違う。音の出し方を変えなきゃならない。アーチャーさんの低く空気の振動を思わせる声、ルナの高い澄んだ声。異なる二つの声だ。

 「アーチャーさんと…ルナの声、同じ様でいて全く異なりますよ」
 「二人一緒の場合、祥子の音で繋ぎ合わせなきゃならない」

シドの言った事が分かった。
この二つを合わせる時、私はどの音を創り出せばいいのだろう。
それがこの仕事の一番の課題なんだ。



「シド、ルナがフルートに気づきましたよ」
「そうですか。…祥子、ありがとう」

電話の向こうのシドの声は、いつもと変わらない落ち着いた声だった。


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