余計な一言でオウンゴール決める
文字数 585文字
傍目から見れば、まるで僕が1日で都築に追いついたように見えただろう。舞歌などは、自分の人選は正しかったとばかりに鼻高々だった。
その日の帰り道、舞歌は何だかんだと話しかけながらバス停までついてきた。僕は僕で、何だか自信がついてきたせいか、大きなことを言うようになっていた。
シャドウさえついていれば、何でもできるような気がしていた。でも、そんな話になると、舞歌は急に慎重になった。
珍しく、僕は人のために働きたいという気になっていた。それは、舞歌に認められて有頂天になっていたせいかもしれない。ところが、返ってきたのはシビアな答えだった。
僕はちょっとムキになっていた。舞歌はちょっと困っていたようだったが、意を決したように聞き返した。
それは、僕の知っている舞歌とは違う声だった。低く、強い響きを持つ声だった。それにはちょっと言葉に詰まったけど、勢いに任せて言い切るしかなかった。
舞歌も、すっぱりと言い切った。
きっかけを掴んだら、そんなのもう、怖くなかった。