僕の変身
文字数 434文字
僕は思い出せる限り、最初に聞いたシャドウの言葉を真似した。最初、涼美先輩はきょとんとしたが、豊かな胸を腕で支えて笑い出した。
精一杯カッコよく笑ってみせた。わざとらしくないかと思ったとき、息が一瞬だけ詰まった。座ったままのところへ涼美先輩がしがみついてきたので、胸に顔が埋められたのだ。
耳元に、熱い息がかかる。
ここは慎重に、恋人役をやる必要がある。
僕は心臓がバクバクいうのを我慢して、先輩の方を掴んでゆっくりと押しのける。たちまち、脳天にゲンコツが来た。
涼美先輩を抱き寄せる。柔らかくって、いい匂いがした。
月の光が、濃い青色に変わる。この間見た、不思議な光の群れがあちこちに漂い始めた。